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おにぎりショットで悠々逃げ切り…勝みなみの大物感

国内女子の「KKT杯バンテリンレディスオープン」で、アマチュアとして史上4人目の優勝を果たした勝みなみ。最終18番でのウィニングパットまで全く緊張を感じさせない堂々としたプレーぶりが何よりも印象的だった。15歳293日にしてツアー優勝を果たした快挙を、本人の話をもとに時系列で追ってみた。

前日の夜は知り合いの焼き肉店でたらふく食べて、朝は6時に起床するはずが、ぐっすり寝すぎて22分の寝坊。コースに着くと、いつも通りに準備をして「なぜか全然緊張しなかったですね」と9時1分にスタートした。

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「今日も歌っていましたね。アイスクリームの歌でした」。1打差の2位に一歩後退した2日目のプレー後、ラウンド中に歌っていると明かしていたが、この日は頭の中に保育園に通っているときに覚えた歌が舞い降りてきたという。「たぶん、昨日の焼き肉屋さんで最後にゼリーをいただいて、アイスも食べたいと思っていたのが心残りで。それで出てきたんだと思います」。

まだ15歳のあどけない表情でそう話したが、プレーの方は2番のバーディで首位へ並び、その後は単独首位で後続との差を開く圧巻の内容。「ラウンド中も不思議なぐらい冷静で自分じゃないみたいな感覚」というゾーンに入った状態だった。

ラウンド中も終始笑顔が目立っていたが、14番でバンカーからの3打目を7メートルオーバーしてボギーを叩き、「あれは、展開的に良い感じではなかったので、ヘラヘラしていたらまずいと思った」と笑顔が消えた。歴戦のプロでも緊張するサンデーバックナインだから当然だ。

17番のティグラウンドに上がると「お腹が減ったので」と、おにぎりを取り出し頬張りだした。自分の打順が来た時にも、口におにぎりが残っていたというが、そのままフェアウェイ中央にナイスショットを放った。「急に飲み込んだほうが体に良くないと思って(笑)」。大物っぷりを発揮してパーセーブし、2打差で最終18番パー5を迎えた。

2オンは狙わずにレイアップ。残り88ヤードの3打目をグリーン奥のバンカーに入れ、ピンチに陥ったが「前半からバンカーショットは調子よかったので失敗はしないと思いました」とピン横2メートルに寄せた。そして、パーパットをしっかり決め、入った瞬間に左手で小さくガッツポーズを作った。「さすがに最後のパットは緊張した」という。

小さいころから人前に出ることを苦にしない性格という。多くのギャラリーが見守る優勝スピーチは「初日にトップタイになれたので『優勝しちゃうんじゃねー?』なんて冗談で話していましたが、まさか勝てるなんて思っていなかったです」と、天真爛漫な15歳の少女そのものだった。(熊本県菊陽町/本橋英治)

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