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「ハチャメチャな選手」から探る正解 コーチと渋野日向子が試した一週間

◇国内女子◇宮里藍 サントリーレディスオープンゴルフトーナメント◇六甲国際GC(兵庫県)◇6513yd(パー72)

3日目(10日)の最終組がスタートする午前11時ごろ、ドライビングレンジのはしっこで予選落ちした渋野日向子が練習していた。右手には剣道のコテのような練習器具を装着し、青木翔コーチとスイングを確認しながらボールを打ち続けていた。

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器具はスイングの際に手首の角度をキープするためのもので、青木コーチが米国からインターネットで取り寄せたという。「手首を返さないよう、手の甲を器具に当てたままダウン(スイングを)しようとやってみた」と、前日の金曜日に届いたばかりの器具を使ったショット練習は3時間ほど続いた。

「試行錯誤の段階だから、これも明日には使わなくなるかもしれない」と青木コーチ。今年から再び一緒にスイングづくりに取り組み始めており、やりたいことはいくつもある。ボールへのコンタクトをよくするためにトップを高くすることや、「スイングを変える中で自信がなくなると、手で合わせる動きが多くなる」と指摘する、手先でクラブを操作しない動作。帰国前に痛めた左手のケアも課題の一つに加わった。

「状況に応じてどうにかすることもコーチの仕事。知恵を振り絞って、渋野選手にとって良いものを『こっちだよ』って導いてあげられたらいいのかなと思う」と、今週は試合中にもいろいろと試した。右手の“あそび”をなくすために、グリップの下巻を太くしてクラブを調整。渋野の意思で、開幕前に野球のバットのように握る10フィンガーグリップに変えようとしたときは「大丈夫?」と聞き返したが、初日「70」で帰ってきた渋野に「まさか、あんなに打てると思わなかった」と驚かされた。

この日の練習では10フィンガーグリップを継続し、握り方を変えればフルショット以上にフィーリングに影響するアプローチも同じグリップで統一。「クラブに対する繊細さより、距離感だったりの繊細さをしっかり持っている選手。あの人、普通じゃないもんね」と青木コーチは笑う。

急な10フィンガーグリップへの移行は異例にも映ったが、打ちたいボールへと導くための選択肢のひとつに過ぎない。「やってみた結果、足を引っ張るものは削除していく。プロとして生きていく上での知恵にもなる」(青木コーチ)と大胆な変更も試す価値はある。どこで、どんなピースがかみ合って爆発するのかなんて分からない。「もともと、ハチャメチャな選手なので」という青木コーチの言葉には、そんな期待が込められているように感じた。(神戸市北区/谷口愛純)

谷口愛純(たにぐちあずみ) プロフィール

1992年生まれ。社会部記者、雑誌の営業その他諸々を経てGDOに入社。ゴルフは下手すぎて2017年に諦める。趣味は御朱印集めと髪色を変えること、頭皮を想って最近は控えてます。

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