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松田鈴英らが涙 歴代プロテスト1位の明と暗/国内女子QT振り返り

プロ野球では「ドラフト1位」という枕詞で選手が紹介されることがある。個人的な考えだが、女子ゴルフ界にやや強引に当てはめると「プロテスト1位」がそれだろうか。プロ入り同期の中で最も注目度が高い選手でもある。

来季の出場資格をかけて96人が出場した12月初めのQTファイナルステージ(静岡・葛城ゴルフ倶楽部 宇刈コース)には多くのプロテスト1位が参加した。2017年に2度目の挑戦でトップ合格し、躍進中の「黄金世代」と同期で、優勝は時間の問題とみられていた松田鈴英もその一人だった。

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6月ごろに行われるリランキング(賞金額に応じて出場優先順位を組み替える制度)までの試合に優先的に出場するには30位以内が目安となるが、松田は通算9オーバー74位に終わり、アテスト後は大粒の涙を流しながら、「本当につらかったですが、しょうがないです」と肩を落とした。

18年に賞金ランキング11位に入って初シードを獲得した。19年は34試合でトップ10入りが7度、同ランク32位で守った。52試合が開催された長丁場の2020-21年シーズンは45戦中23戦で予選落ち。フェアウェイキープ率は56%と低迷するなどショットは立て直せず、賞金ランキング94位でシードを失った。

「最終日(78)に崩れてしまった。今年一年、いろいろとショットが悪くなったり、パターが悪くなったり、全部が悪くなったんですが、一年間しっかりとステップアップツアーでイチから頑張りたい」とこぼれる涙をぬぐった。

プロテストトップ合格選手は、直近の21年11月の尾関彩美悠、同6月の佐久間朱莉に加えて、古くは02年の佐々木慶子の姿もあった。佐久間が14位で来季前半戦の出場権を確保したのに対し、尾関は9番でトリプルボギーをたたくなど「79」と大きく崩れて通算6オーバー58位に終わり、「自分の実力不足を痛感した」とうなだれた。初日首位発進したエイミー・コガも43位で報われなかった。

輝かしい未来が約束されたかに思われたプロテスト1位たちの予選会。観客なし、テレビ中継なしの4日間はトレードマークの笑顔も少なく、張り詰めた雰囲気が漂う中、悲喜こもごものドラマがあった。(静岡県袋井市/玉木充)

<プロテストトップ合格者(合格年)の予選会結果>
尾関彩美悠(21年11月)/58位
佐久間朱莉(21年6月)/14位※
エイミー・コガ(18年)/43位
松田鈴英(17年)/74位
永井花奈(16年)/41位
東浩子(12年)/15位※
O.サタヤ(11年)/84位
黄アルム(08年)/6位※
服部真夕(07年)/56位
佐々木慶子(02年)/78位
※2022年前半戦出場は30位以内が目安

玉木充(たまきみつる) プロフィール

1980年大阪生まれ。スポーツ紙で野球、サッカー、大相撲、ボクシングなどを取材し、2017年GDO入社。主に国内女子ツアーを担当。得意クラブはパター。コースで動物を見つけるのが楽しみ。

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