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本能任せからの脱皮 渋野日向子を導く「ゴルフを理解したいという気持ち」

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 最終日(21日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6545yd(パー71)

コロナ禍に見舞われた2020-21年シーズンは渋野日向子にとっても激動の期間だった。20年の開幕が大幅にずれ込み、ランキングで出場が確実視されていた「東京五輪」は延期。12月「全米女子オープン」での優勝争いも経て、21年はスイング改造を並行して戦ってきた。

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「この1年半でゴルフの内容はガラッと変わったと思うし、気持ちの持ちようも変わった。2、3カ月のアメリカ遠征を2回もさせてもらって、自分の足りないものを見つけて、もっと変えたいと思ってスイング改造、勉強を始めた」。自分が信じた道を突き進み、10月「スタンレーレディス」で1年11カ月ぶりのタイトルをつかむと、涙があふれた。

「そこから(今季)2勝できて、と考えると、ちょっとずつは大人のゴルフができるようになってきたかなと思うけど、要所要所では悔いが残る。(スイングの)完成度、再現性と言われると、(目指すレベルの)半分以下。まだまだ伸びしろはあると思います」

海外メジャーの頂点に立ったスターの宿命とはいえ、大きな変化にはさまざまな声が飛び交う。ときには耳をふさぎたくなる情報もあったはず。道半ばであることを強調した上で紡いだ言葉に少しだけ自負がにじむ。「今までの自分の良さもあったと思うし、(逆に)今までの自分になかったものを、今の自分は持っていると思う」

“今の自分が持っているもの”を踏み込んで聞いた。「自信を持って言えるものはないんですけど、なんだろうなあ…」と謙虚に笑って続けた。「ゴルフを理解したいという気持ちですかね」。本人の言葉を借りれば「イケイケゴーゴー」という本能のままにプレーするスタイルを洗練していく過程にある。「今はバカなりに、マネジメントとかをちょっとずつ考えながらやってる感じです」。渋野らしい、あけすけな表現で現在地を示した。

今週渡米し、12月2日からアラバマ州で米女子ツアー予選会(Qシリーズ)に臨む。コロナ禍で持ち越されても、ずっと目標であり続けた勝負の2週間だ。

「(この1年半の)集大成という感覚はないですし、むしろ、そこがスタート地点だと思っている。生きている中のひとつの出来事と思ってやりたいけど、やっぱりそういう気持ちにはなれないくらいの緊張感があるんだろうなあ…」。変化を恐れず突き進んできた一年の最後に、新たな道を切り開く。(愛媛県松山市/亀山泰宏)

亀山泰宏(かめやまやすひろ) プロフィール

1987年、静岡県生まれ。スポーツ新聞社を経て2019年にGDO入社。高校時代にチームが甲子園に出場したときはメンバー外で記録員。当時、相手投手の攻略法を選手に授けたという身に覚えのないエピソードで取材を受け、記事になったことがある。

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2021年 大王製紙エリエールレディスオープン



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