9人によるプレーオフ!? 勝って手にしたものは・・・
今週開催の「富士通レディース」に先立ち、9日の火曜日に主催者選考会が行われた。出場資格のない選手たち56人が集い、上位通過者に与えられる出場枠は僅かに16人。その16人目を決める争いが、史上まれに見る大熱戦となったのだ。
全競技を終えた時点で、16位タイのイーブンパーに何と9人もの選手が名を連ねていた。残り1枠の行方は、9人によるサドンデスのプレーオフに委ねられたわけだ。その1ホール目は、1番パー5で実施。ここで鈴木舞子と塩田亜飛美の2名がバーディを奪い、早々と7人が脱落した。続く2ホール目は2番パー4で行われ、ここでもバーディを奪った鈴木が、見事に出場権を獲得したのだ。
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土壇場で出場権を手にした鈴木だったが、その勢いに乗じたのか、初日を終えて2アンダーの8位タイという好発進。「もっと伸ばせた思いも強いですが、ラッキーもありましたし、良かったと思います」と笑顔を見せた。これも先の熱戦を制したからこそだが、本人はアマチュア競技で過去2度のプレーオフを経験し、いずれも敗退。「今回も自信はなかった」と明かす。
しかし、鈴木が逆境をはね返す強さを秘めていることは、今季のプロテストを振り返ってもらった時に理解できた。7月の「ベルーナレディース」で自己最高となる8位タイに入り、最高の状態でテストに挑んだものの、最終試験で無念の敗退。通常ならば悲嘆に暮れそうなものだが、2週間後の「NEC 軽井沢72ゴルフトーナメント」への出場が決まっていたという鈴木は、「落ちたものはしょうがない。次の大会で稼ごう!」とモチベーションが下がることは無かったという。
この日の最終9番ホールは、5メートルを沈めてバーディフィニッシュ。カメラのレンズ越しに見えた大きなガッツポーズは、ゴルフに大切とされる大きな“勢い”をハッキリと感じさせた。
塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。