クラブハウス前に並ぶ、長蛇の列の正体は!?
選手が次々とホールアウトするお昼過ぎ。クラブハウス前には、長々と連なるギャラリーの列。かなり幅広な通路なのにも関わらず、次々と押し寄せる人波で歩くこともままならない。実はコレ、選手にサインをもらうためにファンが順番待ちをしているのだ。
「土地柄なのでしょうね。この大会は、サイン待ちの方の人数がすごいんですよ」と苦笑するのは、人員整理をするスタッフ。なるほど、私も人垣をかき分けていると、「サイン書いて貰ったんだけど、コレ何て読むの?」と足止めを食らうこと計3回。名前も顔も知らないが、何はともあれサインが欲しい。そんなファン魂が凝縮したような、ものすごい熱気に包まれていた。
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となれば当然、選手たちがペンを走らす時間も増えてくる。しかし、次から次へと手渡されるキャップや色紙に、ラウンド後の疲れも見せず笑顔で応対する選手たち。古閑美保(24)や北田瑠衣(25)ら人気選手たちの行列の長さは想像に易いが、今季がルーキーイヤーで、まだ知名度が低いはずの笠りつ子(19)でさえ、15分以上サインを続けていた。
「何人ぐらいに書いたか・・・なんて覚えてないですね。今大会で(通算)4試合目の参戦ですが、これだけ並んでいただいたのは初めて。すごく嬉しいです。もっとサインができるような選手になりたいですね!」と、満面の笑みで話した。
サインを求めるファン、心良くサインに応じる選手、互いに不快な思いをさせないよう配慮するスタッフ。当たり前の構図ではあるのだが、大会によっては首をひねりたくなる様な場面に遭遇することも事実。今大会では、ファンへの対応を大事にしたいという女子プロゴルフ協会の方向性が、ひときわ具現化されていたように見受けられ、清しささえ覚えた。
塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。