パッティングが面白いように決まりだし笑顔が止まらない全美貞

「カゴメ フィランソロピーLPGAプレイヤーズチャンピオンシップ」の最終日。2位に5打差の12アンダーで優勝を決めた全美貞（韓国）が最高の笑顔を見せた。その最大の理由は、8月9日に結婚する姉への祝福を優勝という形で行うことだった。

2006年から日本ツアーに出場している全だが、まだ日本語が理解できない頃、全の横には常に姉の美愛さんがいた。その姉が結婚すると「旦那様の家族になってしまうので、私の姉として試合を見てくれるのはこれが最後なので・・・」。姉の目の前で優勝を決められて最高に嬉しかったと振り返る。

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美愛さんの結婚相手は、金鐘哲という韓国ツアーのプロゴルファー。金は6年ほど前から全がスイングを見てもらっているコーチだという。金と美愛さんが出会ったのは今年の1月。全がタイでゴルフ合宿を行ったときに出会った。全には厳しいコーチだが、姉の美愛さんにとっては最良のパートナーとなったようだ。その金は今年、日本の男子ツアーのクオリファイを受けることになっている。

晴れてツアーメンバーになれば「姉夫婦と共に日本で生活することができる」と全は嬉しそうに話すが、新婚の2人と3人で一緒に住むのか尋ねると「2人は嫌がるかもしれないですけど、私は一緒にいたいです（笑）」とこれまた屈託のない笑顔で答える。まだ、日本にきて3年目の全だが、日本語は急速に上達し、ほとんどの会話を日本語で行うことができている。それでも大好きなお姉さんと離れて暮らすのは辛いようだ。

この日のラウンドでも多くのファンからの声援が励みになったという全は、日本が大好きだと話す。日本語の勉強は、語学学校に通っているが、シーズン中はなかなか通えない。しかし、頼りにしていた姉とは、頻繁には会えなくなるので、もっと日本語がうまくならなければと話す。日を追って優勝スピーチでの日本語もうまくなっていく全が、次なるツアー10勝目を果たすときは、さらに流暢な日本語で語ってくれることだろう。（編集部：本橋英治）