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片岡大育は苦渋の判断 悩ましきグローバル時代の進路選択

2017/09/26 19:38


目の前に“アジアンドリーム”が広がっていた。先週、日本とアジアンツアーの共同主管試合「アジアパシフィック選手権ダイヤモンドカップ」を制した片岡大育は、2017-18年シーズンの米国男子ツアー「CIMBクラシック」(10月12日~)へのアジアンツアー枠での出場権獲得が濃厚となった。だが、すでに同週開催の「日本オープン」へのエントリーを済ませていた。罰則を受けて「CIMB-」を目指すか、当初の予定通り日本のナショナルオープンに出場するか――。迷った末に、片岡は後者の道を選択した。

「ダイヤモンドカップ-」を制して優勝賞金3000万円を加算した片岡は、アジアンツアーで賞金ランキング5位に浮上した。2週間後にマレーシアで開催される賞金総額700万ドル(約7.8億円)の「CIMB-」は、10月9日時点のアジアンツアー賞金ランク上位10人が出場できる。また、その2週間後に行われる賞金総額950万ドル(約10.6億円)の「WGC HSBCチャンピオンズ」は、10月16日時点の同ランク上位4人に、共催するアジアンツアー枠として出場権が割り当てられている。

この資格を行使するために、片岡は「CIMB-」までにもう1試合、アジアンツアーのフルフィールドイベントに出場する必要があるが、これをクリアした上で「CIMB-」で賞金を上積みできれば、一気にWGC出場の可能性まで望めた1勝だったというわけだ。

この事実を知った片岡は優勝直後にすぐ、「日本オープン」を主催する日本ゴルフ協会(JGA)の関係者にエントリー取り消しの相談を持ちかけたが、翌月曜日に「やはり(エントリーの)キャンセルは認められない」という連絡を受けたという。「日本オープン」のエントリー締め切りは大会3週間前の金曜日。今年は「ダイヤモンドカップ-」の週末、9月22日の17時までだった。

記憶に新しいのは、2015年の「日本オープン」エントリー後に、米国下部のウェブドットコムのファイナルシリーズを経由して米ツアー出場権を獲得した岩田寛の例だ。「日本オープン」のエントリーをキャンセルして、同週開催の米ツアーに出た岩田に、JGAは主催競技への2年間の出場停止という厳しい処分を課している。

今年8月末には、「CIMB-」へ出場できる可能性もあったジュビック・パグンサン(フィリピン)が、JGAに対して「日本オープン」に条件付きエントリーができるか?と問い合わせたが、却下されている。

これらの対応について、JGAオープン事業推進本部の副本部長である戸張捷氏は、「(条件付きエントリーのような)そういうエントリーの手続きはない。エントリーは出たいからするもので、その後に状況が変わったから取り消して同週の他の試合に出るというのは、簡単に言うとルール違反」と、JGAの立場を説明する。「エントリーをしたら、そこで契約が成立する。エントリーとはそういうもの。ゴルフはルールで成立するスポーツだし、それを自分に都合の良いように解釈しちゃだめ」と、大会主催者として厳格な姿勢を示した。

可能な限り最大限の選択肢を残しておきたい選手サイドと、簡単に出場を取り消されてはたまらない主催者サイドの意向は、永遠の平行線だ。それでも、戸張氏は「個人的なことをいえば、海外で活躍する夢を追いかけたいという気持ちは分かる。罰則のあり方などは、再考の余地がある」と規定変更の可能性も示唆した。

「すでに日本のトップは世界とつながっている時代。ある種のペナルティはないとダメだけど、(出場停止などではなく)ジュニアを教えるとか、ゴルフ界に恩返しをしながら良い方向に持っていくようなことは考えたい。なにか用意しますよ」と、大会の権威を守りながら、選手たちの海外進出も支援していくことを約束した。(千葉県我孫子市/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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