「僕の妄想は一流」平本穏、無名の28歳が描く“暴走”しない初優勝
2014年 カシオワールドオープンゴルフトーナメント
期間:11/27〜11/30 場所:Kochi黒潮カントリークラブ(高知)
妄想は卒業!未勝利の平本穏 “しわい”戦いと向き合う
賞金ランキング100位からの逆襲。サードQT突破に失敗し、現時点で来季のツアー出場資格を持たない平本穏(ひらもと・やすき)が「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」の最終日を通算11アンダーの首位タイで迎えることになった。
4番、5番でバーディを奪うと、後半に入っても2つのバーディを奪って迎えた14番。グリーン奥カラーからの3打目は「ダボにしたくないという気持ちが強くてショートしてしまいました」と2mを残し、パーパットを外して今大会初のボギーをたたいた。それでも16番で再びバーディを奪い、首位タイに浮上。「この3日間でボギー1つというのが自分でも驚きです。“しわい”(広島弁でくたびれる、骨が折れる)パーパットを8回ぐらい入れています」
<< 下に続く >>
10月の「ブリヂストンオープン」では3日目を3位タイで終えた後、優勝シーンを“妄想”する癖があることを明かしていたツアー未勝利の平本。しかし、この日は「妄想は卒業します。人間、欲をかいたらいいことがないんですね(笑)」と言った。同大会では結局、最終日に崩れて35位に失速。所属契約を結ぶアイディオーの井戸道彦社長からは「カッコよさを求めるな」と諭された。「あと、社長の座右の銘で『人事を尽くして天命を待つ』という言葉を聞かされて…まさに今の自分のことだなと思いました」。失敗を肝に銘じている。
最終日は同じく首位タイの小平智、今平周吾と最終組でラウンドすることになった。「自分が一番年上ですけど、成績は彼らのほうが上ですから」と、同伴競技者は意識せずに謙虚にプレーする構え。
ラウンド初日には過去の失敗を振り返る中で「周りの選手と比較する悪いクセもあるんですよ。『なんであいつが勝てて自分が勝てない』とか。『自分は自分だ、他人は関係ない』と肝に銘じて自分を変えます」と話してくれていた。年下の選手のラウンドを見て悪いクセが出ずに、この3日間のようなゴルフが出来れば、最高の結果がついてくるはずだ。(高知県芸西村/本橋英治)