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復活なるか 田中秀道が5位浮上

2011年の国内男子ツアーも残り2戦。しかし次週の最終戦「日本シリーズJTカップ」は、今季のツアー優勝者および国内賞金ランク25位以内の選手だけが出場権を得るため、そのほかの選手にとってはKochi黒潮カントリークラブで開催中の「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」がシーズン最後の戦いの場となる。

この試合に推薦出場している田中秀道は、米ツアーに参戦した2002年シーズン末に日本ツアーのシード権を喪失。今季の出場は6試合にとどまり、積み重ねた賞金額は65万円足らず。しかしこの2日目、7バーディ、1ボギーでベストスコアとなる「66」をマーク。44位タイから一気に通算4アンダーの5位タイへと順位を上げ、シード選手復帰となる逆転優勝の可能性を秘めた位置まで浮上してきた。

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ここ数年は腰痛に苦しみ、思うようにプレーができない年月が続いている。カートに乗って移動しなければ、練習ラウンドがままならない時もある。先週には来季の出場権をかけたサードQTを通過できなかった。

だが、ツアー通算10勝の名手は、“屈辱”を味わったことで「逆にすっきりしている。アメリカに行く前の時のような気持ち」と言う。「ずっとギリギリの状態で3、4年やっていて、試合に出られるから出る、というある意味甘えて試合に出ていた。それが一番いけなかった」と我に返る思いがした。

10月の「マイナビABCチャンピオンシップ」では、初めてテレビ解説者を務めた。緊張の連続だったが「“あちら側”を選手全員が経験したほうがいい」と言うのが感想だ。「ものすごい数の人が、良いものを作ろうと努力してやっていた。今まで(プレー中に)『カメラ、邪魔』とか言っていたのにね」。長きにわたって身を投じてきたプロツアーの世界。「みんなで、その“裏側”を見せてもらったほうがいい。意識が変わる人もいるかもしれない」と視野が拡がったことで、自分を見つめなおすことにも繋がった。

今季は開幕直後の5月「日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯」で、長年、目をかけてきた河井博大が涙のツアー初優勝を飾った。「河井や富田(雅哉)が活躍して『師匠は?』と言われ続けて、いやな思いもした」と苦笑いを浮かべ「同じレベルに僕が上がれるようにしたい」と謙虚に現実を受け止めている。

数年前、なかなか日の目を見なかった河井に対し田中は「ゴルフをやめるな」と声をかけ続けた。そしていま思う。「今は僕がそういう状態。あいつに言った言葉を自分に返していきたい」。復活の時が訪れると信じて歩んでいく。(高知県芸西村/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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2011年 カシオワールドオープンゴルフトーナメント



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