ブランクを力に変えたドンファンが復帰後初勝利
2011年 ダンロップフェニックストーナメント
期間:11/17〜11/20 場所:フェニックスカントリークラブ(宮崎)
ドンファン、お話好きが招いた失格!
「ダンロップフェニックストーナメント」の初日、2オーバーでホールアウトしたドンファンがスコアカード提出場(アテスト場)から、なかなか出てこなかった。どうやら競技委員から事情聴取を受けているらしい。しばらくして、出てきたドンファンは俯きながら「やっちゃった」と軽く反省の表情を浮かべた。
7番パー5で2打目を打ったドンファンは、同組の選手が打つのを待つ間、斜め前方にいたカメラマンに歩み寄った。そして、自らも一眼レフカメラの購入を検討するカメラ好きのドンファンは、そこにいたカメラマンに声をかけた。「ちょっと見せてください」と。
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カメラマンは、選手に頼まれたことなので、そのままカメラの背面をドンファンに向けた。そして、撮影したばかりの自分の写真や、他のプレーヤーの写真をモニター上で確認していた。同伴競技者が2打目を打ち、それぞれがグリーン方向に向かいプレーが続いたが、ホールアウトのアテスト場で、7番での行為はなんだったのかとマーカーから指摘が入った。
そのことを競技委員が確認したが、その場では見ただけということで仮の裁定としてドンファンに2打罰が科せられた。しかしもう少し(裁定に)時間が必要なので、いつでも戻ってこられるようにとドンファンには指示が出された。
そして競技委員長を含め数人でこの件を協議した結果、ドンファンのとった行動はゴルフ規則14-3(人口の機械、異常な用具と、用具の異常な使用)に該当するとして失格という裁定が下された。ドンファンが「見せてください」と言ったことが、自らアドバイスを求める行為と判断が下されたのだ。
アテスト場を出たドンファンは、先ほどよりも悲痛な面持ちで、「自分ゴルフやる資格ないです。もういやだ・・・」と目を細めてクラブハウスへ足早に戻った。
カメラマンや我々記者とも普段から会話をしながらラウンドする選手は多い。特に練習ラウンド中にスイングの連続写真を撮影したときなどは「見せてください」と、選手も自身のスイングを確認することは多々ある。そのノリでカメラを覗いてしまったドンファンは、失格という最悪の裁定で、他の選手に対して悪い見本を見せてくれた。(宮崎県宮崎市/本橋英治)