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網膜剥離にも負けん “苦労人”西岡宏晃「邪魔だけはせんように」

◇国内男子◇ファイナルQT 最終日(9日)◇トム・ワトソンGC(宮崎)◇6984yd(パー72)

「何が良かったのか分からん。ガツガツせず、大体でいいってのが、うまいこといったのか。ちょっとでも恩返しできたんじゃないかな」

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43歳の西岡宏晃にとって5年ぶりの予選会は通算5アンダー21位。この日は「74」と今週初めてのオーバーパーだったが、「1ピンのパーパットが全部入った。ハハハ」と豪快に笑った。

香川県出身で父親の影響でゴルフを始めた。地元の中学を卒業後、「悪かったんで」と高校には進学しなかった。しかし、21歳で研修生となり、28歳でプロに転向。ただ、レギュラーツアーの戦績は予選落ちした2009年「日本オープン」と19年「関西オープン」のみ。下部ABEMAツアーも数えるほどだ。

経済的な理由に加えて、持病の影響も大きかった。19歳で右目の網膜剥離を発症し、39歳で左目も発症した。コンタクトレンズで視力は確保できているが、競技どころではなかった。

「ピントが合ってなくて、全部が波打っているように見える。とてもじゃないが、ツアーは無理だった。そんなんでグリーンのラインを見てもしょうがない。でも、最近は落ち着いてきて、ちょっとは見えるようになった。迷惑かけんようになった」

QTトップ通過の篠優希は西岡と初日、2日目と同組でプレーして「ずっとすごい謙虚。超人格者」と西岡の人柄に感銘を受けた一人だ。

西岡は「目を悪くしてから、ゴルフができているだけでいいんです。邪魔だけはせんように」。最終日のティオフ前、年齢が半分ほどの同組選手に自ら名乗り、ナイスプレーには積極的に声をかけて組を盛り上げた。

現在は所属先でもある志度CC(香川県)のレッスンプロとして生計を立てる。「元気にゴルフができればそれでいい。欲出したら、すぐに『90』打つんやから」。周囲の支えもあってたどり着いた予選会だった。

来季は下部に加えて、レギュラーツアー前半戦の一部に出場できる見込み。「応援してくれる人がいるんで」。恩返しの2023年に向けて静かに準備を重ねる。(宮崎市/玉木充)

玉木充(たまきみつる) プロフィール

1980年大阪生まれ。スポーツ紙で野球、サッカー、大相撲、ボクシングなどを取材し、2017年GDO入社。主に国内女子ツアーを担当。得意クラブはパター。コースで動物を見つけるのが楽しみ。

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