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アジア各国での苦労も笑いに 関藤直熙は “不自由を愛せる男”

◇国内男子◇ゴルフパートナーエキシビショントーナメント 最終日(10日)◇取手国際GC(茨城県)◇6766yd(パー70)

「日本食が恋しいと思ったことはありますけど、『あそこに戻りたくない』と思ったことはないんです」

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賞金ランキング加算対象外の非公式大会で国内初優勝を飾った22歳の関藤直熙はどこか愛おしいような口ぶりで言った。昨季日本人初のアジア下部ツアー(ADT)賞金王。新型コロナウイルス感染拡大で試合が次々となくなり、日本とアジア、2つのレギュラーツアーで活躍する青写真のような2020年とはいかないが、着実に力をつけていることは実感できた。

その礎となったADT。昨年は必死だった。広島国際学院高卒業後にオーストラリアに留学し、日常会話程度の英語を使いこなすといっても、語学力だけではどうにもならない想定外のトラブルはざらにある。

「Uber」で頼んだはずのタクシーが一向に現れず、移動手段を求めて何時間もさまよったことも。コースに駆け込んだのは10分前。運の悪いことに順延翌日のラウンドで最も遠いホールからのプレー再開だった。ドタバタの余波でいきなりダブルボギーをたたいたものの、「そこから巻き返して2位タイに入りました」。日本では考えられない苦労を“鉄板ネタ”として笑顔で披露する。

アジア各国を巡るADTは過酷だ。到着当日の空港で北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄で、故金正日総書記の長男・金正男氏が「暗殺」されたマレーシア、ホテルの警備員がライフル銃を携えていたバングラディシュ、宿泊先が1週間後には銃乱射事件の現場となったフィリピン…。かつて話を聞いたことがある若手選手たちも、身の危険を感じる国もある中で覚悟を決め、試合を求めて海を渡っていた。

キャディなしのセルフプレーで行われた今大会。普段と勝手の違うスタイルに戸惑いはゼロではなかったと思うが、ツアープロたちはその技術で白熱のバーディ合戦を演じてくれた。そんな中で関藤が一歩抜け出すことができたのは、人一倍「不自由を愛せる男」だったこともあったかもしれない。

「日本とアジア、両方のツアーで優勝したい。将来的に海外でプレーしたい気持ちがあるし、憧れの舞台であるマスターズに少しでも近づけるように頑張っていきたい」。今は物理的に閉ざされてしまっている世界への扉が再び開く日を信じ、腕を磨いていく。(茨城県つくばみらい市/亀山泰宏)

亀山泰宏(かめやまやすひろ) プロフィール

1987年、静岡県生まれ。スポーツ新聞社を経て2019年にGDO入社。高校時代にチームが甲子園に出場したときはメンバー外で記録員。当時、相手投手の攻略法を選手に授けたという身に覚えのないエピソードで取材を受け、記事になったことがある。

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