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人口過密都市・香港発 バーチャルゴルフが秘める未来

2017/11/26 08:34

◇欧州男子◇UBS香港オープン 3日目(25日)◇香港GC(香港)◇6703yd(パー70)

香港島のフェリー桟橋に立ってビクトリア湾を望めば、穏やかな海面にフェリーや観光船が行き交っている。対岸は九龍半島のきらびやかな夜景。振り向いて島側を眺めれば、そこにもまた、国際金融センターの圧倒的な摩天楼が迫っている。

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金曜18時。この絶好のロケーションにあるフェリー桟橋屋上で「アーバンゴルフチャレンジ」と銘打ったイベントが開催された。今年のマスターズ覇者であるセルヒオ・ガルシア(スペイン)や、レース・トゥ・ドバイを制したばかりのトミー・フリートウッド(イングランド)、中国期待の若手・李昊桐ら6人のプロゴルファーが顔を揃え、2チームに分かれてタクシーのトランクや八百屋のかご、特設された巨大カップに向けてアプローチし、ボールを入れる時間を競う。それが終わると、6人によるトークショーが20時頃まで続けられた。

これは、香港政府観光局も支援している大会PRの一貫だ。「香港オープン」の観戦は木・金が無料で、20歳以下なら4日間いつでも無料。政府、スポンサー、ゴルフ場が一丸となって、大会、そしてゴルフの認知向上に取り組んでいる。

「社会に認められないと生き残れない。彼らは存在を懸けてやっています」と言うのは、(筆者の知る限り)日本人として初めて海外ゴルフ協会の会長職に就任した香港ゴルフ協会の西剛弘(にし・よしひろ)会長だ。

人口約735万人で1平方キロ当たり6780人(香港政府発表。日本は335人)が住む過密都市・香港にゴルフ場は5つしかない。そのうち、パブリックコースは1つだけ(カウサイチャウGC)。1889年にクラブが設立され、1911年に現在の地にオールドコースを造った香港GCに対しても、その土地を国に返却して宅地にすべきという圧力が毎年のように掛けられている。同クラブはゲストへの開放を推し進めて、理解を得ようと懸命だ。

西会長率いる香港ゴルフ協会も、未来を切り拓く新たな施策に挑んでいる。それは、インドア(シミュレーション)ゴルファーの取り込みだ。現在、香港ゴルフ協会のハンディキャップを取得しているメンバーは約1.5万人。それ以外に約1万人の(実際にゴルフ場でプレーする)ゴルファーがいるという。その一方で、GOLFZONなどのインドア施設を利用する潜在ゴルファーも約1万人。

「まずは、協会としてシミュレーションゴルフに公式ハンディキャップを発行したい。それから、香港アマチュア選手権のインドア版を開催したい。それが、私の2年の任期内での目標です」と西会長。協会として、シミュレーションゴルフにもお墨付きを与えていく意向だ。

土地がなくても、シミュレーターならどこでもゴルフを楽しめる。仮想現実(バーチャルリアリティ)の技術が進歩すれば、その体験はよりリアルへと近付いていく。もし世界選手権が開催されたら、大いに盛り上がることだろう。いまはまだ革命前夜。「香港のように小さな協会だからできることです」という西会長の任期は、2019年9月までだ。(中国・香港/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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2017年 UBS香港オープン



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