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サッカー元日本代表も参戦中!「フットゴルフ」ジャパンツアーの楽しみ方

サッカーとゴルフが融合した「フットゴルフ」という競技をご存知だろうか? 2009年にオランダで誕生した新スポーツだが、すでに国際フットゴルフ連盟(FIFG)には33カ国が加盟(2021年現在)しており、これまで3度のワールドカップも開催されてきた。第4回大会は2021年に日本で初開催される予定だったものの、新型コロナウイルスの感染拡大により、残念ながら中止となってしまった。

9月25日(土)、26日(日)の2日間、“幻の”ワールドカップ開催予定地だったセブンハンドレッドクラブ(栃木県さくら市)で、フットゴルフ・ジャパンツアー「さくらチャンピオンシップ」が開催された。ジャパンツアーはその名の通り、日本フットゴルフ協会が主催する日本最高峰の戦いだが、いまはまだ先着順で誰でも出場することができる。全67人の出場選手の中には、前田治(横浜フリューゲルス)や礒貝洋光(ガンバ大阪)、阿部敏之(鹿島アントラーズ)、加藤順大(浦和レッズ)といったサッカー元日本代表や、元Jリーガーの名前もあった。

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「フットゴルフ」はゴルフ場に直径約52センチの専用カップを埋めて、ゴルフボールとクラブの代わりに、サッカーボールと足を使って18ホールをプレーする。各ホールの距離は、パー3が80~160yd、パー4が150~200yd、パー5が200~270ydほど。参考までにサッカーのゴールラインからハーフラインまでの標準的な距離は52.5m(57.4yd)。ゴルフ場には傾斜があってサッカーボールはその影響をもろに受けるが、バーディを獲るには、ある程度の脚力が必要になることは容易に想像できるだろう。

この試合が大会初出場(というより、フットゴルフが4回目!)という前田さんは、日本代表として6得点を挙げた往年の名ストライカー。その一方で、横浜フリューゲルスの前身・全日空クラブへの入団が決まると、「契約金が入るから」とすぐにゴルフクラブを買いに走ったほどのゴルフ好きでもある。昔からゴルフをしていて、うまくバンカーから出せないと、「キックで出せたら簡単なのになぁ…」という発想はあったという。「だから、フットゴルフというスポーツがあると聞いて『やってみたい』と思ったんです!」

キックに関しては言うまでもないが、ゴルフもベストスコア「70」という腕前。そのポテンシャルの高さは相当だが、前田さんは「サッカーのフォワードやミッドフィルダーは、試合でフルパワーのキックはほとんどしない。シュートも“運ぶ”感じなので、あんなに振りかぶって思い切り蹴ることはないです」と、フットゴルフのトップ選手たちが蹴るキックの飛距離に驚いたという。「それに、止まってインサイドで蹴ることもない」と、インサイドキックで狙うアプローチやパッティングも、サッカーにはない動きで戸惑ったという。

それでも、前田さんは「74」、「78」の通算8オーバー38位(シニアの部7位)で初出場の大会を終えた。優勝した小林隼人さんとは17打差だったが、「走らなくていいし、サッカーボールで楽しく遊べる。またやりますよ!」と56歳はどん欲だった。

余談だが、前田さんは尾崎将司が通算26アンダーで優勝した1996年の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」では東京よみうりCCに通い詰め、練習場の最前列で尾崎の打つ球を熱心に見ていたという。「ゴルフの話は止まらないんです」と、その後も延々とゴルフ談義が続いていった…。

じつは、かくいう筆者も今大会に参戦してみた。小・中学校はサッカー部だったとはいえ、ブランクは30年以上。昨年からたまにボールを蹴るようになったものの、SNSでつながったフットゴルファーたちが日々真剣にトレーニングや練習をしていることも知っていたし、元プロサッカー選手が出ると聞いて躊躇(ちゅうちょ)する気持ちもあった。試合前は逃げ出したい衝動にも駆られたが…「これは仕事なのだ」という半分言い訳のような理由を用意してトライした。

結果は初日「89」、2日目「79」の通算24オーバー56位(シニアの部14位)。両脚は疲れでガクガクになったけど、フットゴルフはゴルフに比べれば、まだ“なんとかなる”という印象だった。トップ選手との歴然とした差はあっても、競技を楽しむための敷居は低い。ボールをなくすようなトラブルはほとんどないし、初心者でも結構パーが獲れたりする。それに、ゴルフ場という広大な空間で思い切り身体を動かすだけでも爽快だ。

付け加えれば、現時点では「誰でも出場可能」なジャパンツアーでは、組み合わせ次第でフットゴルフ日本代表選手や憧れのサッカー選手たちと一緒にプレーできるチャンスもある。個人的には、こんな機会はそうそうないとても貴重なものだと思う。興味のある方は、日本フットゴルフ協会(https://www.jfga.jp/)まで!(栃木県さくら市/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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