ニュース

国内、アメリカ、ヨーロッパの最新ゴルフニュースが満載!

「のじぎくオープン」で感じたアンダーハンディ競技の魅力

2020/12/16 15:16

今年で14回目を迎えた兵庫県ゴルフ連盟主催の「のじぎくオープン」は、プロとアマ、男子と女子が、アンダーハンディで競うオープン競技だ。アンダーハンディとは、出場するアマチュア選手がそれぞれハンディを持ち、実際のストローク数からハンディを引いた数(ネットスコア)で総合順位を競うもの。ティは男子6594yd、女子5504ydに設定され、プロとアマが同じティからプレーする。

大会を制した寺西明は「自分で言うのはおかしいけど、アマチュアがシニアの賞金王と一緒に回れるのは貴重な機会だと思う。プロはプロで勝負があるから真剣だけど、近くで見たいというアマチュアの気持ちも分かるから、そういうときは見せてあげるようにしている」と、プレー中でもサービス精神は忘れない。「でもね、最終組で一緒に回ったアマチュアの緊張が伝わってきて、こっちもあれ?ってなっちゃうことがあるけどね。こちらも良い勉強になりますよ」。

<< 下に続く >>

同じくシニアプロの塚田好宣も「そんなところから、そんなクラブで寄せるの?っていうアプローチが見られたりして面白かった。こういう競技はどんどんやったらいいと思う」と好意的だ。塚田が最終日に一緒に回ったアマチュアのハンディは「20」と「0」。技量の差が大きくても、ハンディがあればネットスコアで勝負になるから面白い。

初出場した第5回大会(2011年)にベストアマを獲得した上村佳秀さん(当時のハンディは8)は「興奮しました」と、すぐその魅力にハマった。「最終ホールで水巻(善典)プロがエッジ、私はグリーンに載ったんです。そうしたら、テレビ解説の高橋(勝成)さんが『この局面は上村さんが有利』ってね。これ気持ちいいでしょ。こんな解説ないもんね(笑)」

大会はテレビ中継される上に、ハンディ戦とはいえプロと勝負できる楽しみがある。「トップアマが出るやつ(競技)はダメ。それに行きだしたら(ゴルフばかりで)仕事ができなくなる」と上村さん。技量に応じたハンディをもらうことで、どんなレベルの人が集まっても一緒に競えるのが、アンダーハンディ競技の最大の特長だ。大会のエントリーシステムを完全WEB化したこともあり、今年の予選大会参加者はコロナ禍にも関わらず過去最多の2994人を記録した。

そんなアンダーハンディ競技で肝心なのは、適正なハンディキャップの設定だ。ラウンドを控えめにして、熱心に練習をしていたら、ハンディ以上の実力がついても不思議ではない。大会は過去に3年連続でハイハンディ(18以上)のアマチュアが総合優勝をしてプロたちから不満が漏れた。それを受けて、2018年からは参加選手が提出するJGA/USGAハンディキャップインデックスをもとに、予選大会や過去のスコアを確認しながら、大会独自のハンディキャップを決めるようになったという。

日本ゴルフ協会(JGA)のホームページには、次のような記述がある。

「ゴルフの精神」の視点からハンディキャップ規定を見ると次のようになると思います。“ゴルファーは自分の現在のゴルフ技量を公式な標準規定に基づくハンディキャップで示す責任がある”ということになります。したがって意図的に実力より多い、あるいは少ないハンディキャップや、または正確な自分のハンディキャップを示す努力を怠っているプレーヤーは、すべて他のプレーヤーに迷惑をかけ、競技意欲を喪失させてしまい、ゴルフの精神でいう誠実さに欠けていると言わざるを得ません。

ハンディをもらい過ぎるのはフェアではないし、逆に少な過ぎるのもせっかくのハンディキャップの醍醐味がなくなってしまう。ハンディ込みのネットスコアで69~79ストロークに収まるのが、適正値といえるだろう。

さて、自分のハンディキャップはいくつなのか?現在では、JGAやJGAに加盟するゴルフ場、各地区や都道府県のゴルフ連盟のほか、GDOや楽天GORAを経由してJGA/USGAハンディキャップインデックスを取得することができる。たとえばGDOの場合、年会費2640円が掛かるものの、新規登録/更新の際に4000円分のゴルフ場予約クーポンがもらえるので登録しない手はないだろう。

プロもアマも、レベルが違う人たちも対等に楽しめるのがゴルフの奥深さ。2006年にゴルフ伝承の地・兵庫県で日本初のアンダーハンディオープン競技として産声を上げた「のじぎくオープン」に、その精神は宿っている。(編集部・今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

関連リンク



あなたにおすすめ



ブラインドホールで、まさかの打ち込み・打ち込まれ!!ゴルファー保険でいつのプレーも安心補償!