あの空気感をもう一度、味わうために/フットゴルフな人々 vol.2 阿部敏之
ワールドカップ日本人最高位 “オリジナル6”が次世代へ示す姿/フットゴルフな人々 vol.3 鈴木秀成
-現在、選手としてプレーしながら、ジュニアイベントを開催するなど育成にも熱心ですが、それはどんな思いからですか?
まず届けたいのは、夢の捉え方はいろいろあるよっていう信念です。プロサッカー選手になりたい、プロゴルファーになりたいと言ってなれる人はひと握りで、その他大勢の方が多い。将来、僕と同じような経験をする人は必ずいると思うんです。そういう人たちの中に、この競技と出会えて良かったと思ってくれる人が1人でもいたら、とてもうれしいことなんです。
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もう1つは、うちの息子は今サッカーをやっていて「サッカー選手になりたい」って言っているんですが、ある時「サッカーのコーチになりたい」って言ったんです。「なんで?」って聞いたら「コーチはサッカーが上手いから」って。そこで教えてもらったのは、子供にとって身近な大人の存在が、“こうなりたい”につながるんだということです。
僕の半径5m以内の子供たちに、僕の姿勢が伝わるなら、もしかしたらフットゴルフの第一線でやっている選手が子供たちに見せる姿勢が、「ああいう選手になりたい」という憧れにつながるかもしれない。だから、今と未来をつなぐ活動ってめちゃくちゃ重要だなと思って「ネクジェネ(※)」を立ち上げたんです。
※フットゴルフ ネクストジェネレーションプロジェクト
「Next Generation CUP」 2022年4月2日(土) 静岡カントリー浜岡コース&ホテル
-日本フットゴルフ協会の強化部長でもありますが、そういう活動に向けるエネルギーは、最終的には競技者としての自分にもプラスになっていると思いますか?
一緒にプレーしたり、教えてもらったりした選手が、ワールドカップで活躍したら、子供たちにとっても鼻が高い話になると思うんです。それは、自分自身の責任にもなるし、エネルギーにもなる。自分の成績を追い求めることにもつながっています。
もう手の届かないメッシやネイマールのようなプロサッカー選手に憧れるのも1つだけど、いまならフットゴルフのトップ選手と交流できる。環境を逆手に取るじゃないですけど、そういう子が数十年後にトッププレーヤーになったとき、自分も同じことをしようと思う子が出てくるかもしれないし、「自分は鈴木さんに教えてもらってここにいるんです」みたいなことがあったら、うれしいですね。
-次のワールドカップは2023年です。ワールドカップで良い成績を収めることは、そんな活動を一気に押し上げてくれますね。
おっしゃるとおりで、それは最高の産物です。まず、今年5月に日米対抗戦のパシフィックトロフィーがあります。ワールドカップ会場となるコース(米国フロリダ州)で、1年前に戦えるのは大きいので、そこで、いろんなギャップを確認して、残り1年でその埋め合わせをするような過ごし方になるんじゃないかなと思います。
―ワールドカップで日本人選手が優勝したら、どんな未来が待っているでしょう?
一つのスポーツを文化にしていくのって簡単なことじゃないと思うんです。協会も50年、100年の目線で見ていて、そこは僕も同意なんです。サッカーが日本に根付くのにも100年掛かっているし、自分の成績によって、そんな未来が1年でも2年でも早くなるなら、それは大きな貢献だと思っています。そういう積み重ねが、日本にフットゴルフが根付く材料になっていくし、次の世代にバトンを渡すときに、どれだけ早く、この競技を本当に価値あるものとしてプレーする環境が整っているかが大事かなって思っています。
(取材・構成/今岡涼太)
◆選手プロフィール
鈴木秀成(すずき・ひでなり)
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◆フットゴルフナビ(日本フットゴルフ協会監修)
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