フィル・ミケルソン、生涯グランドスラムへ 2年ぶりの挑戦
ミケルソンがトーマスを退け復活勝利
ジャスティン・トーマスから魔法の瞬間を奪い取ったフィル・ミケルソンが、プレーオフでトーマスを退け、2013年の「全英オープン」以来となる優勝を飾った。
チャプルテペクGCでの手に汗握る最終日を終え、この米国人コンビは通算16アンダーで並んだ。
プレーオフ1ホール目の17番(パー3)では、ミケルソンのバーディパットがカップの縁に嫌われたが、トーマスがグリーン奥からのパーセーブに失敗したため、47歳のレフティが約5年振りの勝利を手にした。
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「この勝利がどれだけ大きな意味を持っているのか、言葉で表すことはできない。ご存知のように長いことかかったから」と、直近の3大会で5位、2位、そして6位に入っていたミケルソン。
「メキシコシティへ来て、多くのファンに後押しされ、世界最高の選手たちを相手に戦い、遂に勝つことができた。もうじき勝てるのは分かっていた。勝てなければおかしくらい、良いプレーができていた。でも、実際に勝つまではどうなるか分からないから」
「自分のゲームは、僕の最高のゴルフのレベルに近づいてきているし、タイミングがちょうど良かったみたいだね。あの少しの人間しか入ることのできない勝者の輪に入れて良かった。ずいぶん長いこと、勝者の輪には入っていなかったからね」
通算15アンダーの3位タイには、最終ホールで痛恨のボギーをたたいてプレーオフへ進めなかったイングランドのティレル・ハットンとスペインのラファ・カブレラベローが入った。
この日、最初に動きを見せたのはカブレラベローで、1番でバンカーからのチップインイーグルを奪ってまだティアオフ前だった首位のシュバンカー・シャルマに並んだ。
カブレラベロー、ハットン、そしてミケルソンはいずれもフロントナインでスコアを伸ばした。2日目を終えた時点では首位のシャルマに11ストローク離されながらも、土曜にコースレコードの「62」をたたき出したトーマスは、15ホールで6バーディを奪って単独首位に抜け出した。
17番でボギーをたたいたことで、トーマスは一歩後退したかに見えたが、パー4の18番では残り120ヤードの2打目がスピンバックでホールインし、この日のラウンドを「64」として見事なクラブハウスリーダーになった。
14番でバーディを奪ったハットンは、15番で3.3メートルのイーグルパットをねじ込んで首位に並んだ。一方、ミケルソンは15番と16番の連続バーディで首位に並ぶと、17番では7.5メートルのバーディパットがカップの縁をかすめた。
抜け出すには最終ホールでバーディが必要な状況の中、ハットンとミケルソンはともに2打目をピンにからめることができず、ハットンは寄せワンに失敗したが、メジャー5勝のミケルソンは1.5メートルのしびれるパーパットを沈めて「66」をマーク。プレーオフ1ホール目をパーとし、世界ゴルフ選手権の最年長優勝記録を更新した。
最終日を首位で出たシャルマは「74」と崩れたが、「レース・トゥ・ドバイ」のリーダーはWGCデビュー戦で9位タイに入る健闘を見せた。