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2016年 全英オープン
期間:07/14〜07/17 場所:ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)

全英直前にリンクスをプレーすると優勝の可能性は高まるのか?

2016/07/22 08:05

日曜のロイヤルトゥルーンでの、ヘンリック・ステンソンによる「全英オープン」の勝利には、幾つもの重要なポイントがあった。

通算20アンダーはメジャーにおける史上最高のパフォーマンスであり、フィル・ミケルソンとの週末の激闘は、1977年に近隣のターンベリーでトム・ワトソンジャック・ニクラスが繰り広げた死闘と共に、後世に語り継がれるゴルフ史の1ページとなった。

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別格のプレーをしたこの2人に関しては、前週の「アバディーンアセットマネジメントスコットランドオープン」にて、リンクス特有の天候のもと、リンクスコースでプレーすることにより、「全英オープン」へ向けての準備段階で大きなアドバンテージを握ることができたのが大きなポイントになったと言える。実際、2人とも、その点については意識していたようだ。

ステンソンは、「『全英オープン』へ向け、しっかりとした準備をする必要があるのだけど、ここ2年は、少し早めにきて練習を積むだけでは足りなくなっていた。だから、今年は2013年のやり方に戻したんだ(ステンソンは前回『全英オープン』の前週に『スコットランドオープン』でプレーした2013年のミュアフィールドでの『全英オープン』でフィル・ミケルソンに次ぐ2位に入っている)。今後、このやり方を継続しないのは愚かだと言えるね」と述べた。

それにはミケルソンも同意した。「(『全英オープン』の前に『スコットランドオープン』でプレーするのが)大好きなんだ」とミケルソン。「だから、先週はキャッスルスチュワートでプレーしたんだよ。すばらしかったね。(リンクス特有の天候やコンディションで)どのようにプレーすべきか、長い時間をかけて学ぶことができた。実のところ、とてもプレーをエンジョイできたよ」。

今回の「全英オープン」でトップ4に入った選手(ステンソン、ミケルソン、JBホームズ、そしてスティーブ・ストリッカー)は全員、キャッスルスチュワートで開催された前週の「アバディーンアセットマネジメントスコットランドオープン」に出場している。

特筆すべきは、この4人中3人はほぼ通年、米PGAツアーでのみプレーしている選手であり、ホームズとストリッカーは公式世界ゴルフランキングがそれぞれ24位と167位と、世界のトップ20に入っていない選手であることだ。しかし、彼らのゴルフの才能とリンクスでの準備期間が合わさると、世界ランクの上位4人をも上回る成績を挙げるのである。

これに加え、ステンソンは今年の「スコットランドオープン」でプレーした唯一の世界トップ10圏内に入っている選手だったという点も見逃せない。また、世界のトップ25となると、今年のキャッスルスチュワートでプレーしたのはステンソン、ミケルソン、そしてホームズを含む5人のみ。ちなみに、残り2人のうちの1人、パトリック・リードは今回の「全英オープン」で自己最高位となる12位タイに入っている。

こうして考えると、2016年の「全英オープン」王者が必然であったことがよく分かる。今回、ヨーロピアンツアーはデータ分析のエキスパートである15th Clubとタッグを組み、過去5回の「全英オープン」で、「スコットランドオープン(2012年は「アイルランドオープン」)」での準備がどれくらい大きな意味を持つのか調べてみた。

15th Clubが弾き出した幾つかの鍵となる数字をここに紹介しよう:

● 直近の「全英オープン」王者では、6人中5人(ダレン・クラークアーニー・エルス、ミケルソン、ロリー・マキロイ、そしてステンソン) が前週の「スコットランドオープン」に出場し、リンクスコースでプレーしている。

● 2012-16年の「全英オープン」でトップ10入りした60人中24人は「全英オープン」の前週にリンクスコースの大会でプレーしているのに対し(2013-16年は「スコットランドオープン」、2012年は「アイルランドオープン」)、前週に米PGAツアーに出場してトップ10入りした選手はのべ4人、前週に試合に出場せず北アメリカから渡英してトップ10入りした選手はのべ13人、そして前週に試合に出場せず欧州の他の国から渡英してトップ10入りした選手はのべ8人に留まった。

● 2016年に限っては、トップ11入りを果たした選手のうち7人は「スコットランドオープン」に出場しており、最後に米国で試合に出場して「全英オープン」に臨んだ選手の最高位は9位タイ(ビル・ハースダスティン・ジョンソン)だった。

● 「全英オープン」前にリンクスコースの大会に出場した選手の「全英オープン」における4日間の平均スコアは、シーズンを通した平均スコアより1ストローク近く少なかった。これに対し、「全英オープン」の前週に米PGAツアーの大会に出場した、あるいは大会に出場せず北アメリカから渡英した選手の「全英オープン」における4日間の平均スコアは、シーズンを通した平均スコアより1打近く悪かった。

更に15th Clubの分析によると、世界のトップ50圏内に入るゴルフアーであれば、「全英オープン」の前週に米PGAツアーに出場するか、あるいは試合に出場せずに北アメリカから渡英する代わりに、リンクスコースの大会に出場して肩慣らしをすることにより、優勝の確率が2倍に上がることが分かった。

近年、「全英オープン」前に「アバディーンアセットマネジメントスコットランドオープン」に出場してリンクスコースに慣れておくというのは、ゴルファーの間で“秘密兵器”とされてきた。2016年の「全英オープン」を終えた今、その価値は誰の目から見ても明らかとなった。時には、スポンサーとの義理を果たすため、あるいは家族との計画により、「全英オープン」前に他の大会への出場を余儀なくされることもあるだろう。しかし、出場権があるのであれば、来年、「全英オープン」の前に「アバディーンアセットマネジメントスコットランドオープン」のようなリンクスコースで開催されるヨーロピアンツアーの大会に出場することに、思案の余地はないはずだ。

関連リンク

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