前週の「全米プロ」で3位に入ったマット・ウォレス

今週、ヨーロピアンツアーは「メイド・イン・デンマーク」が開催されるハイマーランド ゴルフ＆スパリゾート（G&SR）が舞台となる。鍵となる5つのストーリーラインは次の通りだ。

帰還

2018年のシルケボーでの開催を経て、「メイド・イン・デンマーク」は大会の伝統的な開催コースであるハイマーランドG&SRへ戻る。昨年開催コースが移された背景には、2018年の「ライダーカップ」でキャプテンを務めたトーマス・ビヨーンのホームコースがシルケボーだったこと、そして同大会が自動選出枠で「ライダーカップ」欧州代表チーム入りを決める最後のチャンスだったことがあった。昨年はこの大会で20位に入ったトービヨン・オルセンが、イングランドのマシュー・フィッツパトリックとエディ・ペパレルの2人を抑えてビヨーン率いる代表チーム入りを果たした。

ワンダフル・ウォレス

イングランドのマット・ウォレスも「ライダーカップ」の代表チーム入りを狙う一人だったが、自動選出枠から漏れ、キャプテンが選ぶワイルドカードにポール・ケーシー、セルヒオ・ガルシア、イアン・ポールター、そしてヘンリック・ステンソンが選ばれたことで、代表チーム入りはならなかった。とはいえ、「メイド・イン・デンマーク」を含むヨーロピアンツアー3勝を挙げた昨年が、ウォレスにとって素晴らしい1年だったことに変わりはない。

ウォレスはスティーブン・ブラウン、ジョナサン・トムソン、そしてリー・ウェストウッドとの間で行われた4人によるプレーオフを制してシルケボーで戴冠。プレーオフ1ホール目でトムソンとウェストウッドが脱落するなか、ウォレスは2ホール目でバーディを奪ってブラウンを下した。先週の「全米プロゴルフ選手権」でメジャー自己最高位となる3位に入ったウォレスは、勢いそのままにタイトル防衛に臨む。

チャレンジツアーの成功

過去5回開催された「メイド・イン・デンマーク」では、ウォレスを含む5人のチャレンジツアー出身選手が大会を制覇している。2014年の第1回大会を2005年に昇格したマーク・ウォーレンが制覇したのを皮切りに、2008年昇格のデービッド・ホーシーが2015年大会を制覇すると、2016年大会は2013年にヨーロピアンツアーへの昇格を果たしたトーマス・ピータースが優勝した。

2017年は当時チャレンジツアーでプレーしながら、限定的にヨーロピアンツアーの大会に出場していた米国のジュリアン・スリが大会を制覇し、昨年はウォレスがチャレンジツアー上がりの選手による連続優勝を継続させた。

ハイマーランドの丘

地元ファンにより“ハイマーランドの丘”と名付けられたパー3（128ヤード）の16番は、グリーンがすり鉢状の土手に囲まれており、大会期間中は大勢のデンマーク人ギャラリーが陣取ることになる。この土手は小さい2段グリーンにおあつらえ向きの観戦スポットとなっており、この自然の円形劇場を陣取る約3500人のギャラリーからは、ティーイングエリアからパッティンググリーンまでの短い旅路を歩く選手たちへ大声援が送られることになる。

ゲーム大会

今週の「メイド・イン・デンマーク」では、ヨーロピアンツアーが初めてゲームイベントの「ドリームハック」とダッグを組んで行うeスポーツの大会、「ヨーロピアンeツアー選手権」が開催される。オンラインゴルフゲーム、“ワールドゴルフツアー”のトッププレーヤー8人がマッチプレー形式のトーナメント戦で、eスポーツのゴルフ大会では史上最高額となる5000ドルの優勝賞金を目指して火花を散らす。この大会の準々決勝は5月23日に行われ、5月24日に準決勝と決勝が行われる。