絶景を望むスイス大会 谷原秀人と宮里優作が出場
2018年 オメガ・ヨーロピアン・マスターズ
期間:09/06〜09/09 場所:クランスシュルシエレGC(スイス)
オメガ・ヨーロピアン・マスターズの知っておくべき5つのこと
美しき景観
今週はヨーロピアンツアーで最も景観の美しい場所のひとつで、選手とギャラリーに人気の大会が開催される。その「オメガヨーロピアンマスターズ」について知っておくべき5つの事柄は次の通りだ。
■フィッツパトリックがヨーロピアンツアー4勝目を挙げた地
昨年は、最終日に「64」をマークし、勝負をプレーオフに持ち込んだマシュー・フィッツパトリックがプレーオフで豪州のスコット・ヘンドを下し、劇的な勝利を飾った。イングランドのフィッツパトリックは1ホール目で難しいパーパットを冷静に沈めて優勝の望みをつなぐと、2ホール目ではそろって惜しくもバーディパットを外したため、両者は再び18番ティへと戻った。
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終始冷静なプレーに徹したフィッツパトリックは、プレーオフ3ホール目でグリーンを外したヘンドがボギーを叩いたのを尻目に、フェアウェイとグリーンをとらえ、2パットのパーで勝利をものにした。既にヨーロピアンツアー4勝で挙げているフィッツパトリックは、アマチュア時代にも「全米アマチュア選手権」と「ジュニアアマチュア選手権」の両タイトルを獲っており、世界45位で迎える2018年大会も優勝候補の一人である。
■秀麗なクランモンタナ
ヨーロピアンツアーのこの大会をどう形容するかと考えたとき、真っ先に思い浮かぶのは、“息をのむ”という表現である。7番ティからアルプスの氷河や山並みを臨むことのできるクランシュルシエレGCは、雪を頂くスイスアルプスに囲まれた海抜5000フィートの場所に位置している。特に、円形劇場型のギャラリースペースが設けられた13番は、コースのシグネチャーホールになっている。周囲の絶景はゴルファーとファンに見事な眺望を提供する。このアルプスのコースでこの大会が開催されるのは、今回が72回目。同一大会の開催コースとして、その回数でこのスイスのコースを凌ぐのはオーガスタナショナル(「マスターズ」を82回開催)だけだ。雪が積もるクランシュルシエレは、冬期のスキーリゾートとしても知られるが、夏期は世界最高峰のゴルファーたちにとって絶好のコンディションを提供する。
■豪華な歴史
秀麗な山々を臨むクランモンタナは、ゴルフの歴史に名を刻んだ名手たちが優勝を遂げてきた。ツアー発足の1972年以来ヨーロピアンツアーの国際スケジュールに組み込まれている「オメガヨーロピアンマスターズ」にとってこの上ないドラマの場となっている。その優勝者リストには、偉大なる故セベ・バレステロス、ヨーロピアンツアー15勝のトーマス・ビヨーンのほか、サー・ニック・ファルド、アーニー・エルス、セルヒオ・ガルシア、そしてダニー・ウィレットといったメジャー王者たちが含まれる。
■記録破りのミゲル
ゴルフ界で最も愛されるキャラクターの一人であるミゲル・アンヘル・ヒメネスは、出場22回目の2010年に「オメガヨーロピアンマスターズ」を制覇した。当時、これはヨーロピアンツアーにおいて大会初優勝まで最も出場回数を要した記録となった。その後、スペインのヒメネスは2014年に出場27回目で「スペインオープン」を制覇して、自らの記録を塗り替えた。最近ヒメネスはステイシュアツアー(欧州シニアツアー)でも大きな成功を収めており、今も限界を押し上げている。
■3度目の正直?
スコット・ヘンドは1度のみならず2度、あと一歩のところでこの大会を優勝しそこなっている。ここ2年連続して優勝争いを繰り広げながらも、スウェーデンのアレックス・ノレン(2016年)とフィッツパトリック(2017年)にプレーオフで敗れているのである。昨年の大会後、ヘンドは「チャンスがあったのにものにできなかった。チャンスで決め切れない。正規の18番では良いバンカーショットを打ってプレーオフに勝負を持ち込んだ。ただ今日の午後はそこまで良いプレーができなかったが、これが結果。フィッツパトリックは素晴らしいプレーで優勝した。彼は良いチャンピオンだ」とコメントした。