今週はオーストラリアを舞台とするセルヒオ・ガルシア(Warren Little /Getty Images)

今週のヨーロピアンツアーは通常の週とは異なり、「アフラシアバンクモーリシャスオープン」と「オーストラリアPGA選手権」の同時開催となる。シーズン初戦の「UBS香港オープン」を制したウェイド・オームスビーに続くべく、選手たちがシーズン2つ目と3つ目のトロフィー獲得を目指すことになる中、今週のオーストラリアでは「マスターズ」王者のセルヒオ・ガルシアがティアップする。

伝統的にこの大会は地元豪州勢が席巻しており、昨年のハロルド・バーナーIIIによる勝利は、オーストラリア人以外としては、1998年のデビッド・ハウエル以来となる快挙だった。一方、インド洋を渡ると、ツアーで最も独特なトロフィー獲得を目指し、ディラン・フリテッリ、ニコラス・コルサーツ、ジェイミー・ドナルドソンらが「アフラシアバンクモーリシャスオープン」に出場する。

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データの達人は事実と数値を鑑み、今週の2大会で輝きを放ちそうな選手として以下の3人をピックアップした。

本命：セルヒオ・ガルシア（オーストラリアPGA選手権）

セルヒオ・ガルシアは現グリーンジャケットホルダー、そしてフィールドで最もランキングの高い選手としてゴールドコースト入りする。「オーストラリアPGA選手権」を前に、スペインのガルシアが楽天的でいられるには、それなりの理由がある。フィールドで最も知名度の高い選手の一人であるにもかかわらず、今年4勝目を狙うガルシアにかかるプレッシャーは大きくない。もし、ガルシアが「アンダルシアバルデラママスターズ」で勝利し、「DPワールドツアー選手権」で4位タイ、「香港オープン」で19位タイに入った好調にリラックスした姿勢を合わせることができれば、今週の彼は優勝候補の筆頭に浮上する。

「マスターズ」王者が2009年以来オーストラリアでプレーしていないという事実は、さほど問題とはならないだろう。昨季、平均ストローク（69.3）とスクランブル率（66.5%）で首位、パーオン率（74.5%）で3位にランクインした37歳のガルシアは、自分がどのコースでも戦えるということを知り尽くしている。

対抗：ディラン・フリッテリ（アフラシアバンクモーリシャスオープン）
ディラン・フリッテリによる昨季のパフォーマンスにより、南アフリカには次なるスーパースターが台頭する予感が漂っている。昨季最終盤の4大会で2度のトップ4入りを果たしたフリテッリは、ベストの選手たちと互角にやり合えるだけの腕前を持っていることを証明した。「トルコ航空オープン」でジャスティン・ローズに次ぐ2位に入った彼は、「DPワールドツアー選手権」で4位に入り、先週の「UBS香港オープン」でも好調を持続させた。香港GCで16位タイに入ったテキサス大出身のフリテッリは、直近の2大会の平均ストロークを「68.1」と、見事な数字を残している。

6月の「ライオネスオープン」での優勝は、初めてツアーでフルシーズンをプレーしたフリテッリによる強烈な意思表示となった。最終的な「レース・トゥ・ドバイ」のランキングを見事19位としたフリテッリは、楽観主義的な波に乗っており、モーリシャスで勝ってもおかしくない状況にある。

穴：マチュー・パボン（アフラシアバンクモーリシャスオープン）
フランスのマチュー・パボンは昨季のヨーロピアンツアーで目を引く活躍を見せたルーキーの一人だった。なかでも、3位タイに入った「アバディーンアセットマネジメント スコットランドオープン」では出色のパフォーマンスを見せた。その他にも「ポルトガルオープン」と「ノルデアマスターズ」でトップ6入りするなど（それぞれ3位タイと6位タイ）、随所に輝きを見せた。卓越した選手たちで形成されたロレックスシリーズのラスト3戦でプレーした事実が、25歳のパボンの有望性を実証しており、彼はトルコ、南アフリカ、ドバイでいずれもトップ20入りを果たしている。

パボンはヨーロピアンツアー初優勝が手の届くところにあるという確かな理由とともに、ヘリテージGCでティアップする。彼は昨季、平均飛距離（304.6ヤード）で16位に入っているが、今週のコースは全長6987ヤードとなるため、そのパワーを慎重に使う必要がある。とは言え、自信をみなぎらせているパボンは、一躍注目を浴びる存在となる可能性を大いに秘めている。