谷原秀人がドバイで最終戦 年間王者の行方は
2017年 DPワールド ツアー選手権 ドバイ
期間:11/16〜11/19 場所:ジュメイラ・ゴルフエステーツ(UAE)
「DPワールドツアー選手権」の大会アラカルト
シーズン最終戦となる今週で「レース・トゥ・ドバイ」が終幕する。状況的に2017年シーズンは「DPワールドツアー選手権」で劇的な結末を迎える準備が整った。トミー・フリートウッドが自身初の欧州ナンバーワンの座を懸けて臨む今週の大会で知っておくべき重要な情報は、以下の通りだ。
2016年大会を振り返る
昨年は18番グリーンで痺れるパットを冷静に決めたイングランドのマシュー・フィッツパトリックが、1打差でシーズン最終戦の「DPワールドツアー選手権」を制覇した。
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18番ティに立った時点では、ティレル・ハットンを1打差で追った22歳のフィッツパトリックは、最終ホールでハットンがボギーを叩いたのを尻目に、冷静にバーディパットを沈め、通算17アンダーとしてヨーロピアンツアー3勝目をもぎ取った。
首位のビクトル・デュビッソンと1打差で最終日を出たフィッツパトリックは、2番と3番でバーディを奪って首位に浮上。一日を通して同胞のハットンと熾烈なバトルを繰り広げ、最終ホールではハットンが1ストローク優位に立つ展開となった。
しかし、ティショットをウォーターハザードに入れたハットンは、18番でこの日初のボギーを叩いて通算16アンダーに後退し、フィッツパトリックに扉を開けることとなった。するとガードバンカーから1.2メートルに寄せたフィッツパトリックが、バーディパットを沈め、最終日「67」をマークして大会を制覇し、「レース・トゥ・ドバイ」ランキングを6位としてシーズンを終えた。
ハットンは通算16アンダーの単独2位で大会を終え、その2打後方の3位にはシャール・シュワルツェルが入った。一方、ヘンリック・ステンソンは最終日に見事「65」をマークし、2度目の「レース・トゥ・ドバイ」制覇を成し遂げた。
フィールド
シーズン最終戦でありロレックスシリーズ第8戦でもある今大会に臨むトミー・フリートウッドは、自身初の「レース・トゥ・ドバイ」制覇を遂げるべくドバイへと乗り込む。そんな彼の野望を打ち砕くことができるのは、「トルコ航空オープン」王者のジャスティン・ローズと「マスターズ」王者のセルヒオ・ガルシアの2人のみ。
「WGC HSBCチャンピオンズ」と「トルコ航空オープン」で2週連続優勝を果たしたローズは、長きにわたり年間ランキングのトップに居続けたフリートウッドに肉薄し、スリリングなシーズンの終幕を演出した。
フリートウッドは先週の「ネッドバンクゴルフチャレンジ」でトップ10入りを果たしたことにより、再び後続との差を広げることに成功し、ローズには256,737ポイント差、ガルシアには1,051,405ポイント差をつけてジュメイラGEでティアップすることとなった。
ブランデン・グレースは母国開催の「ネッドバンクゴルフチャレンジ」を制覇したことにより、ランキングをボーナスプールの賞金が分配されるトップ10圏内へと押し上げることに成功。一方、スコットランドのスコット・ジェイミソンとフランスのビクトル・デュビッソンは、それぞれ南アフリカで2位と3位に入ったことにより、60人のフィールドで競われるドバイ行きを決めた。
この他にも、今週はスペインの新星ジョン・ラームに加え、スウェーデンのアレックス・ノレン、スペインのラファ・カブレラベロー、そしてイングランドのティレル・ハットンといった、今季のロレックスシリーズを制した猛者たちが集結する。
メジャー2勝のマルティン・カイマー、「ライダーカップ」のレジェンドであるリー・ウェストウッド、そして昨季の大会覇者フィッツパトリックもスター揃いのフィールドに名を連ねている。
コース
アースコースは1,119ヘクタールにわたり鮮やかな緑の茂ったジュメイラGEに造成された2コースのうちのひとつであり、2009年から大会の開催コースとなってきた。
グレッグ・ノーマンにより設計された7675ヤードのコースは、欧州や北米の有名なパークランド型コースにインスパイアされたレイアウトとなっている。
パー72のアースコースは、転がりの良いフェアウェイ、鮮やかな白砂のバンカー、そして木々や灌木で縁取られた赤褐色の大地が織り成す背景が特徴的なコースである。
また、合計99個のバンカーに加え、変化に富んだ池が随所にあり、ハザードには事欠かない。上がり4ホールは全てウォーターハザードが絡んでおり、18番ホール全体を縦断するクリークが劇的なフィナーレを演出する。
トリビア
フィールドには2017年シーズンのヨーロピアンツアーで優勝を飾った22人が含まれる。そのうち、トミー・フリートウッド(「アブダビHSBCチャンピオンズ」と「HNAフランスオープン」)、セルヒオ・ガルシア(「オメガドバイデザートクラシック」、「マスターズ」及び「アンダルシアバルデラママスターズ」)、ティレル・ハットン(「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」と「イタリアオープン」)、そしてジャスティン・ローズ(「WGC HSBCチャンピオンズ」と「トルコ航空オープン」)の4人は今季複数回優勝している。
フィールドには50人のヨーロピアンツアー優勝経験者が含まれ、その合計優勝回数は206勝となる。
出場60人の国籍は20カ国となり、内訳は豪州、オーストリア、ベルギー、中国、デンマーク、イングランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、パラグアイ、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、タイ、米国となっている。
各国の出場者数は次の通り:イングランドから16人、南アフリカから7人、スペインから5人、米国とフランスから4人ずつ、スコットランドから3人、豪州、ベルギー、デンマーク、アイルランド及びスウェーデンから2人ずつ、そして、オーストリア、中国、ドイツ、イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、タイ、パラグアイ及び韓国から1人ずつ。
今週大会デビューを果たすのは、ジョン・ラーム、ポール・ダン、ディラン・フリッテリ、谷原秀人、ジョーダン・スミス、ライアン・フォックス、ミシェル・ロレンゾベラ、カラム・シンクィン、アンドリュー・ドット、アレクサンダー・ビョーク、マチュー・パボン、アドリアン・オタエギ、ディーン・バーメスター、ヘイドン・ポルテウス、ジュリアン・スリ、そしてポール・ワーリングの16人。
出場選手中、最年少は22歳2カ月と6日のワン・ジョンフン、最年長は44歳6カ月と9日のリー・ウェストウッドとなっており、29人は30歳未満の選手となっている(フィールドの48パーセント)。
今大会には2016年に欧州チャレンジツアーからの昇格を果たしたスミス、フリッテリ、フォックス、ビョーク、そしてパボンの5人が出場。
今大会に出場するヨーロピアンツアーのルーキーはラーム、フリッテリ、谷原、フォックス、ビョーク、パボン及びスリの7人。