「メイド・イン・デンマーク」で歴史に名を刻み損ねたルイス
2017年 メイド・イン・デンマーク
期間:08/24〜08/27 場所:ヒンメルランドゴルフ&スパリゾート(デンマーク)
デンマーク大会は難コースが舞台 注目すべき3人
今週のヨーロピアンツアーは、ヒンメルランドG&スパリゾートで開催される「メイド・イン・デンマーク」へと戦いの舞台を移すわけだが、この大会では一体誰に注目すべきだろうか。ここに3人の注目選手を紹介する。
この人気の高い大会は4年連続でヒンメルランドにて開催されることとなった。そして16番ホールは、この大会の醸し出す上質な雰囲気の象徴となっている。コースはタフな設定に仕上げられ、2014年以降ではツアーで6番目の難度となっていることに加え、デンマークのこの地方は強風が吹くことで知られている。これまでのデータは、パーオン率が高く、長いパットの得意な選手がこのパー71のコースで好パフォーマンスを発揮することを示している。
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本命:トーマス・ピータース
「メイド・イン・デンマーク」2017年大会の出場者たちを見渡したとき、ディフェンディングチャンピオンに注目しないわけにはいかない。昨年、通算17アンダー(大会最少スコア)で制したベルギーのトーマス・ピータースは、今週のタイトル防衛に自信をのぞかせている。
今季のピータースは、WGC2大会と「マスターズ」でトップ5入りするなど、大舞台でベストのゴルフをプレーする傾向にあり、タイトル防衛の懸かるこの大会も彼にとっては大舞台の1つとなるはずである。アントワープ出身のピータースは2度出場したヒンメルランドでは、2大会の通算スコアを21アンダーとしており、フィールドの平均スコアを2.92ストローク上回っているほか、同コースで8ラウンド以上した選手の中では平均スコアで2位につけている。圧倒的な飛距離で知られるピータースだが、昨年の大会ではスクランブル率(79%)とパーオン時の平均パット数(1.63)で2位に入っている。
今季、25歳のピータースは平均飛距離、平均パット数、そして平均スコアでトップ35圏内につけている。現在の好調振りを考えると、ここ2年で4度目の優勝はすぐそこまで来ているといっても過言ではないだろう。
対抗:トービヨン・オルセン
今季出場したヨーロピアンツアー16大会で、予選落ちわずか1回のみの地元人気選手を対抗として選出するのは容易なことである。トービヨン・オルセンが素晴らしい安定感を維持していることに加え、「WGCブリヂストンインビテーショナル」で10位タイに入り、「全米プロゴルフ選手権」初日に「67」をたたき出して首位に立ったことを考慮すると、彼のゴルフは良い状態にあると断言してよいだろう。
昨年「トルコ航空オープン」で優勝して以来、オルセンはトップ5入りを2度、そしてトップ35入りを10度記録している。彼はこの地元開催の大会では、2014年の第1回大会こそトップ10入りを果たしているものの、その後の2年はヒンメルランドで続けて予選落ちを喫しているだけに、今週は彼の忠実なファンを沸かせることを熱望しているに違いない。今季の平均パット数でトップ20圏内につけるオルセンもパットが好調な選手の一人であり、今週のトリッキーなグリーンではこのスタッツが鍵を握りそうである。ホームのファンの声援を背に、確固たる自信を持ってプレーするオルセンは、母国で堂々たるプレーを披露することだろう。
穴:アーロン・ライ
2015年はユーロプロツアーでプレーしながら、今季チャレンジツアーで3勝を挙げてヨーロピアンツアーへの自動昇格を決めたアーロン・ライのおとぎ話的なサクセスストーリーは、話題に事欠かない。そして今週、イングランドのライは、先月の「ル・ヴォードライユチャレンジ」でその3勝目を挙げて以降では、初めてのヨーロピアンツアー出場を果たす。
今季のチャレンジツアーで平均スコア「68.64」と見事な数字を残しているライは、公平に言って素晴らしいゴルフをプレーしている。そんなライが輝きを放った舞台はチャレンジツアーだけではない。「全米オープン」最終予選を突破し、エリンヒルズでメジャーデビューを飾ったライは、ヨーロピアンツアーの「オーストラリアPGA選手権」と「ハッサンIIトロフィー」でトップ50入りしている。最近メキメキと頭角を現したチャレンジツアー上がりのジョーダン・スミスの再現を目指すライは、両手にグローブをはめており、コース内で探し出すのは比較的簡単だ。15歳の頃、3mのパットを207回連続して決めたことのあるライは、デンマークの地で、早速ヨーロピアンツアーに印象を植え付けることを切望している。