スコットランドに再びスター選手が集結
成功裏に終わった2014年「ライダーカップ」の開催から1年、今週のスコットランドは15周年を祝う「アルフレッド・ダンヒル リンクス選手権」の開催へ向け、再び祝祭の雰囲気に包まれることになる。
スコットランド最上のリンクスコースであるカーヌスティ、キングスバーンズ、そしてセントアンドリュースのオールドコースの3コースを使用して行われるこの大会。ヨーロピアンツアーでも指折りの伝統的なプロアマ方式の大会で、スポーツ界やエンターテイメント界からセレブレティが集う。
この大会は独特の雰囲気で知られており、アイルランドのシェーン・ローリーにとっては、8月の「WGCブリヂストンインビテーショナル」で世界ゴルフ選手権初優勝を飾って以来の欧州凱旋とあって、特別な大会となりそうだ。
オハイオで見せたパフォーマンスにより8月のヒルトン・ヨーロピアンツアー月間最優秀選手に輝いたローリーは、「アルフレッド・ダンヒル リンクス選手権」では2013年に3位、そして昨年は6位と、過去に優秀な成績を収めている。
「レース・トゥ・ドバイ」のランキングを6位で今週の大会を迎えるローリーは、ファイナルシリーズの前に立て続けに開催される大会で好成績を収めてランキングで前方を走る選手の追い抜きを狙っており、それには同様に今季の米ツアーで活躍して今週からヨーロピアンツアーに復帰するブランデン・グレースも含まれる。
「レース・トゥ・ドバイ」でローリーの一つ上の5位につける南アフリカのグレースは、「全米プロゴルフ選手権」で3位に入ったほか、6月の「全米オープン」では4位タイに入っている。
グレースはヨーロピアンツアーで年間4勝を達成した2012年に「アルフレッド・ダンヒル リンクス選手権」を制しており、今季すでに2勝を挙げているグレースは、2015年シーズン序盤に開催された「アルフレッド・ダンヒル選手権」に続く一風変わった“アルフレッド・ダンヒル2連覇”を狙っている。
カーヌスティで開催された1999年の「全英オープン」覇者であり、2001年の第1回「アルフレッド・ダンヒル リンクス選手権」王者でもあるスコットランドのポール・ローリーは、今大会に出場するメジャー優勝経験者の一人だ。このほかに、スチュワート・シンク、ダレン・クラーク、ジョン・デーリー、アーニー・エルス、パドレイグ・ハリントン、マルティン・カイマー、グレーム・マクドウェル、チャール・シュワルツェル、そしてY.E.ヤンも今大会に出場する。
7月に「オメガヨーロピアンマスターズ」を制したイングランドのダニー・ウィレットは、2日目トップに立ち最終的には6位タイに入った「全英オープン」以来のセントアンドリュース再訪を果たす。この大会の成績如何では「レース・トゥ・ドバイ」でトップに立つロリー・マキロイをかわすチャンスがある。出場した直近大会の「72°イタリアオープン」では3位タイに入っており、2010年の「アルフレッド・ダンヒル リンクス選手権」でも優勝したカイマーに次ぐ2位タイに入っている。
一方、1年前の「ライダーカップ」欧州代表チームで活躍した選手も今週、スコットランドに戻ってくる。カイマーとマクドウェルに加え、チームを勝利へ導いたキャプテンのポール・マッギンリーほか、トーマス・ビヨーン、ビクトル・デュビッソン、スティーブン・ギャラハー、リー・ウェストウッド、そしてグレンイーグルスでは勝利を決めるポイントを挙げ、先週の「ポルシェヨーロピアンオープン」では5位タイに入っているジェイミー・ドナルドソンらもフィールドに名を連ねている。
この大会は、7月の「全英オープン」で54ホールを終えて首位タイに立ったアイルランドのポール・ダンにも、思い出深いセントアンドリュース再訪の機会を与えることになる。その「全英オープン」でシルバーメダル(ベストアマチュア)を勝ち取ったイングランドのアシュリー・チェスターズとダンはこの大会でプロデビューを飾ることとなり、「ウォーカーカップ」で勝利した英国アイルランド連合チームからはこの2人に加え、ギャリー・ハーレイとジミー・マレンも今週の大会に出場する。
ツアー初優勝を目指すこの若手4人組は、昨年この大会で、ヨーロピアンツアー出場228大会目にして初優勝を飾ったイングランドのオリバー・ウィルソンのお伽噺めいた成功譚の再現を狙っている。
かつて「ライダーカップ」に出場した経験を持つウィルソンは、昨年、公式世界ゴルフランキング792位で迎えたこの大会でリッチー・ラムゼイ、トミー・フリートウッド、そして当時世界ナンバーワンのロリー・マキロイらを1打差で退け、ゴルフの聖地で感動的な勝利を挙げたのである。