松山世代の22歳ガリー・スタールが逆転優勝
2015年 アブダビHSBCゴルフ選手権
期間:01/15〜01/18 場所:アブダビGC(UAE)
アブダビで輝きを見せたスタールがツアー初優勝
ガリー・スタールが8打差を逆転してマルティン・カイマーを下し、「アブダビHSBCゴルフ選手権」で欧州ツアー初優勝を遂げた。
チャレンジツアー2勝のスタールは最終日を見事に「65」でラウンドして、通算19アンダーまでスコアを伸ばし、流動的な展開となった最終日の優勝スコアとなった。
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「本当にクレイジーですし、この大会に勝ててとても嬉しいです」と語ったスタールは、2014年シーズンの「レース・トゥ・ドバイ」の最終日における最大ストローク差の逆転劇に並ぶカムバックを遂げた。
「今朝は2位が念頭にあり、優勝は考えてもいませんでした」
大会3勝のカイマーは6打差で日曜の最終ラウンドを迎え、出だしの4ホールで3つのバーディを奪い、一時は2位との差を10ストロークまで広げた。
フランスのスタールは8打差でこの日のラウンドをスタート。前半を「32」で折り返し、メジャー2勝のカイマーがつまずきを見せ始めるなか、10番でもバーディを奪ってスコアを伸ばした。
ドイツのカイマーは砂漠の藪に打ち込んだ9番をダブルボギーとした一方、スタールは11番で4.5メートルのバーディパットを沈め、この時点で両者の差は2ストロークとなった。
カイマーは13番でもコース左側の砂漠につかまるトラブルに見舞われ、さらにピッチショットをダフって、このホールをトリプルボギーとして1打差の2位に後退した。
一方、スタールは16番で6メートルのバーディパットを沈めて順調にスコアを伸ばした。これに対し、カイマーも世界ランキング1位のロリー・マキロイも、22歳の新鋭を最終ホールまでにとらえるには至らなかった。
マキロイは最終ホールで、決めればプレーオフというバンカーショットをわずかのところでホールインし損ない、通算18アンダーで4日間を終え、この大会4度目の2位となった。最終日を「75」でラウンドしたカイマーはさらに1打差の通算17アンダーで大会を終えた。
「父と母が僕を良いゴルファーにしてくれ、僕は日々この競技に順応できるよう努めているだけです」とスタール。
「僕は自分のことを見守ってくれた人々のことについて考えていました。そして、昨年の5月に僕がウェントワースでプレーしている最中に亡くなった母、クリスティーヌに思いを寄せました。母は僕がプレーしている最中に亡くなったのですが、言うまでもなく、僕は母について多くのことを考えました」
「自分の名前がリーダーボードにあるのを見た際は、興奮するなよと自分を戒めましたが、もちろんとても嬉しかったですね。信じられない気持ちでした」
「4日間を通し、僕の姿勢は変わりませんでした。大会が始まる際、逆上しないよう自分に言い聞かせましたが、それが奏功しました。パットが良く決まり、1打1打を大切にプレーすれば実を結ぶと考えました。それを果たすため、僕は同じやり方、同じ姿勢を貫いたのです」
カイマーはショック状態にあるのを認めたものの、今週の全般的なパフォーマンスは今年1年へ向け、吉兆になるだろうと信じている。
「何と言っていいのか分からない」とカイマー。「今日は本当に驚きの1日だった」。
「出だしは良かったのだけど、ひどいティショットを打つようになり、それがダブルボギーとトリプルボギーにつながってしまった」
「2度にわたり芝生から外れ、そのうちの一つは藪へ打ち込み、砂漠にドロップせざるを得なかったんだ」
「今日は多くのパットを外したので、バーディを奪うのが難しかった」
「ポジティブな部分は自分が良いゴルフをプレーしていたということだね。長い休み明けで、3日にわたりほとんどフェアウェイを外さないとてもソリッドなプレーができたのは良かったね。今日はそうはならなかったけれど、それでも(大会を通じて)前向きな面はたくさんあった。今日のあのラウンドの後にこうしたことを言うのは辛いけれどね」
パットで苦しみ3日目を「73」としたマキロイは、新任キャディのJP・フィッツジェラルドのグリーン上での助けもあり、前後半の折り返しを挟む形で3連続バーディを奪って反撃の狼煙を上げた。
「JPにもパットのラインを読んでもらうようにしたら、断然良くなったんだ」とマキロイは、最終日を「66」でラウンドした。
「またしてもスローな出だしとなったので、一緒にラインを読むようにしたら、それが上手くいったんだ」
「最終的に勢いに乗れたのは良かったけれど、昨日と今日の序盤のプレーで優勝を逃してしまったね」