震災10年 東北福祉大卒・松山英樹「やっぱり優勝しないと」
2021年 コマーシャルバンク カタールマスターズ
期間:03/11〜03/14 場所:エデュケーションシティGC(カタール)
カンピージョ、ピータース 欧州ツアー今週の注目選手
欧州ツアーの「レース・トゥ・ドバイ」は今週の「コマーシャルバンクカタールマスターズ」で継続していく。大会は今年も昨年のツアーデビューで成功を収めたエデュケーションシティGCにて、2年連続で開催されることとなる。昨年はホルヘ・カンピージョ(スペイン)がプレーオフの末、デービッド・ドライズデール(スコットランド)を退けて劇的な優勝を遂げたが、今週の大会は誰に注目すべきだろうか。
本命
今週の大会のヘッドラインを飾る本命選手は、「サウジインターナショナル」でトップ10入りし、その後の米PGAツアー「プエルトリコオープン」での15位タイを経て大会に臨むトーマス・ピータース(ベルギー)だ。
直近に開催された欧州ツアーのレギュラーイベントが、2月4日から7日の日程で行われた「サウジインターナショナル」だったこともあり、彼は今大会の出場選手の中では、最近トーナメントに出場した数少ない選手の一人である。彼以外ではWGCに出場したトーマス・デトリー(ベルギー)、ラスムス・ホイゴー(デンマーク)、アンディ・サリバン(イングランド)、ウェイド・オームスビー(オーストラリア)、ブランドン・ストーン(南アフリカ)、そしてアーロン・ライ(イングランド)らが、今週のフィールドでこれに該当する選手となっている。
昨年、開催コースがエデュケーションシティに移った際、ピータースはカタールでの出場4回目にして、自己ベストとなる21位タイに入ったのだが、グリーン周りの調子が良ければ、更に良い結果を残せていたところだった。そして2021年に入り、ピータースは平均ストローク、ティショットのストロークゲインド、スクランブリング、そして1パットのスタッツでいずれもトップ20に入っているため、今週の彼は要注目である。
ディフェンディングチャンピオン
昨季は、エデュケーションシティのグリーンでパッティングの名人芸を見せたホルヘ・カンピージョが、劇的なプレーオフでデービッド・ドライズデールを退け、欧州ツアー2勝目を挙げた。
カンピージョの勝利は、新型コロナウイルスの感染拡大でツアーが4カ月の中断に入る前の最後の優勝となったのだが、以降、彼の調子はわずかに不安定さが増すこととなった。その後、彼は2大会連続で予選落ちを喫すると、続く4大会では3度のトップ10入りを果たすも、シーズン終盤へ向け調子を落とし、2021年は開始から3大会連続して予選落ちしている。
それを踏まえた上で昨年の大会を振り返って見ると、彼は勝利を挙げた昨年の大会の直前の3大会は何れも予選落ちを喫しており、直近4大会の最高成績を67位としていたため、彼は再びカタールでの復調を目指して大会に臨むことになるのである。彼を今週の優勝候補に推すのはリスキーではあるが、彼はカタールでの直近の4大会で、何れもトップ20入りを果たしているという事実も見逃せないところではある。
ここからはスカイスポーツのプレゼンターであるキット・アレキサンダー、そしてかつてレディース欧州ツアーで選手やコーチとして活躍し、プレゼンターでもあるソフィー・ウォーカーの優勝予想を見比べてみよう。
ソフィーの予想
◆アンディ・サリバン
彼は昨年、この大会で2日連続して「66」をマークする好スタートを切るも、週末はその調子を維持できなかった。5年間勝利から遠ざかっていたのが、その要因だった。しかしながら、その無勝利期間には昨夏の「イングリッシュオープン」で終止符が打たれ、以降、彼は本来の自分自身を取り戻したように見える。今季、サリバンは出場4大会全てで予選通過を果たしており、パーオン率は70パーセントを超え、公式世界ゴルフランキングで61位につけている。エデュケーションシティGCはジュメイラGEのアースコースを思い出させる造りとなっているが、サリーはジュメイラでは2020年と2019年に10位に入るなど、近年良い成績を残している。
◆ラスムス・ホイゴー
今週誕生日を迎えるとあり、欧州ツアー2勝の彼は、良い形で二十歳になることを期している。ラスムスは今季素晴らしいスタートを切っており、「オメガドバイデザートクラシック」で9位、そして「サウジインターナショナル」では6位に入っている。彼は飛距離も出る選手であり、バッグを担ぐのは経験豊富なキャディのジョン・スマートである。彼がファンタジーゲームでも今週の人気選手となるのは、間違いなさそうだ。
◆カート・キタヤマ
私は「サウジインターナショナル」でもカートを推したが、彼は期待を裏切らなかった。実力者揃いのフィールドで、彼は12位に入った。これが、今回も彼を推す理由である。キタヤマはラスベガスの大学に行っており、砂漠のコースには慣れている。これは今季3大会の全てで予選を通過し、2019年の「オマーンオープン」を制覇した実績に出ている。更に彼の平均ストロークは69.75と、ツアー平均より1.5近く良いため、今週の彼は注目に値する存在であると言えよう。
キットの予想
◆トーマス・ピータース
このベルギーの飛ばし屋は、ブックメーカーの本命選手である。彼はこれまで欧州ツアーで4回優勝しており、2016年に「ライダーカップ」デビューを果たした際は、未来の世界ナンバーワンと評されていた。それ以降、その呼び名通りにはならなかったが、彼はサウジアラビアとプエルトリコでそれぞれ10位タイと15位タイに入っており、昨年の「カタールマスターズ」では21位タイに入っている。
◆ジョージ・クッツェー
南アフリカ人選手たちはカタールでコンスタントに好成績を収めており、クッツェーはエデュケーションシティGCで活躍する素質を持った選手である。彼はパットの名手であり、ショートゲームが上手で、風のなかでのボールコントロールの仕方を知っている選手である。彼は昨年9月に「ポルトガルマスターズ」で優勝しており、今季は中東スイングで11位、60位タイ、10位タイと上々のスタートを切っている。
◆カルム・ヒル
26歳のスコットランド人選手は、昨季欧州ツアーのパッティングのストロークゲインドで29位に入り、今年はそのカテゴリーで5位にランクインしている。直近のサウジアラビアでは4位タイに入り、2020年シーズンは好調のまま終えている。彼はまだ欧州ツアーでの優勝経験はないが、チャレンジツアーでは2018年と2019年に計3勝しているので、勝ち方は知っているのである。