欧州大陸最古のナショナルオープン 谷原秀人&宮里優作が出場
2019年 フランスオープン
期間:10/17〜10/20 場所:ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)
フランスオープンで知っておくべき5つのこと
2019/10/16 10:49
昨年「ライダーカップ」の開催されたパリのル・ゴルフナショナルにて、今年も歴史ある「フランスオープン」が開催される。同大会について知っておくべき5つの事柄は次の通りである。
パリの祝祭から1年
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既に1年が経過したが、あの2018年「ライダーカップ」の喧騒は、つい昨日の出来事のように感じられる。
ル・ゴルフナショナルのアルバトロスコースにて、激闘の末、トーマス・ビヨーン率いる欧州代表が17.5-10.5で米国代表を下したのは、わずか12カ月前のことだった。
アルバトロスコースのエキサイティングなレイアウトと、グリーン回りの円形劇場的な形状により、多くの識者が史上最高の「ライダーカップ」開催コースのひとつとこのコースを評価した。特に、グリーンが池に囲まれた15番、16番、そして18番を含む上がり4ホールは、素晴らしい雰囲気と忘れ難きドラマを演出してくれる。
とにかく、2018年「ライダーカップ」のファイナルマッチは、ハリウッドの脚本家でも書けないような、素晴らしい結末となった。
パリの王、アレクサンダー大王
フランチェスコ・モリナリがフィル・ミケルソンとのシングルで勝利し、ビヨーンの欧州代表に勝利を決めるポイントをもたらしたとき、2018年「フランスオープン」王者のアレックス・ノレンは、チームメイトの大半が欧州代表の勝利を祝福するなか、まだ日曜のシングルスの最終マッチをプレーしていた。
そして、ヨーロピアンツアー10勝のノレンは、すでに最高級のフランス産シャンパンに酔いしれるチームメイトが見守るなか、18番グリーンでモンスター級のロングパットを沈めて、ブライソン・デシャンボーに対し、ほとんど見込みのなかった勝利を挙げたのである。
ノレンにとって、アルバトロスコース最終グリーンでの3カ月間で2度目のウィニングパットは、地元ファンを前にした祝祭の引き金となった。果たして、今年も彼はこの地で勝てるのだろうか。
フレンチコネクション
今年はフランスゴルフ界にとって、多産の1年となっている。
今週、パリには「レース・トゥ・ドバイ」ランキングで30位以内につける4人のフランス人選手がやってくるのである。
なかでも、ゴルフの聖地で開催された「アルフレッド・ダンヒルリンクス選手権」を制覇したビクトル・ペレスは、ヨーロピアンツアーで優勝した16人目のフランス人選手として、最近名を馳せた地元選手である。
その他3人の選手は、2019年シーズンに優勝まであと一歩のところまで迫っており、そのうちの1人であるベンジャミン・エベールは5月の「ボルボ中国オープン」と7月の「アバディーンスタンダードインベストメント スコットランドオープン」で、ヨーロピアンツアー初優勝をすんでのところで逃している。
一方、マイク・ロレンゾベラは「コマーシャルバンクカタールマスターズ」と「アンダルシアマスターズ」で惜しくも優勝を逃しており、1月の「南アフリカオープン」で2位に入ったロマン・ランガスクも、その他に2度のトップ3入りを果たしている。
この3人の他にも、今週はグレゴリー・ボーディ、ビクトル・デュビッソン、ラファエル・ジャクラン、アレクサンダー・レビー、そしてロマン・ワッテルといった才能豊かなフランス人選手がフィールドに名を連ねており、2011年のトーマス・レベ以来となるフランス人選手による母国での勝利も十分に考えられる。
大陸ヨーロッパ最古
1906年に第1回大会の開催されたこの大会は、大陸ヨーロッパ最古のナショナルオープンである。
第1回大会は、フランスのレジェンドであるアルノー・マッシーが制覇。その後、彼はこの大会で更に3勝を挙げている。1907年にタイトル防衛を果たしたマッシーは、その年、英国生まれ以外の選手として初めて「全英オープン」を制覇し、歴史にその名を残した。以降、フランス人選手はメジャー優勝を果たしていない。
これまで「フランスオープン」では、20人のメジャー王者が優勝を遂げており、このリストには、セベ・バレステロス、ヘンリー・コットン、マルティン・カイマー、ニック・ファルド、レティーフ・グーセン、ウォルター・ヘーゲン、ベルンハルト・ランガー、ボビー・ロック、そしてホセ・マリア・オラサバルといった選手たちが含まれる。
歴史あるベルサイユ
記憶に新しい昨年の「ライダーカップ」をはじめ、ル・ゴルフナショナルでは数々の歴史が作られてきたが、歴史に関して言うと、ベルサイユ界隈のそれには遠く及ばない。
パリ郊外にある風光明媚なこの地には、フランス最大の歴史的名所のひとつであるベルサイユ宮殿があり、同地は、1682年からフランス革命が勃発し、ルイ16世と王妃マリー・アントワネットがパリ解放を迫られた1789年までフランス王朝の中心だった。
現在、ベルサイユ宮殿はユネスコ世界遺産に登録されており、第一次世界大戦では、ベルサイユ条約締結の場となった。
こうした名所に加え、佳境に入ったヨーロピアンツアーの重賞大会が開催されるこの地は、見どころ満載である。