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池田勇太の“アナザースカイ”/アジアンツアー公式

【シンガポール 6月12日】マレーシアの風景も喧騒も、いまでは池田勇太にとってあまりに日常となってしまった。この3カ月間、池田は意図せずマレーシアを“ホーム”としている。(GDO編集部注:6月中旬に帰国)

「バンダル・マレーシアオープン(3月5日開幕)」に向けた準備と熱帯気候に慣れるため、早めに首都クアラルンプールに入ったが、その後の予期せぬ事態により滞在は延長を余儀なくされた。

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日本ツアーで2009年から毎年1勝以上を挙げて圧巻の通算21勝を誇る池田は、3月の「バンダル・マレーシアオープン」制覇を見据えていた。

日本での優勝のうち2勝はアジアンツアーとの共催試合だが、海外で勝つことはまた別で、彼は自身の素晴らしい経歴にその栄光を加えようと決意していた。

運悪く、池田のタイトル奪取の野望は、コタ・プルマイG&CCでの一戦の数日前にデング熱にかかってしまい頓挫した。

「マレーシアには、バンダル・マレーシアオープンが開幕する10日前に来ました。当時、日本はまだとても寒かったので、早く来て熱帯気候に慣れておこうと思いました。だけど、開幕前日に冷や汗が出て、熱っぽくなった。吐き気もして、ほとんど歩くこともできなかったので、すぐ医者に行くとデング熱だと言われました」と34歳は振り返った。

池田は点滴を受けて安静にするように言われ、病院で2日間を過ごさなければならなかった。その週はテレビ観戦しかできなかった。

「少しずつ回復してきたので、大会のハイライト映像を見たけど、本当に出場したかったです。素晴らしい試合だったし、プレーオフでトレバー・シムズビーが勝つ展開には興奮しました」と池田。

彼が帰国しようと準備をしているとき、新型コロナウイルスの感染拡大により国境が閉鎖され、旅行制限が実施され、航空路線が突然運休となった。計画は乱されたが、池田は幸運にも、親しい友人にマレーシアで活動制限令(MCO)が実施されている間の滞在場所を提供してもらった。

彼は自粛期間中、日本の状況把握に努めていたが、ゴルフが頭から離れることもなかった。

「世界で何が起こっているのかを知るために毎日ニュースを読みました。自分はいつも楽観的な性格なので、いまは難しい状況でも、最後にはすべてうまくいくだろうと思っていました」

病気から完全に回復した池田は、マレーシアがMCOを緩和してゴルフ場が再開したとき、ついに再びゴルフ場に戻る機会を得た。

「すぐに練習場に行ったけど、デング熱になってから1カ月間クラブを握らなかったから、とても気分が良かったです。この期間はまた、ゴルフを始めてから一番長くゴルフから離れていた。だけど、他のプロたちにとってもみんな同じだと思う」

「身体的、精神的にツアー再開に向けて準備を続けながら、同時にコロナ後のプロゴルフツアーを取り巻く環境がどう変わるかということにも注意していないといけない」と池田は言う。

日本の有名な桜の時期は終わり、花見も池田とは無縁だった。今年は桜を楽しむことはできなかったが、いまでは“第二の自宅”と呼ぶマレーシアで癒やしの場所を見つけている。

他のツアー仲間と同じように、池田は再び戦うこと、そして日本とアジアンツアーの再開を待ち望んでいる。池田の予期しないマレーシア滞在は長引いたが、彼の陽気な態度と闘争本能は失われていない。

池田は笑いながら言う。「いつもマレーシアに来るのは大好きだけど、今回の旅はとても忘れられないものになった。いまは不確定なことが多いけど、マレーシア政府は寛大にもビザを延長してマレーシア滞在を許可してくれ、ここが自宅のように感じます。もう少しここでゴルフを続けて、みんなのホスピタリティと、ロティチャナイやミー・ゴレン・ママックといったマレーシア料理を楽しみたいです!」

ASIAN TOUR
情報提供:ASIAN TOUR

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