中国の22歳がオーガスタ行きに王手 山下勝将は9差12位/アジアパシフィックアマ
2023年 アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権
期間:10/26〜10/29 場所:ロイヤルメルボルンGC(オーストラリア)
名古屋生まれで日本語ペラペラ 中国の22歳はコリン・モリカワの“後輩”
◇アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 3日目(28日)◇ロイヤルメルボルンGC(オーストラリア)◇7055yd(パー71)
平均スコア「76.63」(パー71)。この数字が、3日目のコンディションのタフさを物語る。67人がラウンドしてアンダーパーを記録したのはたったの4人。その中でも、13位から出たチェン・ユンホー(中国)の「65」は突出していた。
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通算3アンダー単独首位でのホールアウト後、流ちょうな英語で取材対応したかと思えば、地元中国メディアの質問には中国語で答えた。取材が落ち着いた隙を見て話しかけると、「日本語で大丈夫ですよ」とニッコリ。3カ国語を自在に操る。
貿易関係の仕事をしている中国人の両親を持ち、名古屋で生まれて6歳まで日本で育った。その後は日本と中国を行き来する生活が続き、11歳から拠点を米国に移した。13歳の時には一時的に日本へ戻り、高知・明徳義塾中に1年間在学。2週前の「日本オープン」で初日首位に立ったアマチュアの岡田晃平(東北福祉大4年)とは同級生だった。
現在は、「ZOZOチャンピオンシップ」優勝のコリン・モリカワらを輩出したカリフォルニア大バークレー校のゴルフ部に籍を置く。「ゴルフ以上に勉強が厳しいし、大変。犠牲にしないといけないこともあるし、タイムマネジメントが大事になる」。25日付の世界アマチュアランキングでは48位につけており、文武両道を目指す22歳。「アジアアマ」への出場はことしで3度目。タイで行われた前年大会は20位だった。
予選ラウンド同組だった佐藤快斗(埼玉栄高3年)には日本語で話しかけて驚かれた。「友だちが東京とか埼玉とか千葉にもいるので、12月も帰る予定です。丸山奨王くんとも日本でタイミングが合えば一緒にラウンドしています。ジュニア時代に知り合って、それ以来親しい仲です」と幅広い交友関係も持つ。なるほど。それなら、この日本語のうまさにもうなずける。「米国に残りたい気持ちはあるけど、日本でもプレーしてみたい」と自身の将来像も明かした。
後続とは4打差。2024年の海外メジャー「マスターズ」「全英オープン」の出場権がかかるラスト18ホールは「プレッシャーはもちろんあるけど、リードしている以上は勝ちたい」。夢舞台へ、勝負の一日だ。(オーストラリア・メルボルン/内山孝志朗)