9月の国内男子ツアー初戦に石川遼らエントリー 金谷拓実も出場 海外勢は“ゼロ”
全選手のPCR検査費用を負担 石川遼が高校生に用意した真剣勝負の舞台
◇The “One” Junior Golf Tournament 最終日(25日)◇横浜カントリークラブ西コース(神奈川)◇男子7207yd、女子6601yd(ともにパー71)
大会名にある“One”には「一丸となる」というだけでなく、「今年1回限り」の意味も込めたという。コロナ禍によって次々と大会が中止になるような事態は、2020年限りであってほしいとの石川遼の願いだ。
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松山英樹とともにチャリティ企画を立ち上げるなど、早くから動いてきた中で「高校生、特に3年生の1年間というのは人生の岐路に立っている子たちが多い。ゴルフ界にいる人間として、何かできないかを考えた」。そして、自ら真剣勝負の場を提供しようと動いた。
日本ゴルフ協会(JGA)と高校ゴルフ連盟の2団体、ほかに企業各社の協力も仰ぎ、舞台は横浜カントリークラブ。コース側のうれしい申し出もあり、東コースの17番と18番を10番と11番に使用する、2018年「日本オープン」と同じ18ホールを使った大会が実現。2日間のピン位置を石川が決めるなど、コースセッティングにもこだわった。
「やるからには安全に開催しなければならない」。最大のハードルは、出場した男女83選手のPCR検査費用を石川が負担することで突破した。「自分が打ち込んできたスポーツの思い出は人生の財産になる。それなのに、PCR検査の費用が負担になって出場を断念せざるを得ないような状況は避けなければいけない」と説明した。
通算3アンダーで男子の部を制した鈴木隆太(埼玉栄高)は「試合がなくなってモチベーションが下がっていましたが、この日のために調整してきました」と話す。通算1アンダーで女子の部優勝の桑木志帆(岡山理科大付属高)も「来年プロテストを受けるつもりですが、この大会以降の大きな試合はすべて中止。これが最後でした」。試合に飢えていたトップクラスのアマチュアたちにとって、久しぶりの刺激的な2日間になった。
表彰式も縮小して行うなど感染対策を徹底した2日間は、大会サイドの人間として緊張感もあった。「先のことを考えたときに、どうやって一歩踏み出すかをフォーカスした。今後しばらくはこういった形で大会を運営にするに当たって参考材料にしていきたいし、大会を運営したいという方がいれば、情報も共有していきたい」。少しずつでも若いゴルファーを取り巻く状況が改善していくことを願いながら、今後も自ら先頭に立って動いていくつもりだ。(横浜市保土ケ谷区/亀山泰宏)