3ホールでまさかの“+6” 細野勇策「何が原因か分からない」
2ホールで“+3”から中断2時間を爆睡 馬場咲希がオーガスタでベストスコア
◇女子アマチュア◇オーガスタナショナル女子アマチュア 最終日(1日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇6310yd(パー72)
前半インで見せたすさまじい勢いが、後半2ホールで一気に消えかかった。馬場咲希(東京・代々木高)は4つ伸ばして折り返したアウト3番でこの日初めてのボギーをたたいた。続く4番(パー3)は好感触のショットが風に流されて右奥のカラーへ。左下がりの難しいライからピンに向かって下る速いラインの寄せを硬い地面でダフッてオーバーさせ、「(ミスを引きずって)集中できず、カツンと打ってしまった」とボギーパットもカップに蹴られた。
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2ホールで3つ落としたタイミングで悪天候のため競技が中断。3時間を超えた再開までの過ごし方が“らしさ”にあふれていた。「寝ました、マジで爆睡。2時間くらい。最初は(スコアを落として)『あー』って感じだったのが、だんだん眠くなってきちゃって(笑)。寝るの、良くないかなって思ったんですけど、自分的には良かった。(悪いことを)忘れられたので」。まさに天真爛漫だ。
再開後の6番(パー3)でもボギーを喫してスタート時のイーブンまで戻ったが、「オーガスタでプレーできているんだから、最後まで諦めずに頑張ろう」と自分を奮い立たせた。7番はサンドウェッジのセカンドを上からスピンで戻して1.5mに絡め、バウンスバック。続く8番(パー5)も残り220ydから3UTでグリーン右まで力強く打ち上げ、アプローチを寄せて2連続とした。「うまく切り替えて2つ獲れた。諦めなくて良かった」と言った。
この日アンダーパーで回った選手が3人しかいない中、ベストスコアに並ぶ「70」で5位タイに食い込み、見せつけた大器の片りん。記念すべき最初のバーディを振り返れば、アーメンコーナーの入り口となる11番、残り118ydから9Iで2m強に絡めた。左サイドの池からプレッシャーを受けながら、「私はフェード(ヒッター)なので、右を狙って右に外してしまったら“逃げた感”があってイヤだった。頑張って左を向いて、フェードで狙っていきました」。18番で披露した圧巻の1Wショットは、キャリー275ydが必要な左のバンカーを越えるエリアまで飛んでいた。
近郊の別コースで行われた予選ラウンドでは本調子にほど遠かったショットについて、オーガスタナショナルGCでの練習日に修正を図った。「上半身が遅れていたのが曲がる原因なのかなと思ったので、お腹がちぎれるくらい回す感じで。フィニッシュがピタッと決まらないくらい、とにかく振ることを意識しました」と変化の理由を語る。
前半の猛チャージでリーダーボードに割って入った名前を見て「あっ、『BABA』いる!」とテンションを上げ、美しい景色もしっかり堪能。「マスターズ」直前のオーガスタナショナルGCをたっぷり味わって迎えた最終9番、「終わっちゃうのが寂しい」と名残惜しさがこみ上げた。このままマスターズを観戦した後、米国に残って4月20日開幕のメジャー初戦「シェブロン選手権」に備える。「2週間空くので、今のショットの調子をしっかり改善して、シェブロンに向かって調整していきたい」。夢のコースを楽しみ尽くし、見据えるのは新たな大舞台だ。(ジョージア州オーガスタ/亀山泰宏)