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池田が今季初勝利、ツアー最年少で10勝目到達! 石川は4位タイで終戦

◇国内男子◇キヤノンオープン 最終日◇戸塚カントリー倶楽部 西コース(神奈川)◇7191ヤード(パー72)

2打差のリードをつけて単独首位からスタートした池田勇太が、1イーグル、3バーディ、2ボギーの「69」で回り、通算17アンダーで節目となるツアー通算10勝目を飾った。26歳9か月16日での10勝到達は、それまで尾崎将司が持っていた27歳8か月5日を抜いてツアー最年少記録を更新。戸塚に詰めかけた大観衆の前で、待望の今季初勝利に花を添えた。

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池田は1打差に詰め寄られて迎えたサンデーバックナイン、13番と16番のパー5でイーグル、バーディとスコアを伸ばし、追いすがる手嶋多一を振り切った。その手嶋は後半、1打差から先に踏み出すことができず最後は力負け。ハン・ジュンゴン(韓国)と並んで通算14アンダーの2位タイに終わり、5シーズンぶりのタイトル獲得は叶わなかった。

池田と同じく今季初勝利とツアー通算10勝目をかけて最終組からスタートした石川遼は、ショットの安定性にかけてボギーが先行する苦しい展開。この日「73」と1つ落とし、通算11アンダーの4位タイに終わった。

池田勇太、ようやくたどり着いた今季初勝利>

「久しぶりの感じ。気持ちよかった」。大ギャラリーを背負って歩いた最終18番。グリーンへ悠然と闊歩すると、次第に勝利の味がよみがえってきた。昨年の「サン・クロレラクラシック」以来となる歓喜の瞬間。今年は8月末から3戦連続2位という悔しさの募る戦いを繰り返してきただけに「長かった。やっと勝ったね。もっと早く勝てるチャンスがあったけれど、逃して、逃して、さらに逃して・・・。いつ復活できるのかなと思っていた。今は安堵感がある」と、じっくりとその味を噛み締めた。

手嶋に、そしてともに通算10勝目を争った石川に追われた最終ラウンド。一時は5番(パー3)で手嶋に並ばれた。だが動じない。7番(パー5)でこの日2つ目のバーディを決めて再び1打差をつけると、最高の見せ場は13番(パー5)。フェアウェイから残り216ヤードの第2打を4番アイアンでピン左1.5メートルにピタリとつけた。「グリーンが砲台だったから、(落ちどころが見えず)あんなに寄っているとは思わなかった」。これを沈めてイーグルを奪取。後続を振り切る、スーパーショット。終わってみれば2位に3打差をつける圧勝劇だった。

昨年は海外メジャー「全英オープン」、「全米プロ」で、日本勢でただ一人決勝ラウンドに進出するなど活躍を見せた一方で、国内ツアー終盤戦は不調の真っ只中にいた。しかし今年は夏場に熊本県で集中合宿を行い、後半戦に向けた基礎体力を向上させた。また、美しいフェードボールは、プロ入り後の池田のショットの代名詞でもあったが、特にティショットではこれまでよりも多くのホールで弾道の高いドローボールを操る新しい姿がある。「自分としては去年より10ヤードくらい伸びている気がする」。その感触は正しい。昨季のドライビングディスタンスは全体52位の278.98ヤードだったが、今季はここまで290.69ヤードで全体26位。ショットの幅は確実にひろがった。

尾崎将司の記録を更新する、最年少での10勝到達。「尊敬するジャンボさんの記録を抜けて嬉しく思う」としたが、「ほっといても、あっちが最年少になる」と、ぶっきらぼうに言った。“あっち”は、もちろん石川のこと。「ちょっとの間だけだよ。俺の記録は」と笑う。しかし試合後、藤田寛之に次いで2位に浮上した賞金ランキングのシートを見ながら「そうなんだよね。俺、賞金王、獲ってないんだよね・・・」と、つぶやいた。1万3000人を越える大観衆の中で手にした勝利は、若大将の次なる目標の道しるべになった。

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