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ナイキクラブ開発秘話 第2話 ヘッドスピードを上げろ「SQシリーズ」

前回好評だった「ナイキ開発秘話シリーズ」。第2話は「SQシリーズ」をお届けする。今回も開発者の川口洋氏に直接インタビューを敢行した。

アベレージゴルファー向けに開発された「サスクワッチ マッハスピード ドライバー」は、簡単にまっすぐ飛ばすことをコンセプトにした。やさしさを追求するためヘッドは460cc。シャローフェースで重心深度が深い設計になっている。この設計だと、弾道の曲がりが少なくなるため、平均飛距離は伸びるが最大飛距離は伸びない。そこで、最大飛距離に関しては空力学を利用してヘッドスピードを上げて飛ばそうという発想が生まれた。

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過去にも空力学に基づいて開発されたヘッドは存在するが、フェースがターゲット方向に向いた時(インパクト付近)でしか考えられておらず、その時間は0.2~0.25秒とごくわずか。さらにフェースがスクエアになるころにはスイングは終っており、すぐにインパクトを迎えてしまう。なので今回の開発チームは、スイングのトップからの切り返し後、ダウンスイング開始時から空気抵抗を減らしてスイングスピードを加速させるヘッドをつくることに注力した。

具体的にどのような設計をしたかというと、ソール部分とヘッド上部の高さを低くすることで、ヘッドから発生する揚力を抑えた。レーシングカーの形状を想像してもらうとわかると思うが、車高を低くして空気の流れを滑らかにすることにより、空気抵抗と揚力を抑えている。今回のヘッドのアイデアはそこからヒントを得ている。

またスイング中、丸い物体であるシャフトは空気抵抗を増加させる渦を巻き込みやすいのだが、ヒール部分にフィン(突起物)をつけることで、空気の渦を切り裂いて抵抗を減らしている。ソール部分の特徴的なデザイン(ディフューザー)も同じような効果があり、空気の流れを滑らかにするものである。実際にテストセンターでヒューマンテストを行ったところ、ヘッドスピードが平均1m/sほどアップし、飛距離では10ヤードほどアップしたというデータがとれている。

近年、ゴルフクラブのルール規制が厳しくなり、開発の発想の転換を余儀なくされている。そんな中、各メーカーはゴルファーのスイングスピードを上げるために、シャフトの長さを変えたり、振りやすさを追求したりとシャフト側に開発のウエイトをおいている。そんな中、ナイキは空力学を基にヘッドをさらに改良してきた。今後この技術は市場ではどのように認知されるのか、楽しみなところだ。

次回は、ナイキ開発秘話 3部作 最終回”第3話 タイガー・ウッズが納得するものを「METHODパター」”乞うご期待!



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