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石川遼

遼、ぶっつけ本番で好発進!“ジャンボ流”新スイングに陶酔

「セガサミーカップ」プロアマ日が行われた水曜日、表彰式終了後に尾崎将司にスイング指導を受ける石川遼の姿があった。冷たい風が吹き抜ける中、1時間にも渡ったジャンボの教え。それは、昨年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」から石川が独自に取り組んできた改造スイングと、逆の意を唱えるものだった。

昨日までの意識は、ボールを左足寄りに置き、フェースを開きながらバックスイングし体の回転で振り抜く。インパクトゾーンを長くする目的で取り組んだスイングだが、「元々は(フェースを)閉じて上げていたので、その名残があった」と思い描くスイングに徹しきれず、「フォロースルーが短く、インパクトゾーンも短くなっていた」と振り返る。尾崎にフェースの開きと短いフォロースルーを指摘され、「バックスイングでフェースを閉じるようにした。インパクトゾーンとフォロースルーが長くなったし、どう考えてもこのスイングの方がいい。これが本当に自分の目指すスイングだと気付いた」と、この時点から新たなスイング改造を心に決めた。

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「新しいスイングを、ぶっつけ本番でコースでもやってみよう」。迎えた初日、10番ティからのオープニングショットは右に曲げ、池に打ち込みボギー発進。12番(パー3)でもボギーを叩くが、石川の決心に揺らぎは無かった。待ち時間ができれば、場所を選ばずクラブを手にスイングチェック。「後半になるにつれて、(取り組んでいるスイングが)できたり、できなかったりになってきた」と身体に馴染み始め、17番で5mを沈め、18番(パー5)では3オン1パットの連続バーディ。後半も3つのバーディを重ね、3アンダーは首位と2打差、10位タイの好発進に繋げた。

新スイングへの手ごたえを最も実感したのは、2番パー3のティショットだ。左からアゲンストの風が吹く中、「これまでは風が強くても高いドローボールを打たざるを得なかったけど、低めのフェードボールであの位置に打てた。打つ前からイメージできたし、今までの自分には無かった感覚」。ボールはグリーン左奥に切られた狭いゾーンのピン左5mに乗り、バーディへと繋げた1打を充実の表情で振り返った。

「僕の中で得られた感触は今年一番。昨日午前までのスイングとはひと味もふた味も違う球の強さや感覚がある。スコア以上に充実感があります」。18時近くのホールアウト後もドライビングレンジでアイアンを打ち込み、「練習していて楽しい」と、その充実ぶりが伝わってくる。「ジャンボさんに教わった今週を、新たなスタートにしていきたい」。新スイングがまだまだ未完成であることを認めながらも、希望に満ちた新たな船出に目を輝かせていた。

2011年 長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント



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