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今季2勝目 有村の心を揺さぶった、外国勢の連勝と全米女子OP

有村智恵が、底力を見せて今季2勝目をマークした。東名CCで行われた「スタンレーレディスゴルフトーナメント」は連日の濃霧により27ホールの短縮競技となり、最終日はインコースの9ホールのみで争われた。首位に1打差の2位タイから出ると、1バーディ、1ボギーで5アンダーをキープ。逆転でツアー通算12勝目を自身初の大会連覇で飾った。

最終18番(パー5)。3メートルのバーディパットがわずかに外れ、ウィニングパットはタップインだった。「終わり方がもう少し、というのが今日の感想」と苦笑いも浮かべながらも、勝利を喜んだ有村。競技成立ギリギリの27ホールの短期決戦で、最終日は“サンデーバックナイン”のみの戦いとなったが「何ホールであろうと、優勝には変わりない」と闘志をむき出しに、頭はクールにして、最後は逃げ切った。

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4月末の「サイバーエージェントレディス」で今季初勝利を挙げてから約2か月半ぶりに手にした2勝目。3試合前の「ニチレイレディス」からは2試合連続2位と、あと一歩が届かない試合が続いたこともあり、待ちに待った勝利でもある。

だが有村は、そんな待望の瞬間を「時間がかかったような気がするのは、厳しい意見があったからこそ。長かった」と表現した。ペースからいえば、シーズン序盤戦を左手首の故障で3試合を欠場しながら、ここまで2勝は決して悪くない。だが胸の奥底には焦りもあった。韓国勢を中心とした外国勢が7週連続で勝利を飾った5月、6月。周囲からの日本人選手への風当たりは週を追うごとに強くなった。自身のようにツアーを引っ張る存在なら、なおさらだった。

「すべてが否定されているような感じがしていた。外国の選手、というか勝っている選手の練習が正しいと思われる」。きちんとトレーニングに励んでも「休んで良いのかな」、「友達とご飯に行っても良いのかな」、そんな懐疑の目を自分に向けていた。だが有村はブレなかった。「(左手首の)ケガのこともある。とにかく自分の思うことをやっていた」と、積み上げてきた実績と過程を信じることしかできなかった。

そんな中、心に火をつけた出来事がもうひとつ。前週の「全米女子オープン」で親交のあるチェ・ナヨン(韓国)がメジャー初制覇を遂げた。出場権を持ちながらも、故障を抱えたシーズンを戦うプランを遂行するべく欠場したが「何で行かなかったんだろう?」とテレビ観戦をしながら思った。それでも、ただでは起きなかった。後悔の思いも抱えながら「確実に成功するというイメージが描けるまで、ショットには入らない」という類のコメントを目にし、それを参考にして、ショット前の新しいルーティンを作り上げ、すぐに結果を残してみせた。

「来年は海外メジャーに出て、アメリカで勝つためには、どうしたら良いかを突き詰めたい」と具体的に次のステップを見据える。霧に包まれた3日間、わずか27ホールの戦いを制した1勝も、これまでの勝利と同じか、それ以上の価値もある。(静岡県裾野市/桂川洋一)

2012年 スタンレーレディスゴルフトーナメント



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