石川遼「僕が今、できることを」(2011年3月)
2012年 プエルトリコオープン
期間:03/08〜03/11 場所:トランプインターナショナルGC(プエルトリコ)
石川遼、3月11日の最終日は喪章をつけてプレー
米国男子ツアー「プエルトリコオープン」に出場中の石川遼は第3ラウンドで「69」をマークし、首位に3打差の通算10アンダーの5位タイとなった。ツアー初優勝のかかる最終日は米国時間3月11日(日)、12時20分にティオフ。東日本大震災からちょうど1年。石川はプレー直前に黙祷をささげ、ウェアに喪章をつけてプレーすることを決めた。
昨年の3月11日、石川は米国本土に滞在中だった。フロリダ州ドラールで行われた「WGCキャデラック選手権」に出場中で、2日目のラウンドを戦う直前、早朝に目を覚ました直後に悲報を耳にした。その日のプレー直後、米国での石川は突如“主役”とされ、マスターズ直前から、義援金活動が世界のゴルフ界から注目を集めた。
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あれから1年。被災地訪問など、現地での支援活動への関わりも持った。「まだ問題は残っているはずだけれど、被災地に行ったときの印象は前を向いて、歩いていこうという方々が多かった。日本人の思いやりは素晴らしいし、世界一だと思っている。この一年で、日本人で本当に良かったと思った。明日が僕らにとっての3月11日です」。
当時と同じように国内で思いを共有することはできないが、待望の初勝利が期待される今大会最終日は、石川にとってもひとつの節目となる。「誰かのために、誰かを勇気付けるためにやるのではない。自分が常にベストなパフォーマンスができるように集中して、その結果、誰かが元気になってくれればスポーツ選手としてはこの上ない幸せです」。自分のゴルフが、復興への力となるかは分からない。けれど何かを伝えたい。ただ今は、自分にできる精一杯のプレーを見せることを約束した。(プエルトリコ・リオグランデ/桂川洋一)