2011年 マスターズ
期間:04/07〜04/10 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
「マスターズ」ローアマの松山英樹が帰国。週末からはボランティア
今季のメジャー第1戦「マスターズ」で日本人史上初のローアマチュアに輝いた東北福祉大2年の松山英樹が13日(水)、成田着の航空機で米国から帰国した。
日本人初のアマチュアとして出場を果たした上に、19歳1か月の日本人史上最年少予選通過記録を樹立した松山。今大会出場した各国アマチュア選手の中では唯一人、決勝ラウンドに進出して27位タイでフィニッシュ。万人の想像を超える歴史的なオーガスタデビューを「すべてが収穫。一番は出場させてもらえたことが収穫でした」と振り返った。
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世界のトッププロとしのぎを削った4日間。「すべてが足りないけれど、パッティングに関してはある程度通用したかもしれない」と手応えもある。ロリー・マキロイ(北アイルランド)やジェイソン・デイ(オーストラリア)ら同世代の若い選手が優勝争いを演じたことにも刺激を受け「早くああやって、上位で戦えるように頑張りたい」と将来への思いはより強くなった。
今後は当面の間、在籍する東北福祉大のある仙台で、今週末からボランティア活動に取り組む方針。東日本大震災で甚大な被害を受けた地元の復興のために学校、ゴルフ部全体で立ち上がる。本格的な練習再開も今月末以降にずれ込む見込みだが、まずは支援活動を優先させる。
松山は今大会直前に、震災の影響を考え一時は出場辞退も考えた。しかし仲間の激励メッセージによって夢舞台に立つことを決意。今回の“偉業”も、周囲に背中を押されなければ成しえなかった。だからこそ胸に秘めた思いは言い知れないものがある。
アマチュアなだけに本来ならマスターズで獲得できたはずの数百万円の賞金は、もちろん手にすることはできない。プロスポーツ選手と比べて支援方法は限られているが、それでも「仙台がどういう状況か分からないけれど、できることをしたい」と言う。東北福祉大の阿部靖彦監督は「松山と『疲れた』という言葉は言わないように約束したんです。我々がそんなことは言えない」と話した。プレーで勇気を届けた次は、被災地で流す汗で恩返しする。