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出場自粛のタイガーに変わる主役は… /2010年米国男子ツアープレビュー

2010年シーズンのアメリカPGAツアーは1月7日(木)、ハワイ・マウイ島で行われる「SBS 選手権」で開幕し、11月の2週目まで続く。賞金ランク対象は46試合が予定されている。4大メジャー大会や5月の「ザ・プレーヤーズ」などの賞金総額がまだ発表になっていないためはっきりとした賞金総額を出すことはできないが、前年度と比べると2試合が減り、1試合新設大会が行われる為、1試合分減ることになる。厳しい経済状況やこれまでイベントの冠スポンサーをしていた自動車業界や金融業界の影響もあり、イベントの名称が変更になるケースがいくつかあるが、実際に試合がキャンセルになったのは2試合。「ビュイックオープン」(ミシガン州デトロイト)とウィスコンシン州ミルウォーキーでの大会(2009年度はUSバンク チャンピオンシップ イン ミルウォーキー)が2010年度のスケジュールから姿を消している。新設大会は7月末に行われるウエストバージニア州開催の「グリーンブライヤークラシック」。賞金総額は600万ドルが予定されている。

2010年はメジャー競技の会場が世界的に有名なコースを舞台で開かれる。6月の「全米オープン」はカリフォルニア州のペブルビーチゴルフリンクス。 ペブルビーチでは1972、1982、1992、2000年に続き5度目の開催。「全英オープン」はスコットランドのセントアンドリュースで行われる。セントアンドリュースでは28度目の開催となるが、なんといっても2010年の「全英オープン」は150周年記念大会となる。

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シーズン46試合をカテゴリー別に分けると、まず「FedExカップ」のプレーオフまでのレギュラーシーズンが37試合、プレーオフは「ザ・ツアー選手権」までの4試合、そしてフォールシリーズが5試合となる。ポイント制で勝者を決める「FedExカップ」も4年目に入り、世界中のゴルフファンにもシステムがやっと定着してきたといえるだろう。プレーオフ4試合の賞金総額は3000万ドル(27億6000万円)、そして「FedExカップ」は総額3500万ドル(約31億5000万円)となっている。ポイントナンバーワンの選手には1000万ドル(約9億2000万円)という高額ボーナスが用意されている。また、10月1週目には欧米対抗戦となる「ライダーカップ」と、賞金ランク対象外となる中国開催の「WGC世界ゴルフ選手権HSBCチャンピオンズ」、マレーシアでの新設大会「アジアパシフィックゴルフクラシック」が秋に開かれる。

タイガー・ウッズがゴルフ活動を無期限で自粛する考えを自身のホームページで表明したのは12月11日。タイガーがフィールドに戻るまでの期間、ツアーを引っ張っていくのは世界ランク2位のフィル・ミケルソンになるのか? または他のメジャーチャンピオンのパドレイグ・ハリントンビジェイ・シンジム・フューリックになるのだろうか? アイルランドのロリー・マキロイが今シーズン米ツアーで正式メンバーとして参戦となる。マキロイは20歳で世界ランクトップ10にランクインという最年少記録を作り、2009年度の最終ランクでは9位まで上昇 している。パワフルな飛距離に加えてスコアメイクのセンスも高い。また、予選会を勝ち上がってきたニューカマーでは日系クウォーターのリッキー・ファウラー(21歳)への期待が高い。プロとして参戦した2戦目では優勝こそできなかったものの、「フライズドットコムオープン」最終日にホールインワンを出してプレーオフまで追い上げる力も見せている。また、ここ近年で力をつけているショーン・オヘアやハンター・メイハンも一気にメジャー優勝まで上れるポテンシャルを秘めている。

米ツアー参戦6年目となる今田竜二は、2009年度は賞金ランク118位と不本意な成績で終わっているだけに開幕からのスタートダッシュに期待したい。2008年度、賞金ランク13位だったときの最終日の平均スコアが「69.40」でツアー6位だったのに対し、2009年度の最終日平均スコアは「71.35」でツアー131位だったのが大きく響いたといえるだろう。4月の「マスターズ」の出場権はまだ持っていないので、4月の1週目までにツアー2勝目を挙げてオーガスタ行きのチケットを手にしてもらいたい。

2009年度の最終世界ランキングで30位となり日本ゴルフツアーの賞金王にも輝いた石川遼は、4大メジャー大会やWGC世界ゴルフ選手権に参加できることになる。他にも第5のメジャー戦と評価される5月の「ザ・プレーヤーズ」やジャック・ニクラウスがホストを務める「ザ・メモリアル」なども参加できる。2009年度は日本で22試合、海外で10試合(団体戦も含む)に参戦した石川遼が、どのような比率で国内と海外の試合に出場してくるかに興味が集まる。

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