2012全英リコー女子オープンの最新ゴルフニュースをお届け

14年シーズン、森田理香子は第3戦の「Ｔポイントレディス」で早々に勝利を飾った。だが、その後のトップ10入りはわずかに1回で、3度の予選落ちも経験して賞金ランキングは13位。トップを極めたものの宿命である高い期待に、残念ながら十分に応えられているとはいえない状況だ。現在の状況を森田本人はどう捉えているのだろう？

―パインハーストで見つかった新たな目標。それまで明確な目標は見つけられていなかった？

去年、１番（賞金女王）を獲っちゃって、今まで１番になりたいって思っていたのが実際にそうなると、シーズンオフも気持ちが乗っていかないし、何を目指して、何をしているんだろうっていう感じでした。そのままシーズンが開幕して、優勝したけど何も嬉しくない。勝ちたいとは思っていたけど、初優勝、２勝目、３勝目の頃に比べると嬉しさは少なかったし、逆に勝ちたい気持ちが少ないのに、なんで勝てたんだろう？って怖かった。今はずっと調子が悪いけど、そういう気持ちでいるから絶対勝てないって自分の中で思っていて、目標もないままにずっと続いている。（全米女子オープンも）最初は行かないつもりだったけど、岡本さんに「絶対良い経験になるから行ってみろ」って言われて、実際行ってすごく良い経験ができて目標もできたから、これから変わってくれると思います。

―今シーズン始め、年間の目標は賞金ランキング５位以内ということでしたね？

それも、岡本さんに言われて「そうしよう」ってなっただけで、自分でこうしたい、こうなりたいっていうのは無かったから。今はアメリカに行って試合に出る、出たいっていう気持ちもないし、とりあえず近い目標が出来たっていうだけ。順位の目標はもともと持っていないし、去年も「上手くなりたい」って、ただそれだけだった。自分にない技術が手に入れば自動的に上に行けると思うし、それをものにしたいと思う。向こう（海外）に行っても通用する選手になりたいとは思うし、いろいろ経験していく中で30歳になったらアメリカに行きたいと思うかもしれないけど、とりあえず今は新しい目標に向かってまっすぐやるだけです。

―今年、いまいち本調子ではないのは、そういったメンタル面が原因でしょうか？

目標もない、気持ちも萎えてる、技術も良くない。どこがいいんだろう？って（苦笑）。去年の今頃は、“やらなきゃ”とか、“やるしかない”っていう感じだったけど、今は色々と周りが見えて、毎日同じ質問をされて、考えることも多くなってきた。すごく考えますね。

―賞金女王となって、マスコミなど周囲の目も変わりましたね。

それはやっぱり違います。でも、自分の中でメディアの人は盛り上げてくれるし、別に苦じゃないんです。ただ、自分に自信が持てていないのに、みんなから凄いんだよって言われても納得できない自分がいて、どこが凄いのかって自分との葛藤が多くなってきた。去年はそんなことはなかったけど、今年はそう思います。

―去年、そういう状態で賞金女王になれたのはなぜだと思いますか？

（横峯）さくらさんが手を抜いてくれたんじゃないですかね（笑）。運も味方してくれたのかもしれないし、技術も精神的にも無いなりに自分なりに頑張ってやっていたから、そのご褒美が来たのかもしれない。まだまだ行けるんじゃないかって背中を押してくれたのかもしれない。もともと自信を持つタイプじゃないし、イケイケでもない。どちらかっていうとネガティブな考えを持っているから、あんまりネガティブになり過ぎないように賞金女王にならせてくれたのかもしれない。良いように考えていこうかなと思っています。

―でも、賞金女王は一生ものですね。

それは本当に思いました。ずっと名前が残るから。私が年をとっても、そういう人いたねって覚えていて貰えるかもしれないので。