【有村智恵インタビュー】昂ぶりも、不安もなく
昨年の米国女子ツアーファイナルQTを上位突破し、同ツアー出場権を掴んだ有村智恵。日本屈指のショットメーカーが、いよいよ世界最高峰の舞台に挑戦する。オフシーズンには、飛距離を伸ばすことよりも自らのストロングポイントをより活かせる調整を続け、クラブセッティングも多くを変更。シーズン開幕に向けて整えてきた詳細を聞く。
<オフシーズンは>
「1月中旬から2月中旬までの一ヶ月、ずっとフロリダにあるレッドベター・アカデミーで調整を続けていました。今年は今までとまったく一緒ではなく、いろいろと変化をつけましたね。まずは、ショートゲームを多めに練習したこと。あとは、上半身のトレーニングを徐々に取り入れたことです。手首がとにかく心配なので、手首に負担がかからないようにすることが目的です。もちろん全てが満足ということではありませんが、今までに比べて、ちょっとゆっくりとしたオフを過ごせました」。
<米国の拠点は>
「オーランドのアカデミーの近くに家を借りて、(オフの)合宿中にはずっとそこにいました。間取りは3LDKで、トレーニングができる施設もあるんです」。
<クラブセッティングについて>
「オフは全てのクラブを試しました。ドライバーとアイアン、52度のウエッジを昨年から替えました。ドライバーはすごく捕まりが良くて、今まで以上に左右のブレがなく、ミスヒットしても真っ直ぐ飛んでくれる。私はアメリカツアーでは飛距離が出ない方なので、ミスヒットしないドライバーが絶対に必要だし、すごく頼りになります。アイアンに一番求めていたのはボールの高さ。今のアイアンはボールが上がりやすくて強さもあって、扱いやすいです。止まって真っ直ぐ飛ぶコントロール性を備えていて、今までとは違う感覚で振ることができます」。
<キャディについて>
「今週(HSBC女子チャンピオンズ)は小田亨さんですが、次戦からは米国ツアーで担いでいるキャディさんにお願いします。今日(26日)初めてお会いしました。顔は以前から知っていましたが、キャディをやってもらうと決まってからは初めてです。名前はマークといって、今週はミッシェル・ウィのキャディをしています。どうなるか分かりませんが、最初の何週間かは試してみたいと思っています」。
<シーズン開幕を前にした気持ちは>
「今週は、ワクワクも不安もどっちもないですね。楽しみではあるんですけど、昂ぶるものがあるわけではなく、だからといって不安があるわけでもなく、淡々としています。すごくマイペースな気分で、今の自分はこういう感じだなって。とても良い精神状態だと思います」。
<今年の年間出場スケジュールは>
「全体的に、だいたいの出場予定試合は決まっていますが、メジャーが出られるかどうか分からないので。でも、だいたい25試合ぐらいになる予定です。マックスで連続4週間、それ以上は出場することなく、お休みを挟む予定です」。
<数字的な目標は>
「特にはありません。その場その場で目標にするものがあるし、もともと私は数字的な目標を決めないので。もちろん、毎試合勝ちたいとは思っていますし、勝つために今の自分がどうすればいいのかを考えて行動しています。それがジャンプアップすることもなく、とにかく地に足をつけて、今の課題をしっかりやっていくことだけを考えています。
とにかくできるだけ皆さんの目につくような結果を出せたらいいな、と思っているし、目の前の結果も大事ですが、自分がアメリカツアーに来て強くなれたなと自分自身も、皆さんにも感じてもらえるように少しずつステップアップしていければいいですね」。