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大逆転の武藤俊憲「勝っちゃいました」

海外から豪華な招待選手がやってくる「ダンロップフェニックストーナメント」。2011年大会を制したのは日本の武藤俊憲だった。日本人選手がこの大会を制するのは、中嶋常幸尾崎将司片山晋呉横尾要、そして昨年の池田勇太に続き6人目となる。

昨年の全米オープンを制したグレーム・マクドウェル(北アイルランド)、先週欧州ツアーで優勝して乗り込んできたゴンサロ・フェルナンデスカスタノ(スペイン)、米ツアーからはリッキー・バーンズ(アメリカ)など多くの招待選手が出場していたが、最終日の武藤のプレーは彼らをも寄せ付けぬ圧倒的な強さだった。

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前半からバーディラッシュで一気に首位に躍り出ると、後半も3つのバーディを奪いコースレコード(99年に丸山茂樹が記録した「61」)を塗り替える勢いだった。最終18番で惜しくもボギーをたたいたが、2位のフェルナンデスカスタノに4打差を付ける圧勝。

この日は強風がコース内を駆け巡ったが、フェニックスでは珍しい海からではなく陸からの強風だった。カスタノは「この風の中で1日8アンダーを出すやつは凄すぎる。とてもじゃないが追いついて行けない」と脱帽。マクドウェルも「武藤は本当にすばらしいゴルフをしたね」と賞賛を浴びせた。

表彰式も終えて優勝インタビューに現れた武藤は「勝っちゃいましたね」と人ごとのよう。「こういうこともあるんですよね。勝ちたいと思うことのほうが多いのですが、そういう時って勝てない。今日みたいに勝てるわけないと思っていたら、勝てちゃうなんて」と続ける。

大会前日には練習場で青木功から90分に渡った熱血指導を受け、早速好スコアをマーク。そして最終日は、多くの選手は風に翻弄されたが、武藤は「この陸からの風なら重くはないので自分にも対応できると思いました。なので、風に逆らうのではなく、流されるのを少しだけ計算して方向性を重視したスイングをしました」と対策を講じた。

フルショットした場合におきる左右へのブレもなく「70%程度で打っていました」というアイアンショットで、この日9個のバーディのうち8回はピンまで2m以内に付けていた。練習日に青木から受けた指導の大半は、スイングについて。「おまえさんの良い時はそんなスイングだったかな。スイングを途中で止めるな、体を使え・・・」。事細かに指導を受けた武藤は、試行錯誤を繰り返すなかで、自分が失いかけていたものを取り戻した。「これは口で説明するのは難しいですし、プロ同士でしか通じないことなので」と口ごもる。

優勝の瞬間、水をかけるために飛行機の時間をずらしてまで残ってくれた谷口徹など先輩や仲間たちには、「凄くうれしいです。青木さんや谷口さんに目をかけていただいているのはありがたいです。おまえ良くやったなって、言ってもらえるように頑張っているんで」と、胸を張って語る。そして「目標としている谷口さんの賞金ランキングも少し見えてきたので、残る2試合も勝てるように頑張ります」と、次は勝ちたい気持ちを持って試合に挑むが、果たして結果は。(宮崎県宮崎市/本橋英治)

2011年 ダンロップフェニックストーナメント



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