2011年 エビアンマスターズ特集
2011年 エビアンマスターズ by Societe Generale
期間:07/21〜07/24 場所:エビアンマスターズGC(フランス)
エビアンマスターズも日本支援に義援金
フランス・エビアンGCに、日本女子プロゴルフ協会会長の小林浩美さんの姿があった。毎年、この時期には各国ツアー関係者が集まっての定例会議が開かれる。今年は2016年オリンピックに向けたロレックスランキングのあり方などが議題にされたという。
そんな小林会長に、大会側からある申し出があった。それは、3月の大震災に対して義援金を送りたいということ。大会スポンサーから寄付を募り、さらに大会期間中に「Evian Masters Loves Japan」というTシャツとバッジを作り、その売り上げ全額を義援金にしたいという内容だ。集まった義援金は、JLPGAが行う「心をひとつに」、および宮里藍、上田桃子、宮里美香が行う「まけるな日本」の両活動に半分ずつ寄付される。
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3日目の競技終了後、贈呈セレモニーが行われた。「Thanks to France! Thanks to Evian!」という小林会長のお礼のスピーチが披露されることは無かったが(セレモニーは写真撮影のみで終わった・・・)、「うれしいです。アメリカツアーでもすぐにブラックリボンをつけていいかと聞いてきてくれたし、エビアンもこんな感じで、みなさんが日本をサポートしてくれています」と、にっこりと笑みを浮かべた。
こういった世界各国からの支援に応える絶好の機会は、当初の予定通り9月第4週に仙台で行われる「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」だろう。現在では男女ツアーを通じて、東北で開催される唯一の試合だ。
「ゴルフ場もグリーンが落ち込んだりしていたのを直したりして、7月からは営業をしていると聞いています。できる中でベストの状態でやることが大切で、これだけ日本は頑張っているんだぞってことを、ぱーっとね(笑)。しっかり世界にアピールしたいですね」と意気込む小林会長。宮里藍、美香、上田桃子らもこの試合への参加を表明しており、一大イベントとなることは必死だ。
一方で、小林会長にとって“寝耳に水”だったというニュースは今大会の2013年のメジャー大会への昇格だ。「おめでたい話ですが、このままだと日本の試合(日本女子プロゴルフ選手権)とガチンコなので、手放しでは喜べない。調整してくれるように申し入れています」。開催時期が9月となり、現状では日本人選手の出場は厳しい。逆に、「ミズノクラシック」の盛り上げや日本でのメジャー大会開催なども、「もちろんその方向でやっていきたい」と、日本から世界への進出も今後の重要項目だと教えてくれた。
そんな中、「エビアンマスターズ」の最終日は宮里藍が首位を走り、トップ10に3人の日本人が入るなど元気がいい。「17人中10人が予選を通ったし、日本人の地力がこういう試合で出ていますよね」と小林会長。男子の全英オープンでは多くの出場枠を持ちながらも活躍できない日本人選手への不満が囁(ささや)かれるが、女子ゴルフ界でそういう声は聞かれない。海外での日本選手の頑張りは、世界の中での日本ツアーの影響力も同時に高めることになっている。(フランス・エビアン/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka