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待ちに待った大物選手が初の予選突破!

国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」は、予選2日間を終えて通算3オーバーまでの60名が予選通過を果たした。その中に、プロ9年目の紫垣綾花(しがきあやか)の名前が入っている。紫垣は、2002年にプロテストに合格したが、その後はほとんどレギュラーツアーに出ることもなく、過去5試合全て予選落ちとなっていた。したがって、この日予選通過が決まったため、最終日に棄権や失格がなければレギュラーツアーでの初賞金を掴むことになる。

紫垣の名を聞いたことがないゴルフファンも多いとは思うが、彼女は熊本県のゴルフブーム火付け役の一人なのだ。不動裕理が2000年から6年連続で賞金女王を獲得し、その後は古閑美保上田桃子有村智恵など熊本出身のプロゴルファーが有名になってきた。一方で、1990年代後半は、坂田信弘が主宰する「坂田塾」が熊本県で生まれ、ジュニアゴルファーのエリートを育ててきた。その一期生として全国に名を轟かせていたのが、成田いづみ、古閑美保、そして紫垣彩花の3人だった。

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中でも紫垣がもっとも長身で、ジュニアとは思えぬ飛距離を武器に多くのジュニアタイトルをつかんできた。ところが、プロテストで最初に受験した2001年に、同期の古閑が受かり、紫垣が失敗してから人生が変わり始めてしまった。武器だったドライバーショットが突如として左に右に曲がりだし、自信まで失ってしまったのだ。

「人前でゴルフをするのが嫌でしたね・・・」当時を振り返る紫垣だが、今になってようやくその時の苦しさを口に出せるようになってきた。「正直、人に会うのも嫌なぐらいでしたから・・・」明るい性格も次第に、人見知りになり下を向いて歩くことが多くなってしまったほどだ。ところが、一昨年、地元の熊本を離れて心機一転、千葉県に移り住んだ紫垣は、一人の明るい女子プロゴルファーと出会う。

それが、今回キャディをしている小山内優代だ。根っから明るい小山内は「彩花の昔を知らないからここまで付き合っていられるのかも」と話す。その理由は、レギュラーツアーに出たい一心で練習に励む自分と同レベルの選手だと思って「檄を飛ばしながら、時には私の運転手扱いで付き合っていますから(笑)」と笑い飛ばす。そんな小山内も紫垣のドライバー飛距離には一目を置いていた。

紫垣の最大の武器、ドライバーショットが見事に復活したのも性格が明るくなったからだと自己分析するが、その他の技術はまだまだ未完成だと言う。この日、横峯さくらと同じ組でラウンドしたが、横峯を20から40、時には50ヤードも置き去りにしたほどだ。しかし、総合的な技術は本人が言うとおり、一流には達していないのかも知れない。それでも今回の予選通過が紫垣の自信回復につながり、再び古閑などと対等に張り合える日が来ることを楽しみにしている。今季の台風の目になるかもしれない存在なので覚えていてもらいたい。(編集部:本橋英治)

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