2013/03/02GDOEYE

“エリートフィールド”で戦う、無名の母国選手

今週、シンガポールで開催されている米国女子ツアー「HSBC女子チャンピオンズ」。出場できるのは、昨シーズンの優勝者や世界ランキング上位20名など限られたトッププレーヤー63名のみ。この“エリートフィールド”の中にあり、世界ランキング対象外ながらシンガポール国籍の選手がただ1人出場している。 クリスタベル・ゴウ、24歳。シンガポールの女子ゴルフ界で初めてプロとなり、2010年から米国の2部ツアーを主戦場としている。今年1月31日に当大会開催コースであるセントーサGCで行われた地区予選会に出場し、トップ通過者に付与される一枠の出場資格を見事に獲得。ゴウが米国女子ツアーに出場するのは、2011年の当...
2012/11/02GDOEYE

たった“3発の試打”から見える信頼関係

今週開催の「ミズノクラシック」で08年、10年と2勝を挙げている申智愛の強さは、今年も健在だ。上空を強風が舞い、「難しいコース状況だった」という初日に4アンダーをマークしての首位タイ発進。11年にミズノと用品契約を結び、ホステスプロとして迎えている一戦でしっかりとその役割をこなしてみせた。 3連続を含む5バーディ、1ボギーというプレー内容もさることながら、その他の部分でもしっかりとホステスぶりを発揮。今週からアイアンを新型モデルの「ミズノ JPX」プロトタイプ、ウエッジ3本も「ミズノ MP-T4」を使用。14番では54度のウエッジでチップインバーディを決め、「やっぱり良いクラブですね」と、ここ...
2012/11/01GDOEYE

単独首位は中国の14歳/アジアパシフィックアマチュア選手権

来年度の「マスターズ」出場権をかけた「アジアパシフィックアマチュア選手権」が1日(木)、タイのアマタスプリングCCで開幕。初日単独首位に立ったのは中国の“天才少年”グァン・ティンラン(関天朗)だ。 先月25日に14歳になったばかりのグァンは、出だしの4ホールで3つバーディを奪取。その後も勢いは止まらず、トータル8つのバーディを積み上げた。最終18番でこの日2つ目のボギーを叩いてフィニッシュしたが、リーダーの座は譲らず。後続に2打差をつけて6アンダーの単独首位に立った。 「最初からプレーに集中していたので、緊張はありませんでした。落ち着いてプレーできたと思います」。あどけなさの残る表情で、英語で...
2012/10/22GDOEYE

マット・クーチャーも絶賛の巨大リゾートミッションヒルズの未来/ワールドセレブリティー・プロアマ

中国ハイナン島にあるミッションヒルズリゾートで開催された「ワールドセレブリティー・プロアマ」最終日。ステーブルフォールド形式で行われているプロゴルファーの個人戦では、マット・クーチャーがトータル84ポイントで首位を守り、優勝賞金100万ドル(約8,000万円)を手にした。 「昨年のワールドカップで優勝した場所なので、今回のイベントに招待されたと聞いたときは本当にうれしかったし、大会が始まることが待ち遠しいくらいだった。昨年は妻を連れてきたけれど、今回は子供も含めて家族で来ることができて本当にうれしい。ここミッションヒルズリゾートは子供が楽しめる施設がたくさんあって、彼らも本当に楽しい時間を過ご...
2012/10/21GDOEYE

キム・ソヒ “夫婦”として掴んだ初勝利

「マスターズGCレディース」で5年ぶりのツアー通算2勝目を手にしたキム・ソヒ。横峯さくらとの一騎打ちにもつれ込んだプレーオフ2ホール目で1.5mのウィニングパットを沈め、キャディでありトレーナーであり、そして最愛の伴侶である朴寅培(パク・インベ)さんと抱き合い喜びを分かち合った。 インベさんは、まだソヒが韓国ツアーでプレーしていた05年からトレーナーとキャディを兼任。ソヒが日本ツアーに本格参戦した07年以降も、迷いなくともに日本に渡った。当時、ソヒは父親を亡くして間もない時期。「父が亡くなってサポートもなかったし、僕が日本でキャディをしようと最初から決めていた」と振り返る。 07年の「SANK...
2012/10/21GDOEYE

逆転優勝の谷口徹「勝因は諦めない気持ち」

「ブリヂストンオープン」の最終日、2番で6mのバーディパットを決めた谷口徹は、右手の拳を力強く握りしめりガッツポーズをみせた。続く3番でもバーディを奪い、この時点で首位スタートの藤田寛之を捕らえた。 スタート直後からガッツポーズを出す谷口は、気合いのこもったプレーを続け12番までに11アンダーとして頭一つ抜け出した。ところが、13番、14番の連続ボギーで再び首位の座を藤田に奪われると「死ぬ気でバーディを奪いにいくしかない」と、さらに気合いを込めて終盤に挑んだ。 16番パー5で10アンダーとした谷口は、首位と1打差で17番パー3を迎えるとティショットは「昨日がキャリーでオーバーしてしまったので、...
2012/10/28GDOEYE

キム・キョンテ、リードを守れず無念の敗退

2010年大会以来の大会制覇へ「マイナビABCチャンピオンシップ」の最終日を2位と1打差の単独首位で迎えたキム・キョンテ(韓国)が、逆転負けを喫してしまった。 2番でバーディを先行し、6番パー5もバーディ。この時点で前日にキョンテ自身が想定した優勝スコア、15アンダーに達していた。しかし、最終日に9バーディ、ノーボギーの「63」でラウンドしたハン・リー(米国)が通算17アンダーで先にホールアウトし、終盤は2打差を追いかける展開に。 最終18番、イーグルを奪えばプレーオフ進出という状況で「力が入ってしまった」と、ティショットを左サイドのバンカーに入れてしまう。続く2打目、「あと2m後ろだったら・...
2012/10/28GDOEYE

斉藤愛璃、今季2千万円突破に安堵

「樋口久子 森永製菓ウイダーレディス」初日を終えた時点で、86位タイと大きく出遅れていた斉藤愛璃。2日目も前半を終えて苦戦が続いていたが、後半の3バーディで一気に盛り返し、48位タイへの急浮上。辛くも予選突破を果たし、最終的に47位タイで3日間の戦いを終えた。約28万円の加算により、今季の通算獲得賞金額は2千万円を突破。それを聞き入れた斉藤は、「あ、越えましたか?」と、表情をパッと華やかせた。 今季の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」を制したことで、優勝したトーナメントから365日以内のツアー出場権、つまりは来季の開幕戦までの出場権を獲得したわけだが、あくまでそこまでの権利。賞金シード(賞金...
2012/11/01GDOEYE

昨季賞金王キム・ジョンドクが好発進も、チャンピオンズツアー断念の憂鬱

国内シニアツアー「富士フイルムシニアチャンピオンシップ」に出場している韓国のキム・ジョンドクが、5バーディ、1ボギーの「68」ラウンドし、3位タイの好発進を切った。 初日は、室田淳、加瀬秀樹と同組でティオフしたキムは、2番でセカンドをピン横2mにつけてバーディを先行させると、続く3番では3m、5番で5mを沈めてスコアボードを駆け上がった。「9番、10番、11番、いずれも3mくらいの距離で決めたかったけど惜しかったな・・・アウトコースはよくてインが入らなかったという感じ」と、復調への光明が見え隠れする状況だ。 昨季は2勝を挙げ、後続に大差をつけて賞金王を戴冠したキムだが、現在ここまでの同ランクは...
2012/10/27GDOEYE

昨年は号泣 服部が挑んだリベンジ

昨年の「樋口久子 森永製菓ウイダーレディス」2日目は、服部真夕にとって悪夢のラウンドとなった。首位タイからスタートしながら「81」とまさかの失速。予選カットラインに2打届かず予選落ちを喫し、アテスト用のテントで号泣。しばらくの間、テントの外に出ることもできなかった。 初日首位から予選落ちを記録したのは、女子ツアーでは3年ぶり7人目。その引き金となったのは、スタートから間もない序盤の3番ホールだった。ティショットを左に引っかけてOBとし、痛恨のダブルボギーから一気に暗転。流れを立て直すことは最後まで叶わぬまま、失意の18ホールを終えた。 1年を経て、再び同じ舞台に戻ってきた今週。14位タイという...
2012/10/27GDOEYE

藤本佳則、ゴルフ漬け生活に“飽きた”!?

国内男子ツアー「マイナビABCチャンピオンシップ」の3日目、グリーンが序々に硬くなり、スピードは前日同様スティンプメーター(ボールの転がる速さを示す)で14.25フィートを記録する高速グリーンに、多くの選手が苦戦を強いられている。 その難セッティングに、8時30分のトップ組でスタートした藤本佳則が、1イーグル、8バーディ、2ボギーのラウンドで8ストローク伸ばして、首位と3打差の10アンダー5位タイに急浮上した。「久しぶりいいゴルフが出来ました。ショットは初日から良かったので、今日はパッティングもかみ合っただけ」と話す。 笑顔を見せながらも好スコアに淡々と話す藤本は「モチベーションが上がらないん...
2012/10/26GDOEYE

奮起、限界・・・若手たちの与える影響

「樋口久子 森永製菓ウイダーレディス」初日に、来季シード権争いの渦中にいる竹末裕美と藤本麻子が、それぞれ5アンダーの首位タイ、4アンダーの3位タイと絶好のスタートを切った。 藤本は昨年の「伊藤園レディス」でツアー初優勝を飾り、さらなる飛躍が期待された今季はしかし、ここまで29試合に出場してトップ10フィニッシュは1回のみ。「けっこう考え過ぎていた」とその原因を挙げるが、自身の中で転機となったのは、ホステスプロとして臨んだ2試合前の「富士通レディース」。不調の中で結果が問われる状況に、「とにかく自分のプレーをしよう」と開き直れたことで、「久しぶりに気持ちとゴルフが噛み合った感じ。私のゴルフはこん...
2012/10/26GDOEYE

宮本勝昌、藤田のぼやきが乗り移った!?

国内男子ツアー「マイナビABCチャンピオンシップ」の2日目、5バーディ、1ボギーと4ストローク伸ばした宮本勝昌は、通算9アンダーの単独2位に浮上した。好成績のため共同記者会見にと声がかかると「いいよ、何もないもん」としぶしぶ姿を現した。 「何もないですよ。ドラマもなく18ホール回って来ました」と話し出す宮本。「ゴルフでピントくるものがないんですよ。今週は2年前のキョンテと石川の戦いで『石川リベンジなるか』でいいんじゃないですか」と、自らを優勝争いに加えることを想定しない。 その話し方は、宮本の兄弟子、藤田寛之が良いスコアを出したときに「なんでいいんですかね。ショットは良くないのに・・・」と、ぼ...
2013/08/19GDOEYE

PGA Tour Rookie / Ryo Ishikawa(11) 完敗

米国PGAツアーの正式メンバーとして本格参戦した2013年。1月に開幕したレギュラーシーズンが「ウィンダム選手権」で幕を閉じた。石川遼の今季戦績は23試合に出場し、トップ10入りが1度、一方で予選落ちが10度。そしてフェデックスカップポイントランキングは141位に終わり、シード獲得に必要な同125位以内の条件を満たせなかった。 2週後に始まる下部ツアー選手との入れ替え戦「ウェブドットコムツアーファイナル」に、シード獲得の希望は残されているが、シーズン当初から目指してきたのはあくまで今大会終了時点でのランキング125位入り。そのラインに遠く及ばなかったのだから完敗だ。 追い詰められていく感覚を、...
2013/08/18GDOEYE

成田を支える父の“数字マジック”

小学6年の時に受けたスポーツテスト。反復横跳びや垂直跳びなど、身体能力を測定するテストでは驚異の満点。水泳、ミニバスケなどをこなし、中学生になって始めたソフトボールは4割以上の打率を誇った。 「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」で通算2勝目をあげた成田美寿々が少女時代に残した、知る人ぞ知る伝説的エピソードだ。 ゴルフは中学生になってから週1回土曜日に、ジュニアスクールへ通うことでスタートした。「うちは、始めたことは途中でやめさせないんです」。成田家の掟があると父・俊弘さんは明かす。だから、土曜日のソフトボールの試合には出られない。しかし、それ以外の曜日の試合では、絶対的なD.H(指名打者)と...
2013/08/23GDOEYE

ひらめきの0.5インチで矢野東が100人抜き

好スコアはゴルファーを饒舌にする。まして、自分のちょっとした“ひらめき”が当たったときはなおさらだ。「関西オープンゴルフ選手権競技」の2日目に、この日のベストスコアとなる7アンダー「65」をマークして通算3アンダーの10位タイに浮上した矢野東が、ホールアウト後、得意気に語り始めた。 「ショットは昨日から良いですね。何が違うって、パッティングが別ものなんですよ。昨日は3パットも4パットもありましたから。それが今日は面白いぐらい入ってくれて」。出場144選手中最下位の35パットで「76」ストロークだった初日から、2日目には25パットで「65」。10パット減らして11ストローク伸ばした計算になる。ち...
2013/08/18GDOEYE

まさかのクラブに落とし“穴” C.ハウエルIIIが失格

ノースカロライナ州のセッジフィールドCCで開催中の米国男子ツアー「ウィンダム選手権」。3日目のスタート直前、チャールズ・ハウエルIIIの名前がリーダーボードから突如消えた。6アンダーの10位タイで決勝ラウンドを迎えたはずだったが、不適合クラブの使用による失格処分を受けた。 問題となったのは2日目に使用していたドライバー。今夏のテーラーメイドの新商品として話題のSLDRは、ネックおよびソール部分にロフト、重心などの調整機能が搭載されているニューモデルで、既に同社契約の多くのプロが実戦で握っている。しかしハウエルは第2ラウンドで、ソール部分のトゥ側にある“カバー”が外れたままプレー。これが「ヘッド...
2013/08/17GDOEYE

カットライン上昇の真相

横峯さくらの予選落ちが注目を集めた「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」2日目。ホールアウトした選手達は、自らの順位やカットラインを確認するため、クラブハウス内にあるスコア速報の前に集まってくる。「またカットラインがアンダーなの!?」ある選手が、呆れたように声を上げた。 11年、12年とカットラインがアンダーパーだったのはそれぞれ2試合で、その4試合すべてが「1アンダー」。だが、今年は開幕戦から1アンダーでカットとなると、今週を含めた直近5試合ではアンダーパーカットが実に4試合。さらにそのうち3試合は「2アンダー」というから、嘆息もさもありなんといったところだ。 永久シード保持者の不動裕理はこ...
2013/08/15GDOEYE

PGA Tour Rookie / Ryo Ishikawa(10) シード奪取危機「覚悟はできている」

15日(木)に開幕する「ウィンダム選手権」は米国男子ツアーの今季レギュラーツアー最終戦。今大会を終えた時点でのフェデックスカップポイントランキング、または賞金ランキングで125位に入れなかったプレーヤー(ポイントランキングで200位まで)は、2週後に始まる下部ツアー選手との4試合にわたる入れ替え戦「ウェブドットコムツアーファイナル」への出場を強いられることになる。 ツアーに本格参戦した今季、石川遼の現在のランキングはともに151位。今週は4位前後の成績を収めれば、逆転シード確定の可能性が出てくる。しかし、崖っぷちに立たされた今、「ほぼ入れ替え戦に出ることを、もう覚悟している」というのが本人の心...
2013/08/16GDOEYE

加瀬秀樹、“解説”で切り開いた新境地

シニアツアーには、トーナメントプレーヤーと別の「顔」を持った選手が少なくない。プロを指導するコーチ業だったり、アマチュアを教えるレッスンプロだったり、はたまたゴルフ場の支配人だったり…。 16日(金)に開幕した国内シニア「ファンケルクラシック」初日、首位と3打差の6位タイと好スタートを切った加瀬秀樹の場合は、バリトンボイスですっかりおなじみになってきたテレビ解説者だ。先週は、男子メジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」で渡米していた。 「ちょっと見て欲しいと言われたからチェックしただけ」と、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いの松山英樹に現地で請われ、アドレスの取り方をアドバイス。「(僕のアドバイスが)はま...