2016/02/23GDOEYE

難解で魅力的?岩田寛の頭の中ってどうなってるの

優勝争いの末に4位となったペブルビーチで、岩田寛は海外メディアから「なぜ、ここで良いプレーができているのか?」という質問に、ぶっきらぼうに「景色がいいから」と答えていた。何度もそう答えるし、確かにラウンド中はよく海を眺めていた。なので、最終日のラウンド後に改めて確認してみた。景色は本当にプレーに好影響を与えていたのか?すると、岩田はいたって真顔でこう答えた。「あれは冗談です」――。 ゴルフはメンタルなスポーツだと言われる。実際、緊張したり、力んだり、集中力が散漫になったりしただけで、思いも寄らぬショットが出ることは経験者なら誰もがご存じだろう。だからこそ、選手の内面をよく知ることは、そのプレー...
2016/02/23GDOEYE

良き人とは?バッバ・ワトソンとフェニックス事件と家族

バッバ・ワトソンにとって、2週間前の「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」は苦い思い出として刻まれている。開幕前日に「このコースは好きじゃない。ここに来ているのはスポンサーのため」と発言し、翌木曜日には詰めかけた大ギャラリーから多くのブーイングを浴びせられた。そして「間違った言葉を使った」と謝罪せざるを得なかった。 真意は、大会やギャラリー批判ではなく、フェアウェイの落下地点が絞られ、飛ばし屋が簡単にバンカーを越せないようになったコース改修への彼流の意見表明だったのだが…。「言葉で伝えるのが得意じゃない」。ワトソンもそのことは自覚している。 「あのことはまだ乗り越えていない。心が痛む...
2016/02/28GDOEYE

アダム・スコットのジョーク 長尺パターをプレゼントした相手は

2016年1月に始まったアンカリング規制。クラブの一部を上半身などに固定して打つことが禁止され、これまで長中尺パターを使っていた選手たちの講じる対策が、いよいよ試されている。規制前にこの打ち方でメジャータイトルを手にした名手の代表格がアダム・スコット(オーストラリア)。2013年のマスターズ王者は、フロリダ州で行われている「ザ・ホンダクラシック」で、通常のシャフト長のパターに戻して以降、初めての勝利をぐっと引き寄せている。 スコットの最後の勝利は2014年5月の「クラウンプラザインビテーショナル」。世界ランク1位で迎えたばかりの大会で、プレーオフでジェイソン・ダフナーを長尺パターで一蹴した。規...
2016/03/02GDOEYE

諸見里しのぶ“休養宣言”の年に迎える今季初戦

昨秋に2016年の“休養宣言”をした諸見里しのぶが、所属先のダイキン工業が主催する今季開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」に推薦で出場する。 昨季は医師から不治と診断された『第四肋軟骨の炎症』が悪化し、賞金ランクはキャリアワーストの81位に低迷。賞金シードを逃し、さらにQT出場も見送り、自ら今季ツアー出場への道筋を絶った。ツアーを一時離脱し、体調回復に専念するためだ。 再び輝くためのチャレンジ。昨年12月初めには、痛みの原因と思われる患部にカテーテルを通す治療を施した。以降2カ月は安静を求められ、ゴルフはもちろんのこと負荷の強いトレーニングも自粛。主に「2、3時間のウォーキング」で体力の低下を...
2016/02/22GDOEYE

ほとばしる集中力 松山英樹の紡ぐ1打

カリフォルニア州にあるリビエラCCで行われた米国男子ツアー「ノーザントラストオープン」の最終日、松山英樹は苦しんでいた。通算9アンダーからスタートしたが、前半だけで2度の3パットを喫し、首位の背中はホールを追うごとにどんどん遠く小さくなっていた。 スタート時の3打差が、前半9ホールを終えて5打差へと広がっていた。折り返した10番は、1Wをグリーン手前まで運び、アプローチはピン手前2mへ。だが、このパットが決まらない。直径108ミリのカップが、この日はゴルフボールのように小さかった。 迎えた11番(583yd/パー5)。松山は1Wのティショットを左へと曲げた。ロープ外のラフまで到達した球は、左前...
2015/10/26GDOEYE

開幕2戦は下部出身選手が連勝 岩田寛の目指す先は

長い、長い、待ち時間。歓喜の時はホールアウトしてからおよそ2時間半後に訪れた。「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」最終日を28位タイで迎えたスマイリー・カウフマン。ルーキーの記念すべき初勝利は、7打差をひっくり返す大逆転で生まれた。 カウフマンはこの日、最終組から15組も前でプレーを開始し、8番(パー3)から4連続バーディを奪うなど中盤に猛烈に勢いづいた。1オン可能なパー4である15番で、ティショットをピンの左5mにつけてイーグル。「16アンダーまでいけばプレーオフに残れる、とキャディと話していたんだ」。15アンダーで迎えた最終18番で6mのバーディパットを決めて渾身のガッツポ...
2015/10/23GDOEYE

イ・ボミが挑む国内ツアー初の2億円超え 韓国での注目度は?

2週間前の「スタンレーレディス」で、国内女子ツアーの年間獲得賞金最高額を塗り替えて、いまだ更新を続けているイ・ボミ(韓国)。現在の目標は2億円の大台で、もし今週の「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」で優勝すれば、賞金2520万円を加算して到達する。 国内での2億円プレーヤーといえば、女子はゼロだが、男子でも1994年、96年の尾崎将司、2001年の伊澤利光、2013年の松山英樹の3人だけ。01年に伊澤が記録した国内最高額2億1793万4583円にも、あと3705万517円と迫っている。 そんな状況もあって、兵庫県のマスターズGCには、韓国のスポーツ紙記者も取材に訪れている。韓...
2015/10/17GDOEYE

上原彩子が国内QT受験を明言 日米“2足のわらじ”に再挑戦

クラブハウス前の列に並んだ多くのファンに一通りサインを済ませると「風が吹かなくても(コースは)長かったぁ」と振り返りながら、安堵の表情を浮かべたのは上原彩子だ。 千葉県の東急セブンハンドレッドCで開催されている「富士通レディース」。米女子ツアーを主戦場とし、スポット参戦している上原は初日「78」、2日目「67」の通算1オーバー25位タイで、今季国内3試合目で初の予選通過を果たした。 初日70位と出遅れ、この日は“裏街道”からスタート。初日の難コンディションから一転、雨風が弱まった2日目を「同伴競技者の良いリズムもあった」とノーボギーでラウンドし、カットラインを大きく上回って決勝ラウンドに進んだ...
2015/10/20GDOEYE

2度目の日本オープン出場 アダム・スコットの残像について

昨年に続き、「日本オープン」2年連続出場を果たしたアダム・スコット(オーストラリア)は、4日間通算5アンダーの7位タイで神戸の街を後にした。一時は世界ランク1位にまで上り詰めた男にとっては納得できる成績ではなかっただろう。帰り際、ちょっぴり寂しそうな表情を浮かべたことが、心に残った未練を感じさせた。 ラフが短く、グリーンも比較的軟らかかった今週は、ピン位置を振ってスコアの際限ない上昇が食い止められた。時には、傾斜の途中にカップが切られたこともあった。硬さとは異なる指標のグリーンスピードは、最終日のスティンプメーターが高速グリーンといえる13フィートを記録した。2011年シーズン序盤に長尺パター...
2015/10/18GDOEYE

「心臓が取れちゃうくらいキツイ」岩田寛のオフと生態

「期待はほとんどない。不安ばかり」。そう言って立った夢の舞台。岩田寛の米ツアーメンバーとしての初戦「フライズドットコムオープン」は無念の予選落ちに終わった。ショットのミスが続いた2日目、課題としているメンタル面での切り替えもうまく行かず、カットラインすらあまり意識できなかった。 日本ではラウンド中にうまくいかないと、悩み、苦しみ、時にキレた。この日は「きょうに関しては技術的な問題」と反省点を説明したが、海を渡っても、すぐに同じ課題に直面した。不甲斐ない内容を許せない自分への厳しさ。それもさっそく、あらわになった。 「異国の地で予選落ちをするとホントにきついんですよ。心臓が取れちゃうくらい」。汗...
2015/10/17GDOEYE

木曜日は“2辛” アダム・スコットはあなたと変わらないかも?

フェアウェイを歩く姿はモデルさながら。スラリと伸びた長身の上に小さな頭を乗せ、サングラスの下には優しい笑顔を隠している。それでいて、ひとたび1Wを握れば300ydを軽々と超えるティショットを放ち、ギャラリーの感嘆を誘う。やはり「日本オープン」に2年連続出場を果たしているアダム・スコット(オーストラリア)の存在感は別格だ。 それは、プロから見ても同じようだ。予選ラウンド2日間を同組で回った池田勇太は言う。「真似できるものがあればと思って見ていたけど、全然なかった。あれに真っ向勝負したらガチャガチャになる」。かつて、同組で回ったスコットにアプローチとパターを褒められたと自慢する谷口徹は「俺にアダム...
2017/03/27GDOEYE

谷原秀人は10年分の進化を経てオーガスタへ 米ツアー再挑戦は?

◇世界選手権シリーズ◇WGCデルテクノロジーズ マッチプレー 最終日(26日)◇オースティンCC(テキサス州)◇7108yd(パー71) 世界のトップランカー64人が出場したサバイバルゲームを、谷原秀人が自身の米ツアー最高位となる4位で終えた。60位だった世界ランキングは50位以内に浮上し、「本戦前週の50位以内」の資格で、2週後の「マスターズ」出場権を勝ち取った。今大会の賞金54万5000ドル(約6012万円)を獲得しただけでなく、今季残りのメジャーチケット、来季の米ツアー参戦にもつながる結果を残してみせた。 4位の結果を受け、谷原は今季出場した米ツアー4試合で、ツアー外メンバーとしての想定...
2017/01/21GDOEYE

試合中のプロに挑戦!9歳アマが“あわや”の一打

◇国内男子◇SMBCシンガポールオープン 2日目(20日)◇セントーサGCセラポンC(シンガポール)◇7398yd(パー71) アダム・スコット(オーストラリア)、池田勇太、ソン・ヨンハン(韓国)の3人が2番(パー3)のティショットを打ち終えた後、続いてティグラウンドに登場したのは9歳のブライドン・リー君だ。ウッドを握り締め、172yd先のピンをめがけて放ったショットは、グリーンをとらえてピンそば6mにぴたり。ギャラリーから歓声が沸き起こり、池田とは嬉しそうにハイタッチ。スコットからサイン入りの手袋をプレゼントされ、得意げなリー君の顔がテレビに大写しとなった。 これは「Beat the Pro...
2017/01/19GDOEYE

ニオイ強烈!プロ根性で身体を張った20歳のドリアン・チャレンジ

◇国内男子◇SMBCシンガポールオープン 事前情報◇セントーサGCセラポンC(シンガポール)◇7398yd(パー71) こんな取り上げられ方は、きっと不本意に違いない。プロ6年目の鍋谷太一は開幕前日、練習場の片隅で大会が企画した"ドリアン・チャレンジ"に挑み、5球以内で数ヤード先に置かれたドリアンに当てるという挑戦に失敗。口いっぱいに強烈な臭いを発するドリアンを頬張る屈辱を味わった――。 弱冠20歳。昨年のファイナルQTを13位で終え、今週は出場順位が下りてくることを期してシンガポール入りしたが、ウェイティングのまま本戦には出られそうにない。前夜は、QTをトップ通過した同い年の星野陸也に関する...
2017/01/20GDOEYE

ミケルソンのブランド? 復帰戦で着たウエアの左胸に“あのシルエット”

◇米国男子◇キャリアビルダーチャレンジ 初日(19日)◇PGAウエスト TPCスタジアムコース 7113yd、PGAウエスト ニクラス・トーナメントコース 7159yd、ラ・キンタCC 7060yd(すべてパー72、カリフォルニア州) フィル・ミケルソンのキャリアの名場面といえば、2004年の「マスターズ」最終日。18番で5mのバーディパットを沈め、両手をオーガスタの空に掲げてグリーン上で大ジャンプ。アーニー・エルス(南アフリカ)を振り切って、メジャー初優勝を飾ったシーンが挙がる。 昨年10月に2016-17年シーズン開幕戦の「セーフウェイオープン」出場後、2度のヘルニア手術に踏み切ったミケル...
2017/01/20GDOEYE

駆け込んだスタジオで… 松村道央が見た“世界の松山”の強さの一端

◇国内男子◇SMBCシンガポールオープン 初日(19日)◇セントーサGCセラポンC(シンガポール)◇7398yd(パー71) 国内5勝を誇る松村道央だが、昨季はツアーデビューとなった2007年以来、初めてトップ10なしのシーズンとなった。「“ここに上げれば入る”というポジションがあったのだけど、そこに上げても入らなくなって…」。松村がぶつかった壁、それはパッティングだった。 これまでは、「谷口(徹)流で“パットは根性で入れろ!”」だったと苦笑いで告白する。師匠の教えは、“確かな技術があった上で、あとは根性”という意味だと受け止めている。だが、その技術という前提が崩れたときに、根性だけではどうす...
2017/01/15GDOEYE

微笑みの国タイで始まったプロゴルファー亀代順哉の旅路

たった1人で訪れたアジアンツアーのファイナルQT(予選会)だったが、4日間72ホールを終えた亀代順哉を祝福する声援は、他のどの選手たちよりも多かったように思う。「なんか、こんなことになっちゃっているんですよね…」。1カ月前の悪夢から一転、微笑みの国タイで自身の新たな進路を切り開いた亀代は、タイ人キャディたちからの熱烈、陽気、そして人懐っこいエールに戸惑ったように照れ笑いした。 昨年11月。この年の日本アマチャンピオンの亀代は、国内男子ツアーのサードQTで失敗して、ファイナルQTに進めなかった。8週連続で試合に出て、サードQT前に1週間のオフを挟んだ。万全のつもりだったが、「逆に意気込み過ぎちゃ...
2016/08/28GDOEYE

苦悩と変化の6カ月半 石川遼、戦線離脱から結婚後の初勝利!

日本ゴルフツアー機構の青木功会長が、表彰式の壇上で石川遼に祝辞を贈った。「きょうは遼のための日になったな。半年以上もゴルフをしないで、やっと出てきて勝った。これから男子ツアーも盛り上がるはず。感謝するよ。ありがとう」 2打差の単独首位から「RIZAP KBCオーガスタゴルフトーナメント」最終日を出た石川が、5バーディ、2ボギーの「69」でプレー。通算15アンダーとして後続との差を5打に広げ、故障から復帰2戦目を圧勝で飾った。しかも、初日から4日間リードを守り切る完全優勝で、まさに石川が主役に立ち続けた4日間だった。 ツアー復帰後の初優勝だったことも、さらに彩を添えた。米国ツアー開催中の2月に急...
2016/08/28GDOEYE

112年ぶりの栄誉 ゴルフの五輪メダルは今週どこに?

米国男子ツアーのポストシーズン、4戦にわたるフェデックスカッププレーオフは「ザ・バークレイズ」で幕を開けた。「リオデジャネイロ五輪」男子競技の2週間後。ジャスティン・ローズ(イングランド)、ヘンリック・ステンソン(スウェーデン)、マット・クーチャーはメダリストとなってから最初の出場試合となった。 スタート前の選手紹介のアナウンス。いつもは出身地に続けて選手の名前がコールされるが、今週ばかりはちょっと違う。メダルを手にした3人には、それぞれ「オリンピックの金(銀・銅)メダリスト!」と付け加えられ、その度に観衆の大歓声を呼んでいる。 3人は、獲得したメダルを今大会が行われているニューヨークに持参し...
2016/09/02GDOEYE

4度の大病にも負けず 7年ぶり“現場復帰”を果たした父の笑顔

2日に北海道美唄市のゴルフ5カントリー美唄コースで開幕した国内女子ツアー「ゴルフ5レディス」で、藤田さいきのキャディを父・健さん(62)が7年ぶりに務めた。「本当はもう死んでいるはず」とまで言わしめるほどの大病を、4度も患ってきた。 「3日間くらいが、ちょうどいいな」と笑う表情には、充実感が漂っていた。4日間大会の2009年のメジャー「日本女子オープン」以来の現場(キャディ)で、心配していた体力面は「意外と、大丈夫でしたよ」と言ってのけた。 病との戦いは2011年から始まった。肝臓(かんぞう)、腸を患い「名医がいると、娘が紹介してくれた」と、北海道大病院で治療に専念した。だが、13年には悪性リ...