2015/06/04GDOEYE

ニクラスの松山英樹評 「ジャンボとアオキを…」

「ザ・メモリアルトーナメント」開幕前日の3日(水)、ディフェンディングチャンピオンの松山英樹を待っていたのは、大会をホストするジャック・ニクラスだった。プロアマ戦、その後のドライビングレンジでの最終調整を終え、松山は会場内で行われたギャラリー向けのレッスン会に参加。“帝王”の手ほどきでファンと交流した。 ドライビングレンジで開催される毎年恒例のゴルフレッスンイベント。スタンドを埋めたギャラリーを前に、マイクを握って司会を務めるのはニクラス本人だ。過去に丸山茂樹や石川遼ら日本人選手たちもこの場に立ったが、松山はまた違う立場で登場した。 4人の参加プロの中で最初に呼ばれた名前。「今シーズンはすでに...
2015/02/25GDOEYE

ウェイティング1番でとんぼ返り 上原彩子1万マイルの旅

先週、オーストラリアでの試合が終了した時点で、上原彩子は今週の「ホンダLPGAタイランド」のウェイティング順位2番目だった。いったん日本に帰国したが、火曜日の朝に沖縄で同1位に繰り上がったという知らせを聞いた。すぐさま飛行機に乗って微笑みの国へと向かう。タイ・チョンブリにあるサイアムCCにたどり着いたのは、大会前日の昼だった。 いったい今、体の中でどんな時を刻んでいるのか? 想像することも難しい。上原の行動を整理すると次の通りだ。 (日曜日)夜にメルボルンを出発 (月曜日)朝、成田空港に到着。バスで羽田空港へと移動。羽田から沖縄へ飛び夕方着。自宅で就寝 (火曜日)朝、ウェイティング1番となった...
2015/02/21GDOEYE

名物キャディーが語るジャン・ハナと申智愛 韓国人選手の違い

昨年の米ツアーQスクールを6位タイで通過したルーキーの22歳ジャン・ハナ(韓国)が、優勝争いに絡んでいる。開幕戦で2位に入り、2戦目は35位タイ。迎えた3戦目の「ISPSハンダ オーストラリア女子オープン」は3日目を終え、首位から4打差の6位につけている。 同じQスクール突破組であるタイのアリヤ・ジュタヌガンも1戦目11位、2戦目2位。今週も首位タイで最終日を迎えていて、ハナをしのぐ快進撃を見せているのだが、まずは独断でハナから紹介したい。 ハナのキャディを務めているのは、申智愛(シン・ジエ、韓国)らのキャディとしても馴染みの深いディーン・ハーディン氏だ。日本ツアーで活躍する元世界女王と、ハナ...
2015/02/20GDOEYE

横峯さくらの予選落ちはニュースか? 否か?

オーストラリアのロイヤルメルボルンGCで行われた「ISPSハンダ オーストラリア女子オープン」2日目の朝、スタートティでのアナウンスが横峯さくらの置かれた現状を象徴していた。「サコラ・ヨコモネ!」苦笑いでティオフしたが、今年がルーキーイヤーで出場は2試合目。まだ、米国女子ツアーでは新参者だ。 午後スタートだった初日に4オーバーの84位と出遅れた横峯はこの日、序盤の2ボギーを後半2つのパー5で取り返して、予選通過圏内で残り4ホールを迎えていた。時間は正午過ぎ。15番で2打目をバンカーに入れてボギーとすると、17番(パー5)では「午前と同じ(グリーンの)硬さで打ってしまった」と3打目をグリーンオー...
2015/02/24GDOEYE

松山的?ルーキー、キム・ヒョージュの大物感

正直、なにから書き始めたら良いのか分からない。今週の「ホンダ LPGAタイランド」で米国女子ツアー今季初戦を迎える米ツアールーキー、キム・ヒョージュ(韓国/19歳)の足跡は、あまりに華々しい。 2012年、アマチュアながら初参加した国内女子ツアー「サントリーレディス」で最終日にツアー最少ストローク記録となる「61」を叩きだして、宮里藍を上回る史上最年少優勝(16歳332日)を達成したことは、みなさんの記憶にも残っていることだろう。同年10月にプロ転向した際には、すぐに韓国を代表する大企業のロッテと契約。その金額は年間2億円とも言われている。 昨年はさらなる成長を見せつけた。韓国ツアーではメジャ...
2015/02/23GDOEYE

デパートの婦人靴売り場からPGAツアー初Vへ

カリフォルニア州のリビエラCCで開催された米国男子ツアー「ノーザントラストオープン」最終日。ツアー3年目のジェームズ・ハーンが三つ巴のプレーオフを制して初勝利を挙げた。4アンダーの7位タイから出て「69」(パー71)をマークし、首位タイでホールアウト。2ホール目、3ホール目で連続バーディを決め、ポール・ケーシー(イングランド)、ダスティン・ジョンソンといった強豪を退けた。 プレーオフ3ホール目の14番(パー3)。8mを沈めてガッツポーズを作った直後、ハーンはジョンソンのバーディパットの間、うつむいて目をつぶっていた。「見られなかったんだ。すごくナーバスになっていて」。ギャラリーの反応で勝ったこ...
2015/02/18GDOEYE

ルーキー横峯の“英語をしゃべらない勇気”

米国女子ツアー・ルーキーの横峯さくらは、今週オーストラリアで行われる「ISPSハンダ オーストラリアン女子オープン」が自身今季2戦目。初戦となったバハマでは予選落ちを喫し、「自分に向き合いきれていなかった」と振り返った。 横峯の話を補足してくれたのは、夫の森川陽太郎氏だ。昨年、夫婦となって初めて一緒に行った海外メジャー「全米女子オープン」で7位タイという好成績をマークした。きっかけとなったのは、自身にプレッシャーをかけ過ぎない、いわゆる“OKラインを下げる”というメンタル術だったが、その中には海外だから陥りやすい罠からの回避も含まれていた。 その罠とは、ずばり英会話だ。海外に行くと、英語を話さ...
2015/02/13GDOEYE

今田竜二 苦境でタッグを組んだ戦友

シード権を落としてから3シーズン目。今田竜二は、置かれたいまの状況を「ゴルフ人生で一番悩んでいる時期」と言う。日本人で4人しかいない米ツアー優勝者のひとりが、主戦場の下部ツアーとレギュラーツアーの少ない出場機会を頼りに、もがき、苦しんでいる。 今年最初の試合となった1月「ソニーオープンinハワイ」で予選落ち。その後2試合出場したウェブドットコムツアーでも決勝ラウンド進出を逃した。迎えた今週、12日(木)に開幕した「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」は、待機選手からの繰り上がりで直前に出場が決定。今田に寄り添って歩くのは、日本ツアーで戦う貞方章男だった。 2人はかつて中学時代に海を渡り、米...
2015/02/19GDOEYE

野村流 パターでフックとスライスを打ち分ける!?

オーストラリアにあるロイヤルメルボルンGCで開幕した米国女子ツアー「ISPSハンダ オーストラリア女子オープン」の初日、今季初戦となる野村敏京は2バーディ、3ボギーの「74」(パー73)で回って33位スタート。「安定したゴルフができた」と笑顔を見せた。 米国女子ツアーはすでに3戦目を迎えているが、野村は「やりたいことがいっぱいあった」と、年明けからの約1カ月をタイ合宿に費やした。合宿では“スイングの力感を抜くこと”と“パット調整”に多くの時間を割いたという。 スイングに関しては「見ても分からないくらいだと思うけど、自分的には70%くらいで振っている」。それでも、飛距離は落ちず、方向性は安定した...
2015/10/08GDOEYE

松山&スコット フォアサムでの使用ボールは?

2年に1度の対抗戦「ザ・プレジデンツカップ」が8日(木)、韓国のジャック・ニクラスGCで開幕した。団体戦の初日はフォアサム形式で争われ、ホームの世界選抜は米国選抜に1-4と負け越してスタートした。 フォアサムはコンビを組む同一チームの2選手が、1つのボールを交互に打つダブルスのマッチプレー。ティショットの順番はあらかじめ決めており、それぞれの選手は第1打を担当するのが、奇数ホールか偶数ホールかで別れている。 この試合形式のひとつの懸念材料が使用するボールにある。ストロークプレーではもちろん、各選手が好むメーカーやブランドのモデルを打つが、フォアサムではコンビでひとつのボールを打ち合う点で異なる...
2015/07/05GDOEYE

将来は設計家?藤田寛之が描く理想のコースとは

4試合ぶりに予選通過を果たした「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」を通算9アンダーの13位で終えた藤田寛之。今週開幕を前に宮本勝昌からショットの手ほどきを受けて、「宮本効果で少しマシだったけど・・・ショットもアプローチもパットも、ここ2年くらい良くないですね」と力なく答えた。 今週を終えて賞金ランク44位と低迷し、今季1勝目が遠い状態。シーズンインも危ぶまれた左肩痛の影響も少なくない。「今は痛くはないけれど、痛かった時にセーブしていたことでバランスが崩れたという見方もある」と話す、46歳の口調は重い。 「46歳だし、もう成績じゃないのかな、という自分もいる...
2015/07/08GDOEYE

ランカスターに3万人 アーミッシュって?

海外メジャー第3戦の「全米女子オープン」が開催されるペンシルバニア州にあるランカスターCCで、まるで時候の挨拶のように交わされている言葉がある。 「アーミッシュ見た?」――である。 アーミッシュとは1693年のスイスを起源とする、ヤコブ・アマンに率いられた伝統的キリスト教を信仰する宗教集団で、近代文明と距離を置く“簡素な生活”がその特徴だ。ここペンシルベニア州には18世紀初頭に多くのアーミッシュが移住してきて、今ではランカスター郡だけでその数は3万人を超えるという。 筆者は見た。それも大勢だ。フィラデルフィア空港から、ランカスターCCまでは車で約1時間半。コースまであと数マイルに迫ったところで...
2015/07/11GDOEYE

大山志保に塩対応 全米女子OPで練ラン拒否の“お役所頭”

今季の海外女子メジャー第3戦「全米女子オープン」の2日目に、6バーディ、2ボギーでこの日ベストの「66」をマークした大山志保が、通算4アンダーの2位に浮上。首位のエイミー・ヤン(韓国)を3打差で追いかけて週末へと挑む。 2009年以来6年ぶり3度目の出場となった大舞台に、父・晃さんも初めて米本土での試合観戦に駆けつけた。怒濤のバーディ奪取でリーダーボードに名前を載せ「幸せですね、最高です」と大山。「この6年間にケガでプレーできなかったり、シード落ちしたりしたから、本当に嬉しい」と笑みがこぼれた。 大山はこの日、ベストショットを2つ挙げた。11番でグリーン奧の逆目のライからロブショットで1.5m...
2015/07/13GDOEYE

笑顔のチカラ チョン・インジが語ったその源泉

「全米女子オープン」期間中のとある昼下がり、メディアダイニングで同席になったのは、地元ランカスターのテレビ局で働いているというご婦人だった。ここぞとばかりに気になっていたことを聞いてみた。 「アーミッシュって、自分のような外部の人間を受け入れてくれるんですかね?」 大会明けの月曜日、あわよくば異文化生活を送るアーミッシュと触れ合ってみたいと思い、情報収集を試みたのだ。「うーん」と、そのご婦人はちょっと困ったような顔をした。「基本的には閉鎖的な人たちだけど、一部の人たちはお店をやったりしているから…。でもね」と言って、こちらを見て満面の笑顔を見せた。「スマイルが大切ね。スマイルは、ユニバーサルジ...
2015/07/10GDOEYE

母不在の初遠征 鈴木愛の得意料理は?

ペンシルバニア州にあるランカスターCCで開幕した海外メジャー第3戦「全米女子オープン」は、鈴木愛にとって初めてのメジャーであり、母親が帯同しない初めての試合でもある。 今週はコース近くの一軒家にキャディ、トレーナー、コーチとともに滞在し、洗濯や食事の支度も鈴木自身が行っている。開幕前夜は、豆腐やお揚げ、鶏つみれなどを入れた味噌鍋を作り、締めはうどん。その前の日は豚肉のショウガ焼き。これを、鈴木がチームのみんなに振る舞ったという。 コーチの南秀樹氏は「手際もいいし、めちゃくちゃおいしい」とべた褒めする。小さい頃から、食べたいものは自分で作ってきたという鈴木の得意料理は焼きそばで、好きな食べ物は鍋...
2015/07/03GDOEYE

アメリカンドリーム?ホールインワンでファンに現金大盤振る舞い

メディアセンターに、この日2度目のホールインワンを告げる放送が流れた。「ジャスティン・トーマスが18番でホールインワンを達成。今回は1人当たり500ドル!」そして、続けた。「メディアセンターを18番に移そうか?」 ウェストバージニア州にあるオールドホワイトTPCを舞台に行われている「ザ・グリーンブライアークラシック」では、水曜日のプロアマ日から日曜日まで、18番(パー3)でのホールインワンに特別な賞金が懸けられている。 その名も「ホールインワン・ファン・ジャックポット」。対象となる日に18番でホールインワンが達成されると、同ホールのギャラリースタンドと芝生の観戦エリアにいた人に1人ずつ賞金が渡...
2015/07/04GDOEYE

年間ツアー最多の3パットが生まれたグリーンって?

PGAツアーには様々なデータが用意されているが、その中で一風変わったものをご紹介しよう。昨年1年間で、最多の3パットが生まれたグリーンはどこ?答えは今週「ザ・グリーンブライアークラシック」が開催されているオールドホワイトTPCの3番(パー3)で、その数は41個だった。 ちなみに、2位は「全米オープン」が開催されたパインハーストNo.2の6番(パー3)で39個、3位は「ウェルズファーゴ選手権」が開催されたクエイルホロークラブの7番(パー5)の34個と続いていく。 いったいどんなグリーンなのか?初めて実物を目にしたときの感想は「さもありなん」だ。 縦幅63ydと長く、その真ん中を深い谷が横切ってい...
2015/04/01GDOEYE

夢はオリンピック アラブ人初の女子プロゴルファーの挑戦

北アフリカにあるモロッコのアガディールで行われた欧州女子ツアー「ラーラ・メリヤムカップ」土曜日の午後、彼女は黙々とパッティング練習を繰り返していた。予選通過にはあと1打及ばなかったが、こうして今日も会場に姿を現した。 モロッコ人としてだけでなく、アラブ人として初の女子プロゴルファーとなったマハ・ハディウィ、27歳。深くかぶったナイキのキャップと鮮やかな蛍光シャツから伸びる浅黒い手足が印象的だ。パッティンググリーンの脇では、ヒジャブで髪を隠した地元女性が次々と、少し緊張した面持ちで彼女のキャディバックとの記念撮影に興じている。 目標とする選手は?と聞いた。「退屈な答えだと思うけど、タイガー・ウッ...
2015/03/31GDOEYE

産休明けの茂木宏美が3位 ママさんVなら「成長戦略」に乗る?

3月27日~29日に開催された「アクサレディス in MIYAZAKI」(宮崎・UMKCC)では、“産休明け”の茂木宏美が1打差で優勝こそ逃したが、3位タイに入る健闘を見せた。もともとツアー6勝を誇る37歳の実力者だが、昨年6月にツアー復帰してから1年足らずでの復調は、国内女子ツアーに「女性の職場」としてスポットライトを当てるきっかけにもなりそうだ。 2010年に元スノーボード選手の窪田大輔さんと結婚した茂木は、その後もプレーを続け、11年5月に「ヨネックスレディス」、13年5月には国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」を優勝。同年8月に妊娠を発表し、妊娠7カ月目の...
2015/03/28GDOEYE

岩田寛 欧州でシャイボーイは通用したか?

プレーしている本人も大きなショックを受けたに違いないが、それは見ている方も同じだった。欧州ツアー「ハッサンIIトロフィー」初日に、岩田寛が1ホールを残して棄権した。なぜあと1ホールできなかったのか?なぜ翌日プレーできなかったのか?首痛はあったに違いないが、1ホール残して辞めた意味は決して小さくはないと思う。 振り返れば、プロアマ戦から兆候はあった。練習日から吹き付けた強風は、日本では競技中止になるのでは?と思われるほど。ただでさえ、大きなうねりを持ち、狙う幅の限られたグリーンを捉えるのは難しいが、それに強風が加われば、“綺麗なゴルフ”をすることはほぼ不可能だ。とはいえ、プロアマ戦でともに回った...