2014/03/17GDOEYE

逆転Vの一ノ瀬優希 自分を貫いた勇気

前日までの強風が嘘のように穏やかに凪いだ「ヨコハマタイヤPRGRレディス」最終日。最終組の3組前で一ノ瀬優希は、斉藤愛璃、アマチュアの森田遙(高松中央高2年)とともに首位との2打差を追ってティオフした。 2番ホールは170ヤードの谷越えとなるパー3。左からの風に流されてボギーとした一ノ瀬に対して、17歳のアマチュアは鮮やかなストレートボールでピン下1.5メートルにつけてバーディ奪取した。森田に史上4人目となるアマチュア優勝の快挙を期待するギャラリーたちがホールを進めるごとにざわつき始める。そんな中でも、一ノ瀬は「自分は自分」と冷静だった。 思い出されるのは今年2月。米国アリゾナ州で開催された米...
2014/04/27GDOEYE

急造タッグで今季初勝利 名参謀が後押しした決断

勝負を決めた「守りのジャッジ」に2人は胸を張った。兵庫県・山の原ゴルフクラブで行われた国内男子ツアー「つるやオープンゴルフトーナメント」。藤田寛之はツアーきっての参謀の後押しを受け、最終日の大混戦、そしてパク・サンヒョン(韓国)とのプレーオフを勝ち抜いて今季初勝利を飾った。 昨季までに通算15勝を挙げてきた藤田と、数々の名選手のキャディバッグを担ぎ、通算20勝をアシストしてきた清水重憲キャディ。互いのキャリアで初めてタッグを組んだ今大会のハイライトは「73ホール目」にあった。 最終日、15番からの2連続バーディで通算13アンダーとして、先にホールアウトしていたパクに並んだ藤田。17番(パー5)...
2014/03/31GDOEYE

“地産地消” ゴルフトーナメントを利用した新しいおもてなし

宮崎県で開催された国内女子ツアー「アクサレディス in MIYAZAKI」は、渡邉彩香が大逆転でツアー初優勝を飾り、華々しく幕を閉じた。開催2度目となる今年は、2日目の悪天候の影響を受け、3日間のギャラリー数は10,847名(昨対比85.5%/12,677名)と昨年を割ったものの、地元出身のアマチュア・柏原明日架が日本人最年少優勝のチャンスを掴んだこともあり、最終日は多くのギャラリーが会場に詰めかけた。 「アクサレディス in MIYAZAKI」は、トーナメントの経済効果を確実に地域経済に還元する“地産地消”が売りの大会だ。“地産地消”、あまり聞き慣れない言葉だが、地域生産・地域消費の略語で、...
2013/12/08GDOEYE

感涙の宮里藍「プロとして、兄として尊敬します」

渾身のガッツポーズは、背中越しに見ていた。最終18番、宮里優作のグリーン右サイドからのアプローチがカップに沈むと、その飛球線の後方で宮里藍は大きな瞳を見開いて、叫んだ。両手で顔を覆い、人目もはばからずむせび泣いた。 2013年の最終戦「日本シリーズJTカップ」で掴んだ、プロ転向11年目で掴んだ宮里家の二男の初勝利。「あれだけの重圧がかかる中で、ボギーでも、ダボでもいいと思っていたけれど…カッコよかった」。数々のドラマを生んできた東京よみうりCCでのチップインパーフィニッシュに、妹も痺れるほかなかった。 父・優コーチの教えを受け、沖縄で伸びやかに育った宮里3兄妹。中でもアマチュア時代に突出した実...
2013/06/21GDOEYE

PGA Tour Rookie / Ryo Ishikawa(9) 「65」の巻き返し実らず予選落ち 石川遼のパター事情

茨城県の宍戸ヒルズカントリークラブ 西コースで開催中の国内男子ツアー「日本ゴルフツアー選手権 Shishido Hills」2日目。石川遼が奇跡の予選通過を逃した。初日「80」の大叩きで8オーバーの124位タイから出ると、序盤からバーディを重ねて猛チャージ。しかし8バーディ、1ボギーの「65」をマークしながらも通算1オーバーの72位タイでカットラインに2ストローク及ばなかった。 出だしの1番から2連続バーディ。絶好の滑り出しを見せた石川はこの2日目、多彩かつ精度の高いショットでバーディチャンスを演出し続けた。10番までに6バーディを奪取。初日最下位からの決勝ラウンド進出への光は、ホールを追うご...
2013/06/20GDOEYE

寝坊が奏功!? 浅地洋祐が2位タイ発進

国内男子ツアー「日本ゴルフツアー選手権」が開催されている宍戸ヒルズCCは、1番をスタートすると18番までクラブハウスに戻って来られないレイアウトになっているため、126名の出場選手が全て1番からスタートするワンウェイ方式が採用されている。従って、トップ組は6時30分スタートと通常の試合に比べると早い。 第6組、7時15分にスタートした浅地洋祐は、濃いピンクのシャツに薄いピンクのパンツ姿で登場した。前半に2つ、そして後半にも3つのバーディを奪い5アンダーの好スコアをマーク。首位と2打差の2位タイに入り、爽やかな笑顔でクラブハウスに戻った。 すると、照れ笑いを浮かべて「今日は寝坊しちゃいまして・・...
2013/05/16GDOEYE

深堀圭一郎「2度目の花を咲かせたい」

深堀圭一郎にとって、昨年栃木県の烏山城カントリークラブで行われた「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」はキャリアの中でも大きな意味のある一戦だった。 左足底の故障から、シード権を逃した2011年シーズンの多くを治療とリハビリに充て、翌12年は選手生活で一度だけ行使できる「生涯獲得賞金25位以内」の権利でツアーに復帰。そして同大会で、優勝した谷口徹に1打が届かなかったが、2位でフィニッシュする快進撃を披露した。敗れた悔しさものぞかせつつも、「やっとここに戻ってこられた」と涙を流したシーンが多くのファンの胸を打った。 そして今年、44歳になった深堀はまた、この日本プロ日清カップで好スタ...
2013/04/28GDOEYE

23年ぶりのホールインワン賞は・・・800万円!

「フジサンケイレディスクラシック」の舞台、川奈ホテルGCの名物ホールといえば、ティグラウンドからグリーン面まで7メートル以上の高低差がある砲台グリーンの17番パー3。当コースでも最高峰の難度を誇るこのホールで、最終日に23年ぶりの快挙が生まれた。 下川めぐみが、今年の「アクサレディス」に続き自身2度目のホールインワンを達成。驚くべきは、17番にかけられたホールインワン賞の賞金額だ。今大会でかけられている元々の賞金額は100万円ながら、1985年からは未達成の時点で100万円ずつ翌年へと繰り越され、上限は800万円に設定された。1990年大会でコウ・ゲッキンが(当時のコースはファイブハンドレッド...
2012/11/30GDOEYE

師匠に続き、弟子も完敗・・・武藤俊憲「僕の手に負える人ではない」

東京よみうりカントリークラブで開催中の国内男子ツアー「ゴルフ日本シリーズJTカップ」は2日目、藤田寛之が後続に5打差をつけて単独トップをキープした。初の賞金王戴冠、そして大会史上初の3連覇へ向け、磐石の態勢を整えている。 シーズンの各大会優勝者と国内賞金ランキング25位以内の選手が集結する最終戦は予選落ちが無く、全選手が4日間をプレー。2日間同じペアリングで回る通常の予選ラウンドは無く、2日目から成績順に組み替えが行われる試合だ。初日は賞金ランキングの下位からトップスタートを切り、最終組には賞金ランクトップ3の選手が入る。その第1ラウンドではランキング2位の谷口徹が、「61」を叩き出した藤田に...
2012/12/02GDOEYE

遅れてきた賞金王・藤田寛之 中年の星から日本ツアーの星へ

国内男子ツアー今季最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」最終日。東京よみうりCCの18番グリーンに上がってきた藤田寛之は、360度から響く万雷の拍手で迎えられた。大会史上初の3連覇、そして賞金王戴冠。「未知の世界」と言い続けて来た景色が、確かにここにあった。 大会レコードに並ぶ「61」を叩き出した初日から、後続を振り返ることなくゴールテープを切った。3日目までに後続に6打差をつける独走。最終日も前半のうちに3つスコアを伸ばして勝負を決めた。3連覇、マネーキング、そして最大の目標である年度末の世界ランキング50位以内の確保。圧倒的な強さを示して、すべてを手に入れた。 近年の日本ツアーで旋風を巻き...
2012/12/01GDOEYE

藤田寛之が石川遼を越えた日

国内男子ツアーで43歳にして初の賞金王獲得間近となった藤田寛之。そして大会2日目にスコアを伸ばし3位タイに浮上した石川遼がそろって最終組でラウンドすることもあり、「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の3日目は多くのギャラリーが東京よみうりCCに駆けつけた。 最終組のティオフ順は石川、ハン・リー(アメリカ)、藤田。石川の名前が読み上げられると、満席となったギャラリースタンドはもちろん、コースのロープ際に並んだ多くのファンから歓声があがった。そして、トーナメントリーダーとして最後にティグラウンドに立った藤田の名前が呼ばれた時、石川の時よりも多くの歓声が会場内に響いた。 試合をリードする選手を称えるのは...
2014/04/26GDOEYE

初勝利へ!単独首位の重永亜斗夢 自信「無いです」

兵庫県の山の原ゴルフクラブ 山の原コースで開催中の「つるやオープンゴルフトーナメント」。通算11アンダーの単独首位で3日目を終えた重永亜斗夢は、夢見心地で18番グリーンから降りた。昨年末の最終予選会をトップで通過した25歳。2位のマイケル・ヘンドリー(オーストラリア)に1打差をつけ、ツアー初勝利に王手をかけた1日だった。 上位に名を連ねる片山も、藤田寛之も、不満と余裕を持って終えたムービングデー。無欲の25歳は、その反面「3日目のこのプレーは大きいです」と精一杯、胸を張った。ショットの状態は決して良くない中で、8番までに3バーディを稼ぎ「68」でリーダーボードの最上段を譲らなかった土曜日。「問...
2014/04/25GDOEYE

重永亜斗夢「十万馬力」が出ない理由

「ほっそいなあ~」。背中越しに聞こえたギャラリーのつぶやきに、胸に突き刺さる思いがした。そんなの俺だって分かってる。でも・・・ 兵庫県の山の原ゴルフクラブ 山の原コースで開催中の国内男子ツアー「つるやオープンゴルフトーナメント」2日目。重永亜斗夢が5バーディ、ノーボギーの「66」(パー71)をマークして、片山晋呉と並び通算8アンダーの首位で決勝ラウンドに進んだ。 昨年度の最終予選会をトップで通過した25歳は、この日3アンダーの8位でスタート。インから出て3つのパー5をすべてバーディとすると、最終9番では残り206ヤードの第2打で、強い左足下がりのライから6番アイアンを強振。ボールはグリーン手前...
2013/11/15GDOEYE

また相性の悪いグリーンで…池田勇太が12位浮上

静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで開催されている国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」。上位陣がバーディ合戦を繰り広げる中、2日目のベストスコアをマークしたのは池田勇太だった。初日1オーバーの52位タイと出遅れていたが、7バーディ、1ボギーの「66」を叩き出し、通算5アンダーの12位タイに急浮上した。 年間スケジュールの中で、池田には「苦手、いや嫌い」とまで言ってはばからないコースのグリーンがある。ひとつは「マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント」の舞台、ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)。そしてもうひとつがここ御殿場だ。キャリアにおける結果にも反映されていて、これまでの最高...
2013/11/01GDOEYE

高速グリーン攻略のカギ “河井タッチ”ってなんだ?

「マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント」の舞台であるABCゴルフ倶楽部は、国内ツアーでも屈指の高速グリーンが選手たちを待ち受けている。今年も開幕前の天候にも恵まれ、初日にはスティンプメーターで海外メジャーにも匹敵する14フィートを記録。一方でコンパクションは23~23.5と平均並みで“ショットが止まり、パットが止まらない”戦いの場だ。 アマチュアプレーヤーを相手にする一般営業日は9~10フィートという遅い設定の日もあり、トーナメントの前週から急激にスピードアップするそう。とはいえ、普段の丁寧なメンテナンスが、年に一度の舞台でものをいう。同倶楽部のグリーンキーパー、濱崎健二さんによ...
2013/09/05GDOEYE

雨対策のローカルルールに女子プロたちは???

国内女子ツアー「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」は6日(金)に、北海道美唄市のアルペンGC美唄コースで開幕を迎える。コース周辺は地元の人が「1ヶ月近く天気予報で晴れマークが出ていなかった」と嘆く異常気象で、今週も雨が断続的に降る悪コンディション。大会ルールをつかさどる日本女子プロゴルフ協会は5日、特別措置のローカルルールを「2度」、選手たちに説明した。 今回の特別措置は、長期間の降雨により、コース内に水が浮いた状態の箇所が多く存在するため適用されるもの。協会派遣の競技委員が、練習日から5日のプロアマ戦序盤のプレーで、選手たちのドライバーでのティショットがフェアウェイに埋まってしまう状態...
2013/10/18GDOEYE

片山晋呉にリベンジだ!満身創痍の星野英正

国内男子メジャーの今季第3戦「日本オープンゴルフ選手権競技」2日目。星野英正はホールアウトするなり、トレーナーのもとへと駆け寄った。ブレスレットの下にテーピングを施した左手首をおさえながら、クラブハウスへと向かう。開幕前の火曜日、練習場の逆目の芝にクラブを打ち込んだ際に、激痛が走ったという。 前週には左足の親指に捻られているような痛みを覚えた。地面を噛む機能性を重視して5本指ソックスを愛用するが、それがフィットしていないわけではないらしい。プレー中も、しびれが止まらないが、原因はどうもはっきりしていない。 そんな満身創痍で迎えたこのメジャーで、2日間を「70-69」といずれもアンダーパーでまと...
2013/10/03GDOEYE

塚田陽亮、苦手意識が奏功した好スコア

今季の男子ツアー開幕戦を制した塚田好宣ではなく、塚田陽亮(つかだ・ようすけ)という選手をご存じだろうか。2008年にプロ転向を果たし、5年目を迎えるプロに対して失礼な言い方かもしれない。しかし“塚田プロ”と声をかけられると、当の本人が「自分は陽亮ですよ。好宣プロじゃないですよ」と笑顔で答え、ファンとの積極的なコミュニケーションで自ら売出し中だ。 5バーディ3ボギーの2アンダーでラウンドし、首位と2打差の4位タイにつけた「コカ・コーラ東海クラシック」の初日は、「早く多くの方に覚えてもらわなきゃ」とアピールにも熱が入った。生まれは長野県だが、中学校はゴルフを習うために群馬県に移り住み、中学3年生の...
2013/07/21GDOEYE

吉田が慕う、先輩・表純子への賛辞

茨城県イーグルポイントゴルフクラブで開催された「サマンサタバサ・ガールズコレクション レディーストーナメントの最終日、5打差を追いかけてスタートした吉田弓美子と、2日間、首位独走の表純子の一騎打ちは、吉田がプレーオフを制した大逆転劇で幕を閉じた。 初日からつかず離れずの位置で、憧れの先輩と慕う表の背を追いかけていた吉田。表は初日には自己ベストスコアをマークする「63」、続く2日目に通算16アンダーと伸ばし、日本人選手として2日間の最少スコアを1打縮める記録更新と、爆発的なバーディ量産で首位を独走した。そして迎えた最終日、再び大好きな先輩と、最終組でラウンドできる幸せを感じながらも、表の圧巻のゴ...
2014/03/07GDOEYE

変身!申智愛がリニューアルして日本へ

国内女子ツアーの2014年開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」が7日(金)、沖縄県の琉球GCで開幕した。シーズンオフにトレーニングや練習を重ねた成果を発揮すべく、多くの選手が目を輝かせて初日を迎えた。 その中に、ひときわパッチリとした目でプレーしていたのは、今季から日本ツアーへの専念を決めた申智愛(韓国)だ。日本ツアーには2008年から参戦して4勝をマーク。これまでは主戦場とする米国ツアーの空き週などをぬってのスポット参戦だったが、今季は「日本での戦いに専念したい」と米国ツアーのシード権を放棄し、シーズン開幕戦からの来日となった。 申といえば、細めの目が隠れてしまうほどの愛嬌ある笑顔が魅力的だ...