2012/09/23GDOEYE

「私は恵まれている」 森田を支える仲間たち

「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」最終日に2年ぶりの勝利で流した涙は、師匠の岡本綾子をはじめ、同門の服部真夕や表純子ら、仲間たちへの感謝の涙。「みんなに迷惑をかけて、すごく心配をかけて・・・。すいません、と言いたい」。 はにかんだ表情で、森田は言う。「パットが入らない時は、みんなに見てもらったり。(同門では)一番(年齢が)下だから、甘やかしてもらっています」。今週も、開幕前にパットのアドレスの向きを表に指摘されてから復調。2日目にトーナメントレコード「64」をマークし、優勝争いに名乗りを挙げる一因となっていた。 “甘え”といっても、ショットやパットで悩んだ時にアレコレ聞き回るわけではない...
2012/09/22GDOEYE

フォン、悪化をたどる日中関係を憂う

ディフェンディングチャンピオンとして「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント」に出場している、中国出身のフォン・シャンシャン。初日は首位に1打差の3位タイと好発進。2日目は10位タイに後退したものの上位に踏みとどまり、今年も昨年と同様、逆転優勝への雰囲気を漂わせて最終日を迎える。 初日は、東北高校出身の有村智恵と木戸愛という注目組を回り、2日目は最終組から1つ前をラウンド。いずれも多くのギャラリーに囲まれてのプレーとなったが、やはり心のどこかで思ってしまうのは、現在、悪化の一途を辿っている日中関係に絡むこと。その余波はスポーツ界にも影を落としており、サッカー、卓球、バドミントン...
2012/09/18GDOEYE

宮里美香に学ぶゴルフメンタル

申智愛の鮮やかな優勝で幕を閉じた2012年の「全英リコー女子オープン」。これで今年の4大メジャー大会が終了したが、振り返ってみると「クラフトナビスコ選手権」はユ・スンヨン(韓国)、「ウェグマンズLPGA選手権」はフォン・シャンシャン(中国)、「全米女子オープン」はチェ・ナヨン(韓国)、そして今回の申智愛(韓国)とアジア勢がメジャータイトルを総なめした。これは、昨年の「クラフトナビスコ選手権」をステーシー・ルイスが制したのを最後にしてから、実に7大会連続での出来事だ。 このアジアの波に乗って、日本勢も1977年に全米女子プロを制した樋口久子以来のメジャー優勝を達成したいところ。その有力候補の一人...
2012/09/16GDOEYE

安定感抜群の全美貞、まさかの自滅

国内女子ツアー「マンシングウェアレディース東海クラシック」の初日に8アンダーをマークして単独首位に立った全美貞(韓国)は、2日目も3ストローク伸ばして通算11アンダー、2位に3打差で最終日を迎えた。 「このコースは良いイメージしかないですね」と笑顔で話していた全。最終日はスタートから2ホール目までは余裕の表情も見られたが、3番以降は一変してしまった。1番で2打目をピン手前1mにつけてバーディを先行させたが、3番パー5は約110ヤードの3打目をキャリーでグリーンオーバー。深いラフに捕まり、4打目はグリーンの反対側にオーバーしボギーをたたいた。 前日のラウンド後「アイアンの距離感が合わなくてチャン...
2012/09/16GDOEYE

10年分の成長を込めた一打 藤田寛之が輪厚で初勝利!

2002年の「全日空オープン」(現ANAオープンゴルフトーナメント)は日本ゴルフ界の歴史に1ページが刻まれた一戦だった。尾崎将司が55歳7か月29日で勝利を飾り、ツアー史上最年長優勝記録を樹立。そして当時、優勝争いを演じた相手は若かりし日の藤田寛之だった。 札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コースの名物ホールは左ドッグレッグの17番パー5。ティショットをフェアウェイに置くと、左サイドの林越えの2オンのチャンスが生まれる。2002年当時、ジャンボと同スコアでこの17番を迎えた藤田は、セカンド地点で3番ウッドを持ち、グリーンを狙った。しかしボールは木々の上を越えず、林の中へ。痛恨のボギーを叩いて後退し、ジャン...
2012/09/15GDOEYE

千差万別、悪コンディションの受け止め方

強風のためにキャンセルされた「全英リコー女子オープン」2日目。アウト・イン両方からスタートしたこの日だったが、イン・スタートの第1組では、スーザン・ペターセン(ノルウェー)、クリスティ・カー、原江里菜の3選手が回っていた。 スタートしてすぐに「こんなコンディションではできない」「ティに乗せた球が動く」「風が強すぎて打った球が戻ってきた」と、原以外の2選手が執拗(しつよう)に競技委員にアピール。計6回の主張の末に、最後は唯一カップの風上に止まっていた原に球を置かせ、それが風で動いたのを見せて、ようやく彼女らの主張が受け入れられた。 その結果、途中まで行われていたプレーはすべてキャンセルとなり、明...
2012/09/14GDOEYE

永井奈都、残り少ないチャンスを掴めるか

国内女子ツアー「マンシングウェアレディース東海クラシック」の初日、5アンダーをマークし首位と3打差の3位タイにつけた永井奈都。今季は「サマンサタバサレディース」で6位タイに入るなど25試合に出場し14試合で予選を通過しているが、現在の賞金ランキングは49位と、シード権(50位以内)のボーダーライン上にいる。 2002年のプロテストに合格した永井は、09年にシード権を掴んだが、それ以外のシーズンはフル出場することができず、ステップ・アップ・ツアーを主戦場としてきた。今季は2度目のシード権獲得が目標となるが「今のままではダメなので」と永井は話す。 昨年末のクオリファイで41位になった永井は、シーズ...
2012/09/14GDOEYE

苦悩の伊澤利光 心を揺さぶる唯一の存在は

渾身の思いを込めて放ったティショットは、左サイドの木々の中へ消えた。北海道の札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コースで開催中の国内男子ツアー「ANAオープンゴルフトーナメント」2日目。連日の「68」をマークして通算8アンダーにスコアを伸ばしてきた伊澤利光。しかしこの最終18番の一打で、名手の心はまた折れてしまった。 「満足度?まったく(無い)です」。ホールアウト後の表情は、トップに2打差の3位タイで決勝ラウンドに進んだ選手のそれではない。この日はインから出ると11番(パー3)で5番ウッドでの第1打をピンそば1メートルにつけてバーディを先行。さらにその後4バーディを重ね、ボギーは8番(パー3)だけ。しかしそ...
2012/09/14GDOEYE

ヤニ・ツェン、R.マキロイから得た学び

今季のヤニ・ツェンの成績は、まるでジェットコースターのようだ。開幕戦からの5試合で3勝を挙げ、9試合で8度のトップ10と無類の強さを発揮していた。ところが、6月の「ウェグマンズLPGA選手権」で59位に沈むと、その後の4試合で3度の予選落ち。唯一予選を通過した「全米女子オープン」も50位タイと振るわなかった。 その間、ヤニは「メンタルの問題」と言い続けていたが、ショットは曲がり、パターは決まらず、世界ランク1位の面影は消えかけていた。コーチのゲーリー・ギルクリストは言う。「世界一になって、ゴルフ以外にやらなければいけないことが増えた。それはゴルフ界にとっては良いことだけど・・・。それに、少し成...
2012/09/13GDOEYE

43歳の丸山茂樹「この3年間はつらい」

国内男子ツアー「ANAオープンゴルフトーナメント」初日。平塚哲二が7アンダーの単独首位でスタートする中、3シーズンぶりの勝利に期待がかかる丸山茂樹が「68」をマークしてトップに3打差の7位タイでスタートした。 17番までに5つのバーディ(1ボギー)を積み重ねて迎えた最終18番。第2打をグリーン左に落とした丸山は、鮮やかなショットでスタンドのギャラリーを沸かせた。数々の名勝負を生んできた札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コースの3段グリーン。ウェッジでふわりと上げたロブショットが、ピンそば1メートルにピタリと止まった。見事なパーセーブに「あのへんは、何十年もやってますから」と得意げな笑顔。米ツアー3勝をはじ...
2012/09/15GDOEYE

ナ・ダエ、2打罰の帳消しに笑顔を取り戻す

国内女子ツアー「マンシングウェアレディース東海クラシック」の2日目を終えて、首位と3打差の通算8アンダー2位タイに浮上した韓国のナ・ダエ。ホールアウトした時にはリーダーズボード上で通算6アンダーとなっていたが、通算8アンダーに訂正が入った。 7番のグリーン上で同組のウェイ・ユンジェ(台湾)のライン上にマークをしていたダエは、パターヘッド1つ分左にずらすよう要請を受けたため、一端マーカーを取り外した。ダエが使用していたマーカーは芝に埋め込むタイプだったこともあり、持ち上げた瞬間に少量だが芝の中の砂が表面に出てしまった。 それに気づいたダエは、ユンジェのパッティングライン上で迷惑をかけたという思い...
2012/09/15GDOEYE

室田淳が3位浮上 最年長優勝記録更新は?

初日は丸山茂樹、2日目は伊澤利光。ビッグネームが久々の好スコアで会場を盛り上げている国内男子ツアー「ANAオープンゴルフトーナメント」。その3日目は、彼らのさらに上をいく大ベテラン、57歳の室田淳が優勝争いに加わってきた。 予選ラウンド2日間をいずれも「69」でまとめ、6アンダーの11位タイから出ると、序盤はショットをピンに絡めてスコアを伸ばした。「外さないところにアイアン(ショット)がついたね」。風の強くなった後半はチャンスがほとんど無かったが、トータル5バーディ、1ボギーの「68」。首位のキム・ヒョンソン(韓国)からは4打差、自身を含めなんと10人がひしめく3位タイグループに割って入った。...
2012/08/10GDOEYE

“非情の宣告”から復帰 天沼の苦難

天沼知恵子が突然の腰痛に襲われた悲劇は、昨年7月の「日医工女子オープン」プレー中に起こった。診断結果は「第5腰椎分離すべり症」。約1カ月後の8月5日に手術を受けたが、担当医師からはゴルフ界への復帰は難しいという非情の宣告を受けていたという。 およそ5時間に亘る大手術は無事に成功。しかし、「(手術を)選択したときは、もうゴルフをしようと思わなかった」と、天沼の心の傷まで癒やすに至らなかった。その壁を乗り越え、復帰への意欲を湧かせたのは、同様の症状により手術を受けた、同じ境遇に身を置く周囲の患者たちだった。 その中にはゴルフ好きの人も多く、医師からは天沼と同じ“宣告”を受けた人ばかり。「私が復活し...
2012/08/10GDOEYE

R.マキロイ 新時代を告げるメジャー2勝目へ好発進

ゴルフの海外メジャー大会は現在、四半世紀ぶりの群雄割拠の構図を示している。そういうと少しばかり大袈裟なのだが、事実として、2008年の「全米プロゴルフ選手権」でパドレイグ・ハリントン(アイルランド)が、同年の「全英オープン」からの連勝を果たして以降、16大会、つまり16人のメジャー王者がすべて異なっている(ハリントンを含む)。 この現象はここ25年間において初めてのこと、またそのうちメジャー初制覇を成し遂げた選手が12人と、続々と新星が誕生。もちろんこの現象はタイガー・ウッズの一時期の“低迷”が無関係ではないはず。タイガーの王朝が一度終焉を告げたことの、裏返しでもある。 その現状を受け、昨年の...
2012/08/06GDOEYE

ライダーカップ代表争奪戦が、優勝争いに

米国と欧州、両選抜のプライドをかけた2年に1度のビッグイベント「ライダーカップ」。今年は米イリノイ州シカゴ近郊のメディナカントリークラブで9月28日(金)に開幕するが、その代表選手の決定がいよいよ迫っている。 ライダーカップは、それぞれのチームの独自のポイント制度とキャプテン推薦(欧州は2人、米国4人)によって両軍12名ずつの代表選手が決まる。米国代表の8枠は次週の「全米プロゴルフ選手権」までの合計ポイントによって自動的に決まり、欧州も8月23日(木)開幕の「ジョニーウォーカー選手権」終了後に10名が決定するが、やはりメジャー最終戦が大きなポイントとなる。 キーガン・ブラッドリーの劇的な逆転勝...
2012/08/05GDOEYE

諸見里しのぶが敗戦で得たもの

北海道の札幌国際カントリークラブで開催された「meijiカップ」最終日は、首位に3選手が並び、勝敗の行方はプレーオフに持ち越される混戦模様を呈した。 「空回りしても思い切り攻めます」。首位と2打差の2位タイ、10時に最終組からスタートした諸見里しのぶは、2番(パー3)でこの日1つ目のバーディを奪うと、5番、左ラフから放った2打目はピン手前から転がり、50cmにつけるスーパーショットで魅せる。これを難なくバーディとし、首位のアン・ソンジュ(韓国)を捕らえて並んだ。続く6番(パー5)では、セミラフからの第2打をピン手前2mにつけてバーディとし、一時は単独首位に立った。しかし、アン、そして最終組の2...
2012/08/05GDOEYE

PGAツアーの“常識” お金を払ってボランティア

トッププレーヤーがしのぎを削るツアートーナメント。ビッグタイトルがかかった大会となれば、数万人のギャラリーが訪れ、華々しい雰囲気が会場には充満する。しかしその舞台を陰で支えるスタッフの数は莫大なもの。中でも、地元住民を中心として形成されるボランティアの数は1試合につき、約1000人にも上る。 米オハイオ州アクロンに住むバーバラ・ディートリッヒさんは、「WGCブリヂストンインビテーショナル」の前身大会から、53年にわたり、ボランティアとしてファイヤーストーンCCで行われるトーナメントに参加している大ベテランだ。ギャラリー整理から、選手の移動をサポートする運転手をはじめ、各担当での経験があり、女性...
2012/08/03GDOEYE

プロテストトップ通過の東、プロデビュー戦の初日は・・・

先月26日に行なわれた「2012年度LPGAプロテスト」でトップ合格を果たした東浩子が、北海道の札幌国際カントリークラブで開幕した「meijiカップ」に出場。その初日、2バーディ、4ボギー、1ダブルボギーの「76」と出遅れ、ほろ苦いプロデビュー戦の初日を終えた。 「緊張したのは1番のティショットだけ」と、プロデビュー戦にしてその堂々たる落ち着き様には目を見張ったが、その理由は、この日同組でラウンドした藤本麻子の存在があった。地元(岡山県)も一緒、高校の2つ上の先輩であり、子供のころからともに練習に励んできたという2人は、家族ぐるみでの付き合いも長いことから、心通わせる仲だ。ラウンド中も他愛ない...
2012/08/03GDOEYE

史上最年少?“0歳児”の入場パス

オハイオ州のファイヤーストーンCCで開幕した今季の世界選手権シリーズ第3戦「WGCブリヂストンインビテーショナル」。世界ランク上位者を中心としたトッププレーヤーが集結する一戦で、オーストラリアのジェイソン・デイが戦線復帰した。 デイはこの試合が、8位タイに入った1か月前のAT&Tナショナル以来のトーナメント出場だ。戦列を離れていたワケは7月10日に第一子、長男のダッシュくんが誕生したため。メジャー第3戦の「全英オープン」も欠場し、エリー夫人をサポートしていた。 ところで、こちらの24歳の新米パパを応援するため、一家が在住するオハイオ州で行われる今大会には、さっそく家族で会場入りした。しかし今回...
2012/08/04GDOEYE

スーパー高校生、藤田光里が好位置で決勝に進出

北海道の札幌国際カントリークラブで開催されている「meijiカップ」の2日目。同大会に推薦出場しているアマチュアの藤田光里が、首位と3打差に迫る通算3アンダーの5位タイで最終日を迎える。 藤田は札幌市中央区の飛鳥未来高校に通う高校3年生。初日も並み居るプロを押しのけ、堂々の3アンダー「69」をマークして、2日目の今日は4位タイからスタートした。この日は強風が吹き荒れ、上位陣の選手たちは軒並み足踏みを続ける状態が続くも、藤田は前半パーを重ねるゴルフで耐えしのぎ好位置をキープして折り返した。 後半に入った10番では約6mのバーディパットを沈めると、続く12番(パー5)では3打目を約50cmにつける...