感情と、自らのゲームをコントロールするタイガー・ウッズ
1998年 全米オープン
期間:06/18〜06/21 場所:オリンピッククラブ レイクコース(カリフォルニア州)
ジャンボは白旗宣言? スチュアートが快進撃
ある程度予想はされていたこととはいえ、ジャンボ尾崎は苦戦した。練習日にはけっして悪くなかったティショットが少しずつ狂い始めてきた。地獄のようなラフにはまりこんだボールは、ほとんど1ペナルティ状態だ。11年ぶりのオリンピッククラブの初日、ジャンボはなすすべもない8オーバー。
ドライバーに迷っているように見えた。初日とはまた違う「昔のクラブ」をバッグを入れていたが、しかし完全に信頼して振れていないように見えた。
アイアンがほんの少しだがショートする。パッティングも冴えがなかった。読みようがないような芽の強いグリーンとはいえ、思い切って打つことができない。ラインに乗ってはいるのだがショート、ショートの連続。8オーバーなんて、このオリンピックでは実に簡単なスコアだ。
「ティショットがいけない。もっともっもと精度を高めないとこのコースには通用しない」とジャンボは言う。しかしまた「イメージが沸かない。うまく行きそうなイメージがない」とも言う。ジャンボ独特のいいまわしだが、これは実質的な敗北宣言?
あのタイガー・ウッズが4パットしてしまうのがオリンピッククラブのグリーンだ。言い飽きた感じもあるが、まったく信じられないようなことがここでは起きる。
ペイン・スチュアートが上がりホールで連続バーディとして、4アンダーまで貯金をつくった。17番のバーディは「感覚としてイーグルだ」とスチュアートはコメントした。パー4ということにはなっているが、実質的な距離や難易度はパー5。そう思ってプレーしているのだという。
ジョン・デーリーはドライバーを捨て、アイアンでティショットを続けて1アンダーをマークした。デーリーは外見から想像できるような飛ばすだけの「ゴリラ」ではない。ティショットの正確さと小技の重要性をだれよりも承知している。練習場ではたんねんにアプローチの練習に時間をさいていた。
現地のギャラリーはタイガーやクーチャー、デュバルなど若手にさかんな声援を送っている。しかしこの過酷な4日間を制するのはスチュアート、あるいはレーマンやモンゴメリーなどのベテランではないか・・・。そんな印象の初日だった。
(サンフランシスコ・佐藤直樹)